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どのような治療方法があるの?

生物学的製剤(注射または点滴)

[監修] 東京慈恵会医科大学 名誉教授 中川 秀己 先生

塗り薬や飲み薬など、これまでの治療で十分な効果がみられない患者さんには「生物学的製剤」が用いられます。
生物学的製剤は、乾癬の症状が出ている部位に大量に出ている、炎症にかかわるたんぱく質(サイトカイン)の働きをピンポイントで抑えて症状を改善します。他の治療方法に比べて乾癬の皮膚症状に対する効果が高く、加えて関節症状にも効果があります。
生物学的製剤による治療は、日本皮膚科学会が導入治療の実施を認めた病院やクリニックでのみ始めることができます。治療開始前には、生物学的製剤による副作用のリスクが高くないかどうか、患者さんの健康状態などを確認します。場合によっては薬剤の変更や導入中止を判断するなど、事前の副作用対策をしっかり実施した上で、生物学的製剤による治療が開始されます。

生物学的製剤の治療が受けられる病院検索はこちら

日本皮膚科学会ホームページ(外部リンク)に移動します。
生物学的製剤承認施設一覧は以下の手順でご確認ください。
【一般市民の皆様】 ⇒ 【生物学的製剤承認施設一覧 乾癬治療薬情報】

生物学的製剤の作用
~サイトカインの働きを直接抑える!~

生物学的製剤は、乾癬を引き起こすサイトカインを直接抑制するため、高い効果が期待できます。一方で、これらのサイトカインは体を守る免疫の働きも持っているので、生物学的製剤で働きを抑えることにより、風邪などの感染症にかかりやすくなる可能性があります。

生物学的製剤の投与方法

生物学的製剤は注射、もしくは点滴で投与 生物学的製剤は注射、もしくは点滴で投与します。注射や点滴は病院やクリニックで行いますが、注射で投与する生物学的製剤の中には、患者さん自身による注射(自己注射)が認められているものもあります。自己注射をする場合は、医療関係者の指導のもとで、自己注射のやり方を患者さん自身で習得していただく必要があります。また自己注射をする際は主治医に指定された投与間隔や投与量を守って使用する必要があります。自己注射がしやすいように開発されたペンタイプの薬剤もあり、打ちやすいだけではなく注射針が見えないなど工夫されたものもあります。