N=1から可能性をひらく人たち

乾燥やかゆみに
悩まされたからこそ、
薬の安全性は人ごとじゃない

蒲地 秀崇kamochi hidetaka

2018年入社
安全管理部/リスクマネジメントグループ/サイエンススタッフ職
薬学部 薬学科 卒

東京都生まれ、長野県育ち。看護師の母の影響もあり薬学に興味をもつ。自分自身も皮膚の乾燥やかゆみに悩まされた時期があり、マルホへの入社を決めた。市販後の自社医薬品の価値を向上させる仕事に興味をもち、入社後はメディカルアフェアーズ部、安全管理部を経験。様々な情報を常にキャッチアップしながら業務に取り組んでいる。

たかがかゆみ、されどかゆみ

実は私自身も皮膚の乾燥・かゆみに悩まされた時期があったんです。皮膚のかゆみって、経験しないとあの辛さは分からないですね。目に見えて傷があるわけじゃないから他人からは、なかなか分かってもらえない。でも、本人はかゆみに耐えることでイライラしてストレスが溜まっていき、日常生活にも支障が出る。「たかがかゆみ、されどかゆみ」という気持ちですね。皮膚の疾患によって人生を楽しめない人がたくさんいる。そんなかつての自分のような人の役に立ちたいという気持ちでマルホに入社しました。

また、市販された薬の価値を向上させるための業務を行うメディカルアフェアーズ部(以下、MA部)という部署があるということをマルホの説明会で知り、面白そうな仕事だと思ったことも応募の決め手になりました。

薬の価値をアップデートしていく仕事

入社してからは希望通りMA部に配属されました。MA部では、自社の医薬品が対象となる疾患の様々な課題・ニーズを収集し、これらを解決するためのメディカルプランの作成、エビデンス取得のための臨床研究等の立案・実施から論文の作成、情報提供にいたるまで、幅広い業務を行っています。薬を適切な患者さんに広く使っていただき、薬の活躍の場を広げるために、製薬メーカーにとっては不可欠で重要な業務だと感じました。

MA部を3年半経験してから、現在の安全管理部に異動しました。すでに市販されている薬は治験によって有効性・安全性が検証されています。しかし、薬が世の中に出てからは使用する患者さんの数、年齢層や併存疾患の有無など、患者さんの背景は多岐に渡ります。そこで、継続的にモニタリングを行うことで、私たちが発売している薬の安全性に関する情報をアップデートしていくわけです。安全性情報の収集・評価・情報発信についても薬の価値の向上へつながりますので、安全管理部の業務もMA部の業務も、目指すところは同じだと考えています。

データの見方にもキャリアと個性が出る

安全管理部への異動後すぐに携わったのが、ざ瘡(にきび)の薬の再審査申請です。新薬として承認されてから一定期間が経過した後に、医療現場で実際に使用されたデータを収集・分析して、薬の安全性・有効性が承認通り確認できるかを再確認する仕事です。この時は承認後8年間分のデータから安全性・有効性を評価して、行政機関に提出しました。

しっかり評価できているかどうか、プレッシャーを感じましたね。でも、評価の過程でいろんな人たちの意見を聞けるのは楽しかった。同じデータでも人によって捉え方・解釈の仕方が異なり、たくさんの気付きがありました。

自分の仕事の目的を見失わないために

現在は開発中の新薬とすでに市販されている薬のリスク管理をどちらも担当しています。日々の業務を通じて、データを見て判断するときの引き出しが増えている気がします。患者さんに直接話を聞く機会はないものの、日々副作用情報に触れ、患者さんのために真摯に業務に向き合わなければ、と思いを新たにしています。

これからも、いま自分が手がけている仕事の目的は何かということを見失わないようにしたいですね。そう考えることで、仕事の方向性や自分のやるべきことが自然に見えてくることがあります。患者さんが安全に薬を使っていただけるような情報を医療現場や患者さんへ伝えられるように頑張りたいと思います。

career

2018年4月
【 メディカルアフェアーズ部 】
すでに市販されている自社の製品の新しい価値を向上させるための業務に従事。感染症、ざ瘡(にきび)、アトピー性皮膚炎、皮脂欠乏症(乾皮症)の疾患領域のメディカルプランの策定、臨床研究の立案・実施、論文作成等に携わる。
2021年10月
【 安全管理部 】
開発中の新薬と、すでに市販されている薬の両方のリスク管理に従事している。治験段階から安全性についてモニタリングし、臨床試験段階で見つかったリスクをもとに、医薬品医薬品リスク管理計画書(RMP)の策定・製造販売後調査(PMS)の立案等を実施。市販後も継続的に安全性をモニタリングしている。