N=1から可能性をひらく人たち

患者さんの立場となって知った
医薬品の安心を、
品質管理として守り続ける

河野 隼人KONO HAYATO

2022年入社
彦根工場/品質管理グループ/生産技術職
医薬保健学域 薬学部 修了

北海道出身。化学が好きで薬学部に進学。薬剤師を目指していたが、病院実習で医薬品そのものに興味を抱くようになった。幼少期からアトピー性皮膚炎や小児喘息を患い、多くの医薬品に救われてきた河野。だからこそ、誰もが品質の心配をすることなく、医薬品を使用できていることの重要性に気付き、貢献したいと考えるようになった。現在は、品質管理グループで、患者さんの安心を支える「品質の砦」として活躍している。

アトピーと喘息の経験が、マルホへの第一歩に

最初は、薬剤師を目指していました。しかし、病院実習を経験するなかで、患者さんの笑顔が医薬品によって支えられているということを実感しました。そこで、薬を扱う薬剤師ではなく薬を作る、製薬メーカーを視野に入れるようになったんです。
私は子どものころからアトピー性皮膚炎と小児喘息に悩まされてきました。そんな私を苦しみから救ってくれたのは品質の高い医薬品です。これまでにたくさんの医薬品を使ってきたにも関わらず、私はそれまで薬の品質について考えたことはありませんでした。それは、日本の医薬品が、誰もが疑うことのないくらいに高品質だから。そんな製薬メーカーの品質管理という仕事につきたいと考えるようになりました。
たくさんの製薬メーカーの中で、マルホを選んだのは、自分がマルホ製品を使っていたことが大きかったですね。加えて、皮膚科医師からの信頼、社内の人の温かさが重なり、私はマルホを選びました。

品質の砦として、患者さんに信頼を届ける

入社して1~2年目は、HPLCや分光光度計、滴定装置を使った定量・純度の試験をしていました。他にも、塗り薬の硬さやローションの流動性など、「塗り心地」に関する試験も担当。2年目からは、文書管理業務も任されていました。これは、試験手順書に手順の変更を反映したり、ミス防止のための注意点を加えたりと、一言一句の正確さを確認する重要な仕事です。現在は、製品試験や原料試験、洗浄確認試験や安定性試験を並行して行いながら、標準品の管理や衛生管理も担当しています。
仕事を進めながら小さな違和感を感じたら徹底的に調べる。そこから不具合を見つけると、品質の最後の砦を守っている者としてのやりがいを感じますね。これからも、誠実に正確に一つひとつの仕事に取り組んでいきます。そして、将来は試験の判定やマネジメントにも挑戦していきたいと考えています。

試薬選定のミスから学んだ、品質管理の重み

入社1年目、まだ新人だった私は、試薬管理を任されていました。ある日、試薬メーカーさんから、購入している試薬の販売終了の連絡がありました。そして、勧めてくださった後継品を購入することに決定。しかし、実際に試薬の使用が始まって、試験記録書の確認時に「いつもと違う試薬だけど大丈夫?」と指摘が入りました。調べてみると、後継品が手順書で決められた内容とは違うことが発覚したのです。
幸いにも試薬を使用した原料は、製造に用いられる前で、製品に影響はありませんでした。しかし、試験はやりなおすことになり、周囲の人たちに多大な迷惑をかけてしまいました。そして、そのまま製品が作られていたとしたら、という恐怖に私は包まれました。同時に、この件は、私にとって大きな学びになりました。知識不足を痛感し、なぜその手順書が存在するのかを理解し、さらにより深く知ろうとするきっかけになったのです。

『誠実であれ』という想いを胸に、安心を守り続ける

品質管理という仕事は、患者さんの声をいつでも聞ける仕事ではありません。でも、自分自身がアトピー性皮膚炎のかゆみで、Tシャツを血だらけにしたときの苦しみや、小児喘息で咳き込んだときのことを忘れることはない。だからこそ、マルホのミッション『あなたといういのちに、もっと笑顔を。』を実現するためのバリュー『誠実であれ』が強く心に響くんです。
そして、自分がなんの疑いもなく医薬品を使っていたときのように、患者さんが品質のことを気にせずに治療に専念できる環境を守っていきたいと考えています。それが私たち品質管理の責任であり、存在価値なのだと思うからです。これからも、マルホに入ってくる新しい人たちと一緒に、患者さんを笑顔にしていきたいですね。そのためにも、品質の砦としての品質管理の仕事に誇りをもち、誠実に取り組み続けたいと思っています。

career

2022年4月
【 彦根工場/品質管理グループ 】
品質管理グループに配属。HPLC、分光光度計、滴定装置を使った定量・純度試験、粘度計、硬度計、粒度分布測定装置を使った物性試験、試薬管理を担当。
2023年後半~
【 彦根工場/品質管理グループ 】
試験に加え、試験手順書の改訂・管理を行う文書管理を担当。公定書(日本薬局方など)の変更反映、試験の正確性を高める文書管理、標準品の管理、衛生管理業務に注力。