N=1から可能性をひらく人たち

研究は、
薬で社会に貢献するための
プロセスだということを忘れない

石丸 浩靖ishimaru hironobu

2012年入社
開発研究部/安全性研究グループ/研究職
獣医学部 獣医学科 卒

兵庫県出身。子どもの頃から何か動物に関わる仕事がしたいと考えていた。獣医になりたいというよりも、獣医の資格があれば動物関係の仕事の役に立つだろうというくらいの考えだったと言う。大学で犬のアレルギーについて研究していたことと、自分自身がアトピーで苦しんだこともあって、皮膚科の領域に興味を持ち、マルホに入社。マルホに入社してからは一貫して非臨床研究を行っている。

動物が好きだったことが研究に結びついた

子どもの頃から、将来は動物関係の仕事がしたいなあと思っていました。父親の仕事の関係でアメリカの高校にも少し通ったんですが、そこでもアニマルサイエンスという選択授業を取っていたくらいです。何がしたい、ということは曖昧でしたね。でも、動物関係の仕事をするなら獣医の資格は役に立つだろうと、獣医学部で学びました。

大学で研究することの面白さに目覚めました。大学では犬のアレルギーについて研究をしていました。そのまま大学で研究を続けるという道もありましたが、企業で研究職につくなら新卒がいいだろうと思ったんです。あとは、自分自身がアトピーで悩んでいたこともあってマルホへの入社を決めました。関西出身なので、研究所が関西にあるというところにも惹かれましたね。

研究することは目的ではなくプロセス

入社してから一貫して非臨床研究を行っています。具体的には、これから世の中に出ていく薬の副作用を動物で実験する研究ですね。あとは、製品に関する研究チームにも参加しています。こちらは、すでに市販されている製品の新しい可能性を探るための研究です。

どの研究も世の中に薬を送り出したり、送り出した薬の価値を高めるためのものなのでゴールがきちんとあります。学生時代のように真面目に研究に取り組み、シードを見つけるような研究とは違う。企業での研究は「良い薬で社会に貢献する」「患者さんを笑顔にする」というはっきりとしたゴールがあるんです。研究そのものが目的ではなく、ゴールに向けたプロセスだということを忘れないようにしています。

全体を知ることで研究者は成長する

深く記憶している仕事があります。ある薬の副作用の研究を行い、その薬が市販できるようにするための承認申請に関わったんです。データを取ってそれを分析・考察するだけではなく行政機関にきちんと伝えないといけない。うまくいかないとスケジュールがずれ込んだり、追加の試験が必要になったりする。とても緊張感のある仕事でした。この仕事で非臨床安全性研究の全体像を掴みました。

主力製品のライフサイクルマネジメントに関わる研究チームの仕事も、その内容が論文発表につながったことに大きな意味がありました。みんなで一つの薬の価値を掘り下げて、その成果を世の中に発表していく過程で、企業で研究するということの醍醐味を感じることができました。しっかりと目的があるからこそ、研究者自身の成長につながるのだと思います。

よく考えることで研究が深く面白くなる

私が気をつけていることは「常によく考える」ということです。いま私は、大学で皮膚生理の研究もしています。考えるということは、それぞれの場所で対象について深く考察すると同時に、自分や周囲の仕事がどう関連しているのかを考えることでもあります。

大学で先生と雑談しているときに、マルホの製品について「あの薬だと、なぜか効くんだよね」と言われたことがあるんです。「効く」と言われるとやっぱり嬉しい。でも、「なぜか効く」という言葉には、データや数字だけでは測れない先生の実感値というものが含まれているわけですよね。だとすれば、そこは研究者として着目しなければならないところかもしれない。そんな気付きが新たな研究を深く面白くしていくのだと思います。

career

2012年4月
【 研究部/安全性研究グループ 】
動物を用いて、薬の副作用を研究。
2019年7月から非臨床研究、社内での非臨床研究(副作用の研究の他、製品に関する研究)に加えて、大学に出向して皮膚生理についての共同研究を開始、現在も継続している。
2021年10月から非臨床研究と同時に、マルホの主力製品の価値をさらに高めるための研究チームにも所属。新たな価値を見つけ出し、論文発表にまで関わる。