今更聞けないニキビの悩みに皮膚科医が答えます。

ニキビを治したい 教えてアキ先生!

ただでさえゆううつなニキビ、跡(痕)が残るとショックですよね。
ニキビはきれいに治したいものです。
今回は皮膚科医のアキ先生にニキビ跡(痕)について質問してみました。

今回のお悩み

ニキビ跡(痕:あと)の種類と対処方法は?

ニキビ跡(痕)は悩んでいる人が多い!

最近、毛穴と思っていたところがニキビ跡(痕)になっている感じがして、心配です…。

ニキビ跡(痕)、心配ですよね。患者さんも最初は赤みなどの炎症を気にしますが、だんだんニキビ跡(痕)を気にするようになる人が多いですよ※1。フユミさんがいうように、一見毛穴の開きにみえるものも、診察するとじつは「ミニスカ―」という小さなニキビ跡(痕)の場合がよくあるんですよ。

そうなんですか!それは自分では分からないですね。ニキビ跡(痕)で悩んでいる人、多いんですか。

患者さんの9割がニキビ跡(痕)で悩んでいるという調査結果※2もあるほどです。ニキビ跡は日常生活に影響するとも報告されていますよ。

わかります!鏡を見ると落ち込むし、外出すると視線が気になります。ちゃんとケアをしていないと思われているんじゃないかって…。

いろいろ気になりますよね。

先生、そもそもなぜニキビ跡(痕)はできるんですか?

ニキビのできはじめに、いきなりニキビ跡(痕)ができることはないですよね。まずはなぜニキビ跡(痕)ができるのか、その原因についてみていきましょう。

はい!おねがいします。

※1 谷岡未樹. ざ瘡瘢痕のでき方とその治療. Bella Pelle.2018 ; 3(1) : 28-30.
 
※2 Hayashi N, Miyachi Y and Kawashima M. Prevalence of scars and “mini-scars”, and their impact on quality of life in Japanese patients with acne. The Journal of Dermatology. 2015; 42(7) : 690-696.

ニキビ跡(痕)の種類は?

ニキビ跡(痕)には、いくつか種類があります。大きく分けて「赤み」「色素沈着」「凸凹」の3つ。いずれもニキビの炎症によって引き起こされる症状なんですよ。

ふむふむ。

まず「赤み」ですが、ニキビの炎症が治まり、肌が平らになっても赤みが残るのはよくあることです。たいていは時間とともに消えますが、炎症が強いと赤みが残ることがあります。

なるほど。

次の「色素沈着」は、メラニンという物質が関係しています。炎症が長引くと、肌を守ろうとしてメラニンがつくられ、肌がくすんだり、茶色いシミができるのです。紫外線から肌を守ろうとメラニンがつくられるのと同じようなことですね。

メラニンがシミの原因なんですね。

そうですね。そして「凸凹」は、炎症が肌のところまで及んで組織が破壊され、均一に再生されなくなったり、増殖しすぎた状態です。肌へのダメージが大きく、元に戻りにくいイメージですね。

キレイに治らないのが納得です…。ニキビ跡(痕)ができる原因は、炎症が強かったり、長引くことが関係しているんですね。

ニキビ跡(痕)の対処法は?

では、気になるニキビ跡(痕)への対処法について説明しましょう。

お願いします!

ニキビ跡(痕)は、原因となった炎症が重症かつ長引いているほど対処が難しくなります。
まずは、早めにニキビの治療を行うことが大切です。

そうなんですか。

ニキビ治療の基本は、患者さん一人ひとりの症状にあった適切な治療を行うことです。
ニキビ跡(痕)が気になるときは、フユミさんにあった治療を専門医に教えてもらうと良いでしょう。

治療とは、塗り薬を塗ることですか?

塗り薬が中心ですが、症状によっては飲み薬や漢方薬を選んだり、洗顔方法や食生活などについてアドバイスを受けることもあります。

短期間で消せる方法があったらいいのに…。

レーザーなどの保険外診療で凸凹をめだたなくする方法はありますが、完全に消すことは難しいです。皮膚科医のアドバイスのもと根気よく治療を続ければ、ニキビができにくい肌を目指すこともできますよ。

そうですね!専門の先生に相談しながら治療を続けるのは安心です。

ニキビ跡(痕)の悩みなども含め、ぜひ皮膚科医を受診していろいろ相談して下さいね。

はい、そうします!

アキ先生からの一言

ニキビが治らないときは、早めに皮膚科へ行きましょう。
ニキビは炎症が軽いうちに適切な治療を行わないと、キレイに治らないばかりか、ニキビ跡(痕)が残る可能性もあります。
 
自分に合った正しいニキビの対処法を身につけるためにも早めのニキビ受診を心がけ、アドバイスを受けましょう。
監修:日本専門医機構認定 皮膚科専門医
マルホ株式会社シニアメディカルディレクター
生駒晃彦

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