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基礎からわかる外用剤

主薬の経皮吸収性に対する基剤や剤形の影響

主薬の経皮吸収性に対する剤形の影響

表3に示した剤形のうち、油脂性軟膏剤や水溶性軟膏剤などのように基剤が単相の剤形(油性成分または水性成分のみ)では基剤中に主薬は均一に分散していますが、クリーム剤や乳剤性ローション剤などのように基剤が二相の剤形(油性成分および水性成分を含む)では、厳密には基剤中に主薬は均一に分散していません(図6)。

 

例えば、主薬が水溶性薬物である水中油型の外用剤(水相中に油滴が分散,図6の①)では、滴には主薬はほとんど存在せず滴の周り(外相)に存在し、油中水型の外用剤(油相中に水滴が分散,図6の②)ではその逆となります。

図6.基剤が二相の場合の薬物の分布
図6.基剤が二相の場合の薬物の分布

基剤が二相の場合には基剤に主薬が均一に分散していないため、前述した4つの因子の他に「滴からの分配」も主薬の経皮吸収性に影響を与える重要な因子となり、さらに複雑化します。特に油中水型の水溶性薬物(図6の②)や水中油型の脂溶性薬物(図6の④)では、大部分の主薬が滴内に存在しており、直接皮膚には接していないため、主薬が角質層へ分配するためには滴から外相に分配する必要があります。そのため、このような剤形では「滴からの分配」の影響が大きくなります。

このように、外用剤における主薬の経皮吸収性には基剤だけではなく、剤形の違いも影響します。外用剤は、温度や湿度などの外部環境の急激な変化や、他の外用剤と混合することなどにより、滴の大きさが変化したり、滴が壊れてしまい、主薬の経皮吸収性が変化するおそれがあります。ブリーディング(油の滲み)や水分と油分の分離などがそのサインです。このような状態が生じた場合は、ご注意下さい。

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