痔 ポステリザン-LIFE

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Ⅲ. 日常診療における痔の患者さんの見つけ方

「I.痔の診療におけるかかりつけ医の役割」において、痔の患者さん(あるいはおしりに違和感のある患者さん)は「恥ずかしさ」や「不安」から診療に積極的ではなく、また症状が軽い場合は放置して、病院を受診しないケースが多いことを紹介しました。このように、日常診療において、患者さんがかかりつけ医の先生に受診するも、痔に関する能動的な相談をすることが少ないため、痔の患者さんを見つけることが難しいのではないかと考えられます。そこで、痔の発生頻度が高いといわれる妊産婦さん1)-4)を含め、潜在的な痔の患者さんを見つけ出すために、患者さん自身がかかりつけ医に相談する気持ちになるような資材(ポスター)をご紹介します。

  • 痔疾患(一般)向け
    ポスター

    痔疾患(一般)向けポスター

  • 妊産婦向けの
    ポスター

1. 医師から患者さんに伝えたいメッセージ

患者さんの病状を最もよく理解されているかかりつけ医の先生が、おしりの悩みに対して常にオープンであることを患者さんに示すことは、患者さんの不安を取り除き、安心させ、先生に相談しやすくなると考えられます。
大腸肛門病センター高野病院副院長高野正太先生をモデルにした「聖ヒポクラテス大学医学部附属病院大腸肛門科 弥勒院涼太(みろくいんりょうた)先生」というキャラクターが、患者さんへ語りかけるポスターをご紹介します。

ポスター

  • 院内(待合室、患者さんが一人になるトイレ等)に掲出いただけるポスターをご用意しました。
    ダウンロードのうえ、プリントアウトいただきご活用ください。

  • ダウンロード
ホワイトプレイヤー

ホワイトプレイヤーとは:

医療用医薬品を主とするヘルスケア製品専門のコミュニケーションエージェンシーである(株)ファーマインターナショナルが女性患者をメインターゲットに、独自に開発した“イケメン医師キャラクター”がホワイトプレイヤーです。ホワイトプレイヤーにはそれぞれその領域の専門医が医療監修についていて専門知識をわかりやすく解説する漫画を配信中。特に看護師さんに評価を得ています。

キャラクター紹介

弥勒院 涼太

弥勒院 涼太先生のプロフィール:

  • 【総括】

    病院でもっとも多くの手術をこなす売れっ子外科医。
    冗談といたずらが大好きな病院の潤滑油。成熟した女性がタイプで、若い女性患者には若干冷たい。大腸肛門科医局において手術のスケジュールを組んでいる先輩ドクターにハードスケジュールを押し付けられているが、弥勒院本人は手術が好きなためなんの不満もない。

  • 【職歴】

    修行のため、父親の反対を押し切って聖ポク大腸肛門科医局に入局。いずれは実家をつぐ予定。

  • 【専門領域】

    大腸がん、痔、便秘。手術ならなんでもやるというスタンス。

監修医である
高野正太先生へのインタビュー

高野正太先生へのインタビュー:

ホワイトプレイヤーの公式サイトから一部抜粋して掲載

  • 「ホワイトプレイヤー」プロジェクトについて

    以前から肛門科の漫画を作れたらいいなと考えていたので、やってみたいと即諾しました。僕は今でもときどき漫画を読みますし、手塚治虫の『ブラックジャック』に憧れたことが医師になった理由の一つなんです。肛門科を漫画にするならコメディータッチの表現が合うかな、なんて具体的なイメージも持っていました。ご想像がつくと思いますが、肛門科はおもしろいエピソードの宝庫なので。
    プロジェクトの制作スタッフさんたちは「キャラクターを通じて診療の様子を紹介することで肛門科受診のハードルを下げ、もっと女性を健康に......」などと言っていますが、僕にはそんな大義名分は必要ありません(笑)。
    この領域の医師としておもしろいと思ってきたことを、みなさんにも笑って楽しんでほしい、それだけです。

  • 大腸肛門科医から大人の女性に啓発したい疾患

    とくに妊娠を考えている女性には、計画的に痔の治療を行っておくことをおすすめします。痔は妊娠中に悪くなり、出産時にも悪化します。妊娠中は飲めない薬も多く、出産後は育児に手がかかって治療の時間をとるのが難しくなります。最後にやっぱり便秘ですね。便秘くらいで病院に行くなんてと思っておられる方もいますが、ほかの重大な疾患がないかどうか確かめたり、自己流ではなく症状に合った改善方法を知ることは大切です。

高野 正太 先生

高野 正太 先生

2. 痔になりやすい妊産婦さんの実情に寄り添うメッセージ

実際に痔で悩んだ経験があり、かつ現在も積極的に痔の患者さんと交流されている漫画家さんが、特に痔の発生頻度が高いといわれる妊産婦さん1)-4)に向けて制作されたポスターを紹介します。本ポスターには、妊産婦さんが日常生活でおしりの異常(痛みや出血)に直面した時、『妊婦にはよくあること』だから、あるいは『母になる使命感』から我慢して、受診をためらう患者さんの背中を押すメッセージが込められています。

ポスター

作者のプロフィール:ヴェルヘルムⅢ世

30代女性。痔という病の辛さを共有したいと思い立ち、2018年3月にInstagramをスタート。
痔のマイナスイメージを払拭するため“痔”を“Di(ディーアイ)”という呼称にした「Diの悲劇」というタイトルの闘病マンガを投稿し続けたところ、徐々に「いいね」が増加。わずか半年後には3000を超える「いいね」が付くほど、多くの痔の患者さんたちからの共感を得た。2020年には初の著書『私のお尻のメッセー痔』(ぴあ刊)を上梓。2021年8月現在ではフォロワーが1.3万人を超える。

  • 高野正博,日本大腸肛門病会誌 43:1077-1082, 1990
  • 菊地恵理子,他 診断と治療 105:1253-1258,2017
  • 名草みどり,他 第46回 日本看護学会論文集 精神看護 295-297,2016
  • 市川美幸 第41回 母性看護 18-21 ,2010

作者へのインタビュー

  • 痔の漫画を描こうと思ったきっかけは?

    そうですね。。今走馬灯のように、記憶がフラッシュバックしましたが。。
    10年ほど前に外痔核という、痛みの強い痔になりました。少し寝たら治るものだと思ってましたが、どんどん痛くなって病院へ行きました。そこから過ごした2週間が本当に辛くて。。あまりのお尻の痛みに自然と短歌を詠んだんです。ほんとに自然に。本能で痛みを回避しようとしたんだと思います。こんなに苦しんだんだからせめて誰かに笑ってほしいと思いました。その頃、たまたま友人が漫画雑誌を作っていてそこに描いたのが最初のきっかけでした。

  • 情報発信はどんな方法でされているのですか?

    主にInstagramで漫画を描いてます。是非のぞいてみてください!

    書籍も発売してます!

  • ポスター制作のオファーを受けた時の率直な気持ちは?

    とても嬉しかったです。つ、、ついに依頼が。。と思いました!

  • 痔の治療に悩むフォロワーは多いのでしょうか?

    多いと感じます。相談や質問をよくもらいますが、何かしらお尻に悩みを抱えていてこれは痔なのか?病院へ行ったほうがいいのか?とか病院へ行く勇気がでない。。というのが一番多いと思います。妊娠、出産で痔に苦しむママさん達からもメッセージをよくいただきます。

  • Instagramや書籍や投稿の中で提唱されています痔が市民権を得るために、というお考えについて教えてください

    私は痔で仕事を二つ辞めました。。痔の調子が悪くてお休みさせてください!が許されるのは手術でない限り上司が笑ってくれるのは二日がリミットでしょう。。私は一ヶ月半休みましたから・・手術じゃないのに・・かなり痛みが続いたと思うのですが(ちょっと特別なパターンです)その時思いました。『痔がどれだけ辛いかみんな知らないでしょう。。詠んだことない短歌が降りてくるくらいの痛みを。。』痔にもいろんなレベルがあって痛みも感じ方も人それぞれだと知りました。あなたが痔という病を経験したことがなくても、もし部下が痔で仕事を休みたいといったら優しく遠くから見守っていただきたいです。パートナーが痔で苦しんでいる時も笑ったりせず寄り添ってほしいですね。特にママさんの痔にはパートナーの方は察していただきたい!

  • 今後の野望は?

    Instagramを始めてみなさんと痔の悩みを共有できるようになって本当にたくさんの方が痔に悩んでいるのだと知りました。私もですが、他の方の体験談を聞いてこんなふうに悩むのは私だけじゃないんだとわかって心が軽くなったんです。これからも痔のことを色んな角度からリサーチして発信していきたいです!

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