成人と同じく外用療法(塗り薬)が治療の中心となります。塗り薬の種類は「ステロイド外用薬」と「ビタミンD3外用薬」があります。これらの薬を単独もしくは組み合わせて使用されます1)。
ステロイド外用薬は、皮膚の炎症(赤いはれ)を抑えて、かゆみに効果を示します。効果が現れるのが早いですが、長期間使用すると皮膚が薄くなることがあります。
ビタミンD3外用薬は、皮膚の細胞が過剰に作られるのを抑えて、皮膚を正常な状態に導きます。ステロイド外用薬と比べて、ゆっくりと効果が現れます。継続して使用することで、皮膚の良い状態を長期間保つことができるといわれています。
小児では、塗り薬の使用量や使用期間に注意する必要があります。これらの事項は担当医とよく相談することが大事です。
光線療法は、光源ランプで発疹に紫外線(UVAやUVB)をあてて、過剰な免疫反応を抑える治療方法です。塗り薬だけで症状が良くならないときなどに使用されます(全身型の光線療法の対象年齢は10歳以上)2)。
乾癬では広範囲に皮疹が分布し、外用療法だけでは治療することが困難な場合があります。このような場合は全身に光線療法を行った方が、治療効果が高くなります。定期的に通院して照射することが大事です。照射量やその回数については、担当医とよく相談することが大事です。また、部分的に紫外線を照射することができる機器もあります。肘、膝などの擦れる部位は難治になることがあるので、外用療法だけで治らない時は、部分的に紫外線照射をすることも可能です。
内服療法(飲み薬)には、「ビタミンA誘導体」、「免疫抑制剤」、「抗ヒスタミン薬」、「抗菌薬」など作用が異なるものが数種類あります。患者さんの症状に合わせて、単独または他の治療法(外用療法など)と組み合わせて使用されます。
小児では、成人で使用する用量とは異なることに留意する必要があります。
生物学的製剤は、炎症にかかわるたんぱく質(サイトカイン)の働きをピンポイントに抑えることで乾癬の症状を改善するお薬で、皮下注射と点滴の2種類があります。
乾癬の皮膚症状に対する効果が高く、関節症状にも効果がありますので、塗り薬や飲み薬などの治療で十分な効果がみられない場合に使用されます。小児に使用できる製剤もあります。
生物学的製剤では医療費の負担も大きくなりますが、助成制度として「子ども医療費助成制度」などもございますので担当医へご相談ください。
1) 梅澤慶紀、中川秀己:日小皮会誌 33(3);205-211, 2014
2) 日本乾癬学会光線療法ガイドライン作成委員会:乾癬の光線療法ガイドライン, 日皮会誌. 126(7);1239-1262, 2016
監修?東京慈恵会医科大学皮膚科学講座 梅澤 慶紀 先生