監修: 牧田総合病院 肛門科
佐原 力三郎 先生
保存療法
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生活療法
痔の症状を悪化させないために、日常生活では次のようなポイントに気をつけることが大切です。また、痔でない方も、痔が治った方も、発症や再発を予防するために、おしりにやさしい生活習慣を身につけましょう。
※ | ここで紹介している方法は、場合によっては体調を崩したり、症状を悪化させることもあります。特に、他に持病のある方は、医師に相談しながら実践しましょう。 |

便意を感じた時に排便する
我慢は便秘をまねきます。
排便時間は長くて3分以内にする
完全に出し切ろうとして必要以上にいきまないようにしましょう。
排便後は肛門を洗うなどして清潔に(十分に乾燥を)
ただし、おしりの洗いすぎはかえって肛門に負担をかけるので気をつけましょう。

食物繊維をしっかりとる
食物繊維は腸内で水分を吸収して膨らみ、便の量を増やして軟らかくし、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を高めます。ただし、下痢気味の方は消化のよい食事をとりましょう。
十分な水分を摂取する
1日2~2.5リットルぐらいの水分摂取が理想です。便秘解消や、便を軟らかくすることにつながります。
朝食をしっかりとる
食事は胃腸の活動を活発にして便意を起こさせます。朝、時間がない時は、冷たい水や牛乳を飲むだけでも効果があります。
アルコール類、香辛料を控える
肛門を刺激したり、うっ血させたりして、痔を悪化させます。
適度な運動をする
腸の動きを活発にし、排便をスムーズにします。ただし、過度な運動は、いきんだ時に肛門に負担をかけるのでよくありません。
同じ姿勢をとり続けない
肛門がうっ血しやすくなります。立ちっぱなし、座りっぱなしの仕事をしている方は、ときどき軽く体操をして血行をよくしましょう。
毎日入浴する、腰やおしりをカイロで温める
冷えは血行が悪くなるばかりでなく、下痢の原因にもなります。ただし、痔の症状によっては、温めると悪化することがあります。


痔の応急手当て
痛みがある場合は、肛門に力を入れないようにして、おしりを温めると痛みが和らぎます。ただし、患部が熱を持っている場合は冷たいタオルなどで冷やしてください。
出血している場合は、患部にガーゼを当て、おしりの位置を心臓より高くして安静にします。
肛門から痔核が出た場合は、痛みがなければ指で肛門の中にゆっくりと押し込みます。ただし無理は禁物です。

