N=1から可能性をひらく人たち

薬の新しい価値を見つけ
発信するために
世の中の声を聞く

岸田 百世kishida momoyo

2016年入社
メディカルアフェアーズ部/メディカルインフォメーションG/サイエンススタッフ職
薬学研究科 創成薬学専攻 修了

大阪府出身。学生時代、薬学を学んだが将来の希望が固まることはなかった。ただ、人の健康に役立ちたいという思いで製薬メーカーであるマルホに入社。入社以来、メディカルアフェアーズ部で勤務。現在所属しているグループでは、自社製品の新しい価値を見い出すための情報収集・分析業務や、薬剤の適正使用推進のための情報発信を中心とした業務に携わっている。

薬は世の中に送り出してからが大切

私が所属しているのはメディカルアフェアーズ部です。少し珍しい仕事なので、最初に仕事のことを説明させてください。メディカルアフェアーズ(以下、MA)は、自社製品の薬の価値を最大限にまで引き上げるという役割を担っています。新薬開発のための臨床試験(治験)は、上市にあたり必要なデータを取り国の販売承認を得ることが目的ですから、試験で評価する項目が限られています。でも、市販されれば様々な背景をもつ患者さんが薬を使うようになり、それに応じて追加の情報が必要となったり、薬の新たな可能性が見えてきたりします。

私たちは医師、患者さん、論文などから情報を収集し、分析して、医療現場におけるアンメットニーズを見出します。そして、市販後の製品について新たなエビデンスを創出し、世の中に発信しています。

ひとりでは出来ないから仕事は面白い

あまりアクティブな性格ではないので、マルホに入社した当時は「じっくり取り組めるデスクワークの仕事がいいかな」というくらいに考えていました。でも、MAという仕事に出会ってからは挑戦してみたいことが増え、デスクワークだけでは完結しない仕事を楽しめるようになりましたね。入社後すぐに臨床研究の立案に携わり、その研究結果の論文公表までトータルに立ち会う中で仕事の本質を掴み、仕事に積極的に取り組めるようになったのだと思います。

MA部だけではなく、他の部署や社外の人たちと連携しながら仕事を進める。そうすることで、自分が見落としていた問題に気付いたり、新たなアイデアが浮かんだりするんです。ひとりでは出来ない仕事の重みと面白さを知りました。

現場を知らないことが弱みだと気付いた

ある時、高齢者施設で行われた、保湿剤であるヒルドイドを正しく使用していただくためのレクチャーに立ち合いました。介護職員の方にヒルドイドの塗り方をレクチャーする中で、「保湿剤ってこんなにたくさん塗るんだ」など、受講者のリアルな反応を直に見ることができました。

後で取ったアンケートでも「塗る量のことは知らなかった」という方が多く、パンフレットやウェブサイトで情報発信していても、マルホ製品をお使いいただく方まで伝わっていないこともあるんだということを実感したんです。実態を生で見たことで、「現場を知らないことが私の弱みだ」と気付きました。この気付きは、デスクワークがいいと言っていた私が、外に出て現場を知りたいと思うようになったきっかけの一つになりました。

小さな声に新しいニーズが隠れている

私たちはアンケート調査をよく実施します。記述式の回答をグループ分けして結果の概要を掴んでいくのですが、少数意見はグルーピングの過程で埋もれてしまいます。でも、むしろ少数意見の中に、意外な答えや新しいニーズが隠れていることが多いと感じています。そのため、社内ではできる限り生のデータを関係者と共有し、それぞれの気付きを持ち寄ってディスカッションすることを心掛けています。

患者さんの小さな声をすくいあげる。それこそ私たちの使命だと私は感じています。現場を知ることで仕事の本質は変わります。同じデスクワークでも、現場に行って見たいこと、聞きたいことを考えながらやっているデスクワークは、楽しくてやりがいがありますよ。

career

2016年4月
【 メディカルアフェアーズ部 】
配属当時から5年半にわたり、メディカルプランの策定や臨床研究などのエビデンス創出を中心とした業務(現メディカルプラン推進グループの役割)を担当。メディカルアフェアーズの中心機能に関わる幅広い業務経験を積んだ。
2021年10月
【 メディカルアフェアーズ部/メディカルインフォメーショングループ 】
情報収集・分析・発信を中心とした業務にあたり、最終的に医療関係者や患者に配布するパンフレットやホームページに掲載するコンテンツの作成にまで携わる。マルホ製品の適正使用につながる情報を発信するため日々スキルを磨いている。