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痔の患者さんに効く、
ポジティブトーク集


若年層の痔の患者さん
- 痔の治療中であるが、慢性的な下痢や便秘もあり、ストレスによる過敏性腸症候群なども疑われる。
- 仕事はデスクワーク中心で、運動不足気味。食生活も乱れがち。
この患者さん、元気がないなぁ。
もしかして薬があまり効いていないのかなぁ・・・。
下痢や便秘がなかなか治らないから相談してみようかな・・・。
-
前回と同じお薬ですね。
どうですか、調子は良くなりましたか? -
お薬はきちんと飲んでいるんですが、実は下痢や便秘がなかなか治らないんです・・・。
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それはおつらいですね。お薬以外でも改善する方法がありますよ。
このような場合は、以下の点について
アドバイスをしてみましょう。
下痢への対処
腸内環境の改善
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普段、運動はされていますか?
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していません。
仕事もデスクワーク中心なのでほとんど動きません。 -
最近のコロナ禍による在宅ワークなどで長時間座った姿勢のままだと、お尻に負荷が掛かって症状の悪化につながりますよ。
デスクワーク中も、1時間に1回は立ち上がって、周囲を歩いたり、ストレッチしたりしてください。腹筋運動も効果的ですよ。 -
はい、分かりました。
長時間の座りっぱなしは、やっぱり良くないんですね。
あと、下痢気味なのが気になるのですが・・・。 -
下痢も、痔の発症や悪化につながると言われています。
主に暴飲暴食やストレスが下痢の原因です。食べ過ぎ、飲み過ぎ、冷たい飲み物や辛い食べ物の摂りすぎにも注意しましょう。
適度に運動をしたり、充分な睡眠をとったりすることでストレスを緩和することも大切です。 -
分かりました。
下痢で症状が悪化しないように、食生活や日常生活を見直してみます。
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食事の時間が不規則だったり、栄養バランスが偏った食事が多くなっていたりしていませんか?
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仕事が忙しくて時間は不規則になりがちです。インスタント食品で済ませることも多いですね。
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そうなんですね。まず、1日3食を規則正しく食べることが大切です。
また、ごぼうやかぼちゃなど、⾷物繊維が多く含まれる野菜をとるように⼼がけてください。 -
なるほど。でも野菜は苦手なんです・・・。
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牛乳やヨーグルト、乳酸菌飲料など腸内環境を整える働きがある食べ物や飲み物を積極的にとることも便秘解消に効果的ですよ。
ワンポイント・アドバイス
痔核のリスク因子としては、
- 排便時の怒責(いきみ)や長時間の排便などの排便習慣
- 重い物を扱う職業や長時間の座位などの生活習慣
が挙げられます1)。
近年のコロナ禍に伴う在宅ワークの普及によって、長時間デスクワークをする方が増えており、痔の発症要因にもなっていると考えられるため、適切な指導が求められます。
また、裂肛や痔瘻は比較的若年層に好発し、便秘だけでなく、頻回の下痢による物理的・化学的刺激で裂肛を形成することもあるとされています2)。特に、痔瘻は下痢や肛門の炎症が要因となることが多いとされています。生活習慣としては食生活の乱れや、睡眠不足のほか極度の疲労などのストレスからくる免疫機能低下から下痢を併発し、肛門小窩の感染によって生じるものと考えられています2)。
下痢への対処と指導
規則正しい食生活、特に朝ご飯をしっかり食べて胃結腸反射を促進させるなどの指導をします。また、暴飲暴食を避け、アルコールの摂取などを控えるように指導します。
慢性的な下痢を訴える患者さんは、ストレスに起因する過敏性腸症候群の可能性も考慮されるため、医師の診療を勧めると同時に、長時間の同じ姿勢を避けて適度に運動すること、充分な睡眠をとることなどを追加で指導することも検討してください。
食生活・排便障害・妊娠・出産・睡眠・酒・たばこ・生活環境などにより排便異常が生じ、便が太く、強度の怒責(いきみ)に肛門管が過度に伸展し、物理的侵襲を受けた場合、肛門上皮に亀裂を生じ裂肛を発症することがあります1)。
特に若い女性の場合、機能性便秘となることが多く、ダイエットや朝の欠食からくる胃・大腸反射の欠如による慢性便秘への悪循環が生じることが多いとされています1) 。
また、ベジタリアンより非ベジタリアンの方が痔核になりやすいという報告もあり2)、食物繊維および腸内環境を整える食物の摂取などの適切な指導が重要です。
腸内環境の改善による便秘の解消
- 牛乳やヨーグルトに含まれる乳糖(ラクトース)は、腸内の浸透圧を高め、平衡化するために周囲から水分を取り込むので、腸内の内容物を軟らかくする働きもあり、スムーズな排便を促進します。
- 乳糖は、腸内細菌(乳酸菌など)の働きによって乳酸や酢酸に変換されると腸のぜん動運動を高めて便秘を防ぎ、便を柔らかくする働きがあります。


- 山名 哲郎 他, 外科77(6), 621-625, 2015
- 梅枝 覚 他, 成人病と生活習慣病 46(12), 1481-1487, 2016
- 梅枝 覚 他, 成人病と生活習慣病 46(12), 1481-1487, 2016
- Prasad GC, et al. Am J Proctol. 27(3), 33-41, 1976
この患者さんの別のトーク例
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