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どのような治療方法があるの?

外用療法(塗り薬)

[監修] 東京慈恵会医科大学 名誉教授 中川 秀己 先生

皮膚に現れた乾癬の症状に対する治療の基本は、外用療法(塗り薬)です。塗り薬は皮膚に現れた症状には効果がありますが、関節症状に対しては効果がありませんので、関節などに痛みがある場合は症状を主治医に伝えておくことが大切です。
乾癬の塗り薬は、主にステロイド外用薬とビタミンD3外用薬の2つが用いられ、単独もしくは組み合わせて使われます。最近、ステロイドとビタミンD3の2つの成分を配合して、1つになった塗り薬も使われています。

外用療法の治療効果を引き出すためには、主治医の指示に従って、きちんと根気強く塗り続けることが大切です。

ステロイド外用薬
~炎症を抑える!~

乾癬により、活発になった白血球の活動や血管の拡張を抑えることで皮膚の炎症を抑制する薬剤です。効果の強さによって5つのランクに分けられ、症状に応じて使い分けます。特に紅斑の改善に効果的です。効果は比較的早く現れますが、長期に漫然と使用することで皮膚が薄く弱くなる(皮膚萎縮)、毛細血管が拡張するなどの副作用を生じる場合もあります。

ビタミンD3外用薬
〜皮膚の細胞が過剰に作られることを抑える!〜

皮膚の細胞が過剰に作られることを抑え、正常な皮膚に導くのがビタミンD3の作用といわれています。特にフケのように剥がれ落ちる鱗屑や、皮膚の盛り上がり(浸潤・肥厚)の改善に効果的です。ステロイド外用薬に比べ、ゆっくりと効果が現れる薬剤ですが、一度症状が良くなれば、その状態を長期間保つことができるといわれています。

ビタミンD3外用薬はステロイド外用薬のような副作用は出ませんが、塗った部位に刺激感などを生じることがあります。また、一度に決められた量より多く塗るなどの誤った使い方によって、のどの渇き、脱力感、食欲不振などの全身性の副作用が起こることがあります。

ステロイドとビタミンD3の配合外用薬
~炎症と皮膚の細胞が過剰に作られることを抑える!~

ステロイドとビタミンD3の2つの成分を配合しています。1日1回塗ることで、ステロイド外用薬やビタミンD3外用薬を単独で使うより高い効果が認められます。また、副作用については、ステロイドがビタミンD3による刺激感を、ビタミンD3がステロイドによる皮膚萎縮を、お互いに抑えあう可能性が報告されており、2つの成分を同時に使うメリットとして考えられています1)。しかし、一度に決められた量より多く塗るなどの誤った使い方によって、のどの渇き、脱力感、食欲不振などの全身性の副作用が起こることがあります。

外用療法の実際

外用療法では、症状や効果をみながら配合外用薬を使用したり、ステロイド外用薬やビタミンD3外用薬を単独、あるいは組み合わせて使用したりします。
治療の一例として、症状を速やかに抑えるために初めに即効性のある配合外用薬を使用し、症状が改善してきたら徐々にステロイド外用薬の量を減らす目的で、配合外用薬の使用を休日のみとし、最終的にビタミンD3外用薬単独に切り替えてより安全に、かつ良い皮膚の状態を保つ方法があります。

塗り薬を用いた治療の一例

塗り薬には軟膏、クリーム、ローション、シャンプー様外用液剤などの種類があり、使用する部位に適した剤形を選ぶことができます。
塗り薬の使い方とコツもチェックしてください!

  • 1)Segaert S et al.:J Drugs Dermatol 12(8);e129-137, 2013