気づいてあげたい!
子供からのSOS
ニキビへの悩みや心配ごとに関するアンケート調査※1によると、子ども(中学生~高校生)と保護者の間では、大きな認識のズレがあることが分かりました。
たとえば、子どもは、ニキビがあることを「恥ずかしい(37.8%)」と受け止め、「自分に自信が持てない(35.2%)」「気持ちが落ち込み、イライラする(21.1%)」と感じることがあるようです。一方、保護者は「特に心配していることはない(54.2%)」との回答が最も多く、ニキビを深刻に捉えていないことがわかります。
一人で悩む子どもたちは、ネットの誤った情報を鵜呑みにして、間違ったケアをしているかもしれません。ニキビの悩みは、なかなか言い出しにくいもの。子どもからの小さなSOSに気を配り、保護者から手をさしのべてあげましょう。
『子どもと母親のニキビに対する
アンケート調査』※1

- ※1 子どもと母親のニキビに対するアンケート調査(2011)対象者:子ども(中学生~高校生)930名、母親1000名 方法:インターネット調査
ニキビは13歳頃からでき始め、
その後も続く慢性の病気

26,648名の一般生活を対象としたニキビに関する疫学調査(2020年)を元に作成 / イメージ図
ニキビは13歳頃からでき始め、高校生にかけて悪化のピークを迎えます。しかも、10代のうちにニキビ痕(あと)ができることもしばしば。ニキビ痕ができると病院での治療でも治すことが難しくなります。
ニキビは、できはじめが治療のチャンス。悪化のピークを迎える前に皮膚科を受診し、正しい治療を始め、少なくとも悪化しやすい思春期の間は治療を続けることが、ニキビ痕ができないための近道です。正しい治療を続けるためにも、お子さんの治療をサポートしてあげましょう。
思春期のニキビの原因と種類
思春期のニキビの原因は、性ホルモン分泌の活性化による「皮脂分泌の増加」「毛穴のつまり」「アクネ菌の増殖による炎症」が関係しています。 “ニキビ”と一口に言っても、進行具合によって様々な種類があり、それらが混在していることが一般的。また、思春期のニキビはおでこ・鼻などのTゾーンや頬(ほお)にできやすいのが特徴です。

ニキビは毛穴がつまった状態であるコメドから始まります。
コメドでは炎症は起きていませんが、さわるとザラザラしています。
ニキビ痕にしないためには、赤ニキビになる前のコメドから治療することが大切です。
知っていますか?
最近のニキビ治療
日本でのニキビ治療はかつて、炎症を抑える目的で抗菌薬中心の治療が行われていました。抗菌薬はアクネ菌の増殖は抑えるものの、毛穴のつまり(コメド)には効きません。赤ニキビが治っても、コメドは残るので再発しやすいことが問題でした。
しかし、ニキビ治療は近年、大きく進歩しています。現在では、毛穴のつまりを改善する薬(コメド治療薬)が登場し、早い段階かつ根本から治せるようになりました。
コメドの治療を続けることで、赤ニキビの再発を防ぎ、滑らかできれいなお肌を維持できる時代になっているのです。
皮膚科でのニキビ治療
皮膚科でのニキビ治療は、主に保険が適用される塗り薬で行います。人それぞれの症状に合わせたお薬が処方されます。
ニキビの主な治療方法
塗り薬について
皮膚科の塗り薬はコメド治療薬と抗菌薬の2種類あります。それぞれに適切な塗り方や使用期間があり、塗り薬を正しく使って治療することが大切です。
コメド治療薬
ピーリング作用などで、毛穴のつまりを改善します。毛穴のつまりをとりながら、アクネ菌などを殺菌する薬もあります。今あるニキビを改善し、続けることでニキビの再発を防ぎます。

抗菌薬
ニキビの炎症を引き起こす原因となるアクネ菌などの増殖を抑えます。今ある赤ニキビや?黄ニキビを改善します。

ニキビ治療にかかる費用
保険が適用されるニキビ治療を受けた場合、初診料や再診料、薬代などがすべて3割負担※2になります。 このため、一回の受診にかかる治療費としては、1,000円~3,000円 程度におさまることがほとんどです。保険診療を行っている皮膚科では、基本的には保険が適用される塗り薬による治療が行われます。
※2 3割は、健康保険等における義務教育就学後から70歳未満を対象として、医療給付が適用された場合の自己負担割合です。自治体によっては医療費の一部が助成されることもあります。詳しくはお住いの自治体にお問い合わせください。
ニキビの治り方
皮膚科を受診したら、「1週間以内で治る」と誤解していませんか?皮膚科では、赤ニキビが治ったあともコメドを治療し、ニキビができにくい肌をめざします。ニキビができにくい肌になるには、長期的な通院が必要となることも。まずは3ヵ月を目安に通院を続け、きれいな肌をめざしましょう。

※治療経過には個人差があります。