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痔の患者さんに効く、
ポジティブトーク集


ご高齢の痔の患者さん
- 痔の治療を受けているが、最近便通が悪くなっていることで悩んでいる。
痔の患者さんだけど、元気がないなぁ。
ご高齢だから他に具合が悪いところでもあるのかなぁ・・・。
最近、便秘気味なんだが、どうしたらよいのか分からんなぁ。
-
お薬は指示通りきちんと使えていますか?
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あぁ、ちゃんと使えてるよ。
自分で注入するのは、ちょっと難しいけどね。 -
他に何か困っていることはありませんか?
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実は最近、トイレで便がすんなりと出ないことが多いんだが、どうしたらいいかな?
このような場合は、以下の点について
アドバイスをしてみましょう。
適度な運動
排便時の姿勢と習慣
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出ない時は無理に出そうとしないでください。
無理に出そうとすると、肛門周辺に負担がかかり、お尻の症状が悪化することがあります。
ちなみに普段、運動はされていますか? -
いや~、運動といえるものは特にやってないねぇ。
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それでしたら、家の中でも構いませんので、歩いたりして体を動かすようにしてください。
適度に運動することは、便秘の解消に効果的です。 -
そうかい。じゃあ、今日からボチボチやってみるよ。
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トイレでは前傾姿勢をとるようにしてみてください。
そうすると排便しやすくなりますよ。 -
へぇ~、そうなんだ。早速、試してみるよ。
-
また、ご高齢になると便意を感じにくくなることもあります。
トイレにかける時間は重要で、できるだけ短時間で済ますことを心掛けてください。
朝にトイレに行くことを習慣にしていただくことも重要です。そのためにも、朝食をとるようにしてください。
ワンポイント・アドバイス
高齢者80名(平均年齢70.9歳)を対象に排便障害について検討した研究では、脳卒中や脊髄疾患から下肢運動障害を有する症例では83.3%に排便障害を認めたという報告1)もあり、運動機能が低下した高齢者では排便障害を有する比率が高いことが示唆されています。
排便障害は、高齢者の痔の主な要因の一つですので、運動機能の維持を目指した指導も重要と考えられます。
ご高齢の方の運動不足に対する指導
- 高齢になると腹筋の筋力が衰えるため、便秘になりやすい傾向があります。
- ご高齢の方の屋外での運動(ウォーキングなど)は、居住環境(雪が多い地域など)によっては危険を伴うことがあるため、そのような場合は室内での運動を考慮してください。
高齢者の体質的な要因として、加齢からくる腹圧の低下、排便反射の減弱、自律神経系の機能低下、腸管運動の低下、腸管免疫の低下、腸内細菌叢の変化などの影響が痔の発症・悪化の原因となっています1)。
また、排便習慣として、排便回数の減少や便秘症状を伴っている人、排便時に怒責する人、トイレに長時間座っている人に痔が多いことが報告されており、便秘が痔核発症のリスクになることが示唆されています2)。
高齢者の排便姿勢や排便習慣の指導
- 便が出ないと心配になっていきむ方がいますが、肛門周辺に負荷が掛かるため、痔が悪化することがあります。
- 便秘で重要な生活指導は、トイレに行くことと、排便時には前傾姿勢をとることです。適切な前傾姿勢とは、「考える人」のポーズです。
高齢者では直腸知覚の鈍麻があり、直腸に糞便が充填されても便意を感じにくいことがあるため、朝食後などにトイレに定期的に行くことを指導することが重要です。 - 高齢者でも1日1.5L以上の水分摂取が推奨されます3)が、水分摂取量が低下していることが多くみられます。その理由として、心不全などで水分がとれない場合もあり、実際は十分な水分摂取は困難であることが多いです。また、食事量の低下は糞便量の減少につながり便秘を誘発しますが、これも改善は困難であることが多いです。


- 萱場 広之 他, 秋田県医師会雑誌 46(2), 134-139, 1995
- 梅枝 覚 他, 成人病と生活習慣病 46(12), 1481-1487, 2016
- 山名 哲郎 他, 外科77(6), 621-625, 2015
- Jequier E, et al. Eur J Clin Nutr. 64(2), 115-123, 2010
この患者さんの別のトーク例
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