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基礎からわかる外用剤

生物学的同等性試験について

生物学的同等性試験には、皮膚薬物動態学的試験、薬理学的試験、残存量試験、薬物動態学的試験、臨床試験、in vitro 効力試験、動物試験の7つが示されています。

生物学的同等性の評価は、薬物および製剤の特性にあわせて、科学的妥当性が担保できる方法を選択して実施します。例えば、角質層(角層)内または角質層より深部で薬理作用を発揮する製剤の場合は基本的に皮膚薬物動態学的試験を実施し、それに代わる試験として薬理学的試験、残存量試験、薬物動態学的試験を実施します。

1. 皮膚薬物動態学的試験

角質層内に存在する薬物量から、生物学的同等性を評価する試験であり、アメリカ食品医薬品局(FDA)が『皮膚薬物動態学的試験の結論と臨床試験の結論が一致している』と、その有用性を認めた試験です。基剤によって吸収性が異なると想定される場合でも、主薬の皮膚へのバイオアベイラビリティを客観的に正確に評価することができます。

*:未変化体または活性代謝物が作用部位に到達する速度と量(ガイドラインにおける用語の意味)

2. 薬理学的試験

外用剤を適用することにより生じる薬理学的反応を測定して、生物学的同等性を評価する試験です。

コルチコステロイドの場合は、血管収縮作用による皮膚の蒼白化反応の強度を指標にして生物学的同等性を評価できます。ただし、作用の弱いコルチコステロイドでは蒼白化反応が弱く、指標にできないことがあります。
蒼白化反応の測定方法には、周辺部分の色との差を熟練した測定者が4~5段階にスコア化して、蒼白化の程度を判定する視覚的方法と、クロマメーターという機器によって蒼白化の程度を色調変化で判定する方法があります。

*:ステロイドには血管を収縮させる作用があり、この作用により皮膚が蒼白化する反応が生じる

3. 残存量試験

皮膚に適用した後の製剤中に残存する薬物量から、皮膚に分配した薬物量を推定する試験です。しかし、皮膚へ分配する薬物量は一般的にわずかであり、皮膚に残存する大量の薬物量から分配量を推定し、製剤間の差を正確に評価することが難しい場合もあります。特に、極端に経皮吸収性の低い薬物などではこの試験は適していません。

4. 薬物動態学的試験

製剤を適用した後の薬物の血中濃度とAUCを測定し、薬物動態パラメータから生物学的同等性を評価する試験です。しかし、血中への薬物移行量が少ない場合には、血中濃度を正確に評価することが難しい場合もあります。残存量試験と同じく、極端に経皮吸収性の低い薬物などにはこの試験は適していません。

5. 臨床試験

臨床効果を指標として生物学的同等性を評価する試験です。薬物に応じて治療効果に関連する適切な評価項目を選択し、統計学的に同等性を評価し得る被験者数で試験を行う必要があります。すなわち、試験結果のバラつきが小さければ少ない例数で、バラつきが大きければ多くの例数が必要となります。

6. In vitro 効力試験

In vitro における効力を指標として生物学的同等性を評価する試験です。止血剤、殺菌・消毒剤、創傷治癒促進剤など、薬物の作用部位が皮膚表面にあり、薬効を発揮するために薬物が角質層を透過する必要がない場合に実施します。

7. 動物試験

製剤を適用することにより動物の皮膚表面に生じる薬理学的反応を指標として、生物学的同等性を評価する試験です。In vitro 効力試験と同じく、止血剤、殺菌・消毒剤、創傷治癒促進剤など、薬物が角質層を透過する必要がない場合に実施します。

以上、7つの試験の中でも皮膚薬物動態学的試験は、生物学的同等性を評価するための基本的な試験と位置づけられています。この試験の詳細について次項で紹介します。

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