膿がたまったニキビは、ニキビが悪化した証拠。
セルフケアはNGですぞ!
膿がたまったニキビ、どうなるの?
ニキビができると、頻繁に鏡でチェックしたくなるものです。あまり目立たない小さなニキビならそれほど気にならないかもしれませんが、赤みが増し、膿がパンパンにたまった状態になると「この後どうなるの?」と心配になりますよね。
そもそも、膿がたまっているニキビはどういう状態なのでしょうか。
ニキビで膿がたまる理由
まず、ニキビは毛穴がつまった状態である「コメド」から始まります。コメドの段階では炎症は起きていませんが、さわるとザラザラしています。
コメドの内部は皮脂がつまっているので、皮脂が大好物なアクネ菌が増殖しやすい状態です。アクネ菌が増殖すると、炎症を引き起こして「赤ニキビ」となります。
この段階で食い止められれば良いのですが、炎症がさらに悪化すると、アクネ菌とそれを減らすために集まった白血球やその残骸が膿となってパンパンにたまった「黄ニキビ」になってしまうのです。
黄ニキビの内側では、アクネ菌が作り出すリパーゼという酵素が毛包(もうほう)の壁を壊し、炎症を起こす物質が毛包の外へ出て周りの組織に広がってしまうこともあります。
周りの組織を破壊するほど重症化すると、デコボコとしたニキビ痕(あと)ができてしまうおそれがあります。
皮膚科でのニキビ治療
ニキビができてしまったら悪化したりニキビ痕になる前に治療したいですね。
では皮膚科でできるニキビの治療法はどのようなものがあるのでしょうか。
現在、保険が適応されるニキビの治療薬には、「炎症が起きていないニキビ」と「炎症が起きてしまったニキビ」、それぞれの段階に応じたものがあります1)。「炎症が起きていないニキビ」に対しては、ニキビの原因となる毛穴のつまりをとりのぞく塗り薬が中心となります。
そして、「炎症が起きてしまったニキビ」に対しては、それらの薬に加えて抗菌薬(塗り薬・飲み薬)などを用いて治療します。
皮膚科でのニキビ治療には、他にも漢方や保険適応外の治療法もあります。
ニキビ治療と一口に言っても、いろいろな薬や方法があります。
皮膚科では、「赤ニキビ」や「黄ニキビ」はもちろん、炎症が起こっていない「コメド」の段階から治療が可能です。また、くり返しニキビができる場合は「コメド」から治療することでニキビができにくい肌を目指すことができます。皮膚科を受診して、自分に合ったニキビ治療を受けましょう。
1)尋常性痤瘡ガイドライン.日皮会誌 2017;127(6):1261-1302
膿がたまったニキビは、ニキビが悪化した証拠。
皮膚科医に相談ですぞ!