ヘマンジオルシロップを服用されているお子さんの保護者の方へ

保護者と主治医が振り返る治療体験談

  • 【監修】慶應義塾大学医学部 形成外科
    専任講師 荒牧 典子先生

CさんとD子ちゃんの場合
~ヘマンジオルによる治療~

乳幼児健康診査(乳児健診)で乳児血管腫(にゅうじけっかんしゅ)が見つかったD子ちゃん。お母さんのCさんと病院を受診し、入院して飲み薬(ヘマンジオルシロップ)の治療を開始しました。D子ちゃんはお薬をいやがらずに飲んで経過も順調でしたが、少し気になることが…。

01

入院でお薬を開始。
D子ちゃんとの大切な時間に

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Cさん
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飲み薬、レーザー、手術、経過観察(無治療で様子を見る)のうち、先生からは飲み薬を勧めていただきました。
乳児血管腫はそのうち消えていく可能性が高いけれど、「あと」(はんこん)が残る可能性があるとお聞きして、すぐに治療を開始しようと思いました。

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荒牧先生

D子ちゃんの額にできたぷつぷつは2cmほどの大きさで、かつ盛り上がっていましたので、整容面を考慮して、お薬をお勧めしました。その時にはお薬で期待できること、リスク(副作用など)を含めて、ほかの選択肢と一緒にご説明しました。
治療は、入院して内服を始めていただきました。

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Cさん
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D子に付き添って入院しました。4泊5日でした。
上の子たちはD子とは歳が離れていたので、その点は心配ありませんでした。
食事がどうしてもコンビニばかりになるのが少しつらかったです。
でも、D子は元気で、持参した音が出る本を読んだりして、一緒に過ごす良い時間となりました。先生も看護師さんも様子を見にきてくださったので、安心できましたし。

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荒牧先生

小さいごきょうだいがいたり、ご家族の介護、お仕事などで、保護者の方が付き添えないことがあると思いますが、その場合も搾乳で対応できるので、安心して入院していただけると思います。

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Cさん
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退院後も、D子はお薬をいやがることはなく、しっかり続けることができました。
お薬の副作用として説明されていた低血糖もなく、治療に困ることはありませんでした。
そのうち、徐々に色も薄くなってきましたし。

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荒牧先生

D子ちゃんの場合、治療は順調でしたね。
お薬による治療では、副作用が起こる可能性があります。とくに離乳食が始まって食事と食事の時間の間隔が長くなったり、風邪などの感染症や下痢があったりする時は低血糖になる可能性があるので、そのような時はお薬をスキップしてください。
また、いつもと様子が違う、ぐったりしているなどがあったら迷わず病院を受診するようにしてください。
もしお薬をスキップしたり、具合が悪くなって予定外の受診をしたりした時などは、次の診察時に教えてください。

02

お散歩の時の何気ない一言が、気になってしまったことが

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荒牧先生

治療以外で困ったことや、気になったことはありましたか。

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Cさん
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はい。
お散歩など外出した時に、「あら、どうしたの? 赤いわね」と、言ってくださることがあります。気にかけていただいているのは分かるのですが…。
D子は全く平気なので、気にする必要もないのでしょうけれど。

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荒牧先生

保護者の方から、そのようなお話はよく聞きます。
周りの方の何気ない一言で、つらく感じられることもあるかと思います。そのような時は、どのように接していらっしゃいますか。

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Cさん

「今、ちょっと湿疹ができていて」と言うようにしています。
また、D子は額の生え際だったので、夏は帽子で見えなくなりますし、気になる時は薬局で売っているニキビ跡を隠すようなシールを貼って出かけることもありました。

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荒牧先生

ご自身でも答え方や、シールなど工夫されてきたんですね。

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Cさん
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0歳の子を連れての通院など、大変なこともありましたが、ずっと先生にD子を診ていただき、安心して治療を続けることができました。最近では、かなりおしゃべりできるようになってきて、成長した姿を先生に見ていただくのが、楽しみになりました。

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荒牧先生

次の診察は来月ですね。D子ちゃんに会えることが、楽しみです。
私は、診察時に病変の写真を撮影しています。
大きくなった時にお見せすると、「これ、私が赤ちゃんの時の写真!」と指さして笑顔になったりされます。
小さなお子さんの成長を見守ることができて、幸せです。

03

乳児血管腫の治療を受けている
お子さんのご家族の方へ

荒牧 典子 先生
慶應義塾大学医学部 形成外科 専任講師、病棟医長。2001年慶應義塾大学医学部卒業。静岡赤十字病院 外科医員、東京医療センター 形成外科医員、米国Cleveland Clinic, Lerner Research Institute, post-doctoral fellow、済生会中央病院 形成外科 医員、慶應義塾大学医学部 形成外科 助教・講師を経て現職に。専門は形成外科一般、瘢痕・ケロイド、血管腫・血管奇形、乳房再建、手足の先天異常、褥瘡・難治性潰瘍、日本形成外科学会専門医、小児形成外科分野指導医、日本創傷外科学会専門医、レーザー分野指導医

飲み薬(ヘマンジオルシロップ)による治療は、飲ませ方の工夫、低血糖の予防、体調が変化した時の速やかな対応がポイントとなります。保護者の方が病気や治療についてよく理解されることや、治療に詳しい医師など信頼できる相談相手の存在もとても大切です。飲み薬(ヘマンジオルシロップ)を処方された方を対象とした、保護者向けLINE公式アカウント「ヘマンジオル®服薬サポートサービス」もございますので活用してください。

※保護者向けLINE公式アカウント 「ヘマンジオル®服薬サポートサービス」は医師からの紹介でご利用いただけます。