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どのような治療方法があるの?

内服療法(飲み薬)

[監修] 東京慈恵会医科大学 名誉教授 中川 秀己 先生

乾癬の治療に用いられる飲み薬は、ビタミンA誘導体、免疫抑制薬、PDE4阻害薬、チロシンキナーゼ2阻害薬、抗リウマチ薬、ヤヌスキナーゼ阻害薬の6種類が保険適用となっています。

ビタミンA誘導体

皮膚の細胞が過剰に作られることを抑えます。
主な副作用に口唇炎(唇やその周りがカサカサになって荒れる)、手のひら・足の裏の落屑(らくせつ:フケ状の皮膚のはがれ)があります。精子を作る機能や胎児に影響を与える恐れがあるため、薬剤を飲んでいる間だけでなく、中止後も男性は6ヵ月、女性は2年の避妊が必要です。

免疫抑制薬

乾癬で過剰に働いている免疫反応を抑えます。主な副作用として血圧が上がったり、腎機能に影響を与えたりすることがあり、定期的な血圧測定や血液検査が必要です。

PDE4阻害薬

免疫に関わる細胞に存在する酵素の働きを抑え、過剰に発現している炎症をおこす物質を抑える働きがあります。主な副作用として吐き気、下痢などが起こることがあります。

チロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬

乾癬の病態に関わる物質(サイトカイン)の働きを抑えて炎症を鎮めます。副作用に感染症などがあります。また、過去に結核にかかったことのある人、あるいは現在結核が疑われる人は注意が必要です。

抗リウマチ薬

葉酸の働きを抑え炎症症状を鎮めます。主な副作用に消化管障害や肝障害があり、定期的な血液検査が必要です。間質性肺炎という肺の炎症がおきる可能性もありますので、普段と違う息苦しさがあれば医師に伝えてください。また、奇形や流産のおそれがあるため、薬剤を飲んでいる間だけでなく、中止後も女性は少なくとも1月経周期、男性は少なくとも3ヵ月間は避妊が必要です。

ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬

関節症性乾癬の病態に関わる物質(サイトカイン)の働きを抑え、関節の炎症を鎮めます。副作用として感染症などがあります。比較的頻度の高いものとして帯状疱疹が報告されています。ピリピリ・チクチク・ズキズキを伴う皮膚の症状が現れたらできるだけ早く受診してください。また、過去に結核にかかったことのある人、あるいは現在結核が疑われる人は注意が必要です。