N=1から可能性をひらく人たち

サイエンスで
子どもたちの人生を彩りたい
その想いが
チームワークの中で生きている

土井 智子doi tomoko

2010年入社
臨床開発部/臨床管理グループ/開発職
農学研究科 生命機能化学科 修了

兵庫県出身。専門分野に長けた理科の先生になりたいと思い農学部へ。研究室生活で組織、チームのメンバーとして取り組むことの楽しさを知り、企業への就職へと目標を切り替える。家族がアトピー性皮膚炎に罹患していたこともあり、皮膚科学の領域に特化していたマルホへの入社を決めた。入社後は一貫して臨床開発部でのキャリアを重ね、現在ではマネージャーとして臨床開発部員の育成を担うとともに、臨床試験のQuality Managementなどの管理業務に従事している。

理科の先生になりたかった

理科の先生になりたかったんです。サイエンスの面白さを感じることで、子どもたちの人生が彩られていく。そんなきっかけを与えられるような先生になりたい。そう思っていました。農学部で学んだのも、なにか専門分野をもった先生になりたかったから。実際に教育実習も終えていたのですが、結局、教員採用試験は受けませんでした。

その理由は学生時代にチームで成果を出すということに、より魅力を感じるようになったからです。教授の方針や研究室の雰囲気もあって、目標に向かって組織のメンバーとして成果を出すことの面白さを経験しました。そんな時に出会ったのが製薬会社の臨床開発という仕事でした。たくさんの製薬会社の中でもマルホを選んだのは、やはり皮膚科学の分野に強かったからですね。

家族を思い出して泣いてしまった面接

皮膚科学という分野に惹かれたのは、アトピー性皮膚炎という疾患が常に身近にあったからです。私は子どもの頃に罹患し成長するにつれて症状が収まりましたが、家族はそうではありませんでした。面接の時にそのことを話していたら思いもよらず涙が出てしまって。思っていた以上に、家族の苦しみに対してその時の自分が何もできないことを悔しく感じていたんだと思います。

入社してからは、ざ瘡(にきび)や帯状疱疹・単純疱疹といった領域の臨床開発に携わってきました。具体的には、CRAとして医療機関を訪問し、臨床試験がGCPや治験実施計画書に基づき適正に実施されているかを確認するモニタリング業務に従事しました。医療機関と製薬会社の架け橋的な仕事ですね。

患者さんから教えられるたくさんのこと

現在は臨床管理グループのマネージャーとして、臨床試験のQuality Managementや人財育成を担当しています。振り返ると、これまでに患者さんから多くのことを教えていただきました。例えば「患者さん」と一言で言っても、未成年者の場合、適切な治療継続には家族の理解やサポートが時に大切なことを学びました。一方で、家族には心配をかけたくないという思いから、一人で治療に向き合って通院する患者さんもいる、だから提供する治験資材一つにしても配慮してあげてほしい、と看護師の方に助言いただいたこともありました。ただ目の前のモニタリング業務をこなすことに必死だった新人当時の私には、はっとさせられる瞬間でした。

内勤業務になった今でも、患者さんや医療現場のことを想像しない日はありませんし、患者さんの声をどうすれば開発段階に取り入れられるか、常に考えています。

サイエンスで誰かの人生に彩りを

仕事に対してもデータに対しても誰に対しても誠実でありたいですね。誠実に自身のキャリアを歩んでいきたい。10年ほど前、社内で新しいアイデアを創出するプロジェクトに参加したことがあって、「子どもが使用する保湿剤は素早く塗れる工夫を!」という提案をしました。そのほうが親にも子どもにもメリットがあると思ったんです。でも、自分に子どもが生まれ、保湿剤を自分の手で塗ってあげながら目線をあわせて話す毎日の時間がどれだけ豊かなものかを知りました。子どもに教えてもらった、私が大切にしている皮膚科学の価値です。

患者さんや子どもから学んできた私がいま、個性豊かなチームのメンバーに「この案件はあの人に任せたいな」と考えている。これって、先生になってやろうとしていたことと実は同じかもしれません。サイエンスの面白さはもちろん、私が学んできたことをチームのメンバーに共有していくことで、彼らのこれからのキャリアに少しでも彩りを与えられたら、そしてそんなチームで創るものが世の中の人々の人生を豊かにすることにつながればいいなと思っています。

career

2010年4月
【 臨床開発部/臨床開発2グループ 】
CRAやプロトコルリーダーのサポートとして、ざ瘡(にきび)や帯状疱疹・単純疱疹の領域に携わり、いくつかの製品を世の中に送り出す。
2017年4月
【 臨床開発部/GCP推進グループ(現:臨床管理グループ)】
臨床試験に関わる様々な管理業務をしながら、新入社員教育などの教育業務を開始する。
2023年10月
【 臨床開発部/臨床管理グループ 】
マネージャーとして臨床開発部員の教育に携わるとともに、臨床試験のQuality Management、QC/資料管理、治験薬管理の責任者を担っている。