保護者と主治医が振り返る治療体験談
Cさんは、乳幼児健康診査(乳児健診)で娘さん(D子ちゃん)の額の生え際にできたピンクのぷつぷつを乳児血管腫(にゅうじけっかんしゅ)の可能性があると指摘され、すぐに専門医のいる病院を受診しました。悩むことが少なく、行動が早いCさん。専門医と出会うことで、正しい情報や治療に早くたどり着くことができました。
01
0歳2ヶ月の頃、娘(D子ちゃん)の額の生え際に「ピンクのぷつぷつ」があることに気付きました。かゆがっている様子もなかったので気にしていなかったのですが、しばらくして「赤くなってきたかな? 盛り上がってきたかな?」と思っていたところ、乳幼児健康診査(乳児健診)で「乳児血管腫」の可能性があると指摘されました。すぐに小児科のかかりつけ医から紹介いただき、出産した病院を受診しました。
乳児血管腫は、赤ちゃんの皮膚にぷつぷつとした赤いあざのようなものができる病気で、乳児検診で指摘されることが多いようです。
02
CさんとD子ちゃんは、早めに病院を受診されましたね。
はい。私自身、行動が早いタイプだと思います。
乳児健診で疾患名を聞いてインターネットなどで調べはしましたが、いろいろと悩むよりも、専門の先生に診ていただくのが良いと思いました。結果として、正しい情報に早くたどり着けたと思います。
インターネットは確かに便利なツールです。ただ、偏った情報や不正確な情報もあるので、是非、専門医にご相談いただきたいと思います。
03
荒牧 典子 先生
慶應義塾大学医学部 形成外科 専任講師、病棟医長。2001年慶應義塾大学医学部卒業。静岡赤十字病院 外科医員、東京医療センター 形成外科医員、米国Cleveland Clinic, Lerner Research Institute, post-doctoral fellow、済生会中央病院 形成外科 医員、慶應義塾大学医学部 形成外科 助教・講師を経て現職に。専門は形成外科一般、瘢痕・ケロイド、血管腫・血管奇形、乳房再建、手足の先天異常、褥瘡・難治性潰瘍、日本形成外科学会専門医、小児形成外科分野指導医、日本創傷外科学会専門医、レーザー分野指導医
「乳児血管腫」は良性の疾患ですが、「あと」(瘢痕:はんこん)が残ることがあり、「あの時ああしとけば良かった」という後悔がないように、早めに受診していただきたいと思います。「乳児血管腫」の治療には、飲み薬、レーザー、手術のほか、 経過観察(無治療で様子を見る)という選択肢があります。当院では、選択肢についてご説明し、どれを選ぶかについて、ご家族と一緒に考えながら決めていただいています。もちろん、1回で決めていただく必要はありません。是非、専門医を受診することをご検討ください。