- 市販薬とは異なる薬の処方
- 皮膚科で処方される塗り薬や飲み薬は、市販薬と異なり、「毛穴のつまりをとる成分」や「アクネ菌を殺菌したり増殖を抑えたりする成分」などが含まれます。毛穴のつまりをとることは、ニキビのもととなる「コメド」の段階で治療することとなり、ニキビができにくい肌をめざすことができます。
おでこニキビは目立ちやすく、悩んでいる方も多いでしょう。
なぜ、おでこニキビが出来やすいのか、原因と対処法について
解説しますですぞ。
目立ちやすいおでこニキビ

特に思春期に悩むことの多いおでこニキビ。ニキビを隠すために前髪をつくったり、周囲から見られているような気がして落ち着かないこともあるのではないでしょうか。気になるおでこニキビの原因と自分でできるケア、ニキビ治療について説明します。
おでこニキビの原因
そもそもニキビは、毛穴に皮脂や角質がたまることが原因となってできるため、皮脂腺の発達した顔、特におでこや鼻周りのTゾーンにできやすいと言われています。皮脂が過剰に分泌されると毛穴に詰まり、ニキビができやすくなります。また、ニキビは髪の毛などが触れる刺激によって悪化することもあります。
おでこニキビはニキビ痕(あと)になりやすい?
気になるおでこニキビ、悪化せずにキレイに治って欲しいものです。しかし、ニキビ痕(あと)がある人に「どの部位にニキビ痕があるか」を質問した調査では、おでこはおよそ3人に1人、34%の人にありました※。
これまでにできたニキビの傷あと(皮膚のえぐれ、デコボコ)が残っている部位を教えてください。
n=1503(複数回答可)
対象:直近1年以内に胸元と背中にニキビがあった15~35歳の男女1,503名
期間:2020年3月27日~4月2日
方法:インターネット調査(株式会社マクロミルケアネット)
おでこにニキビ痕ができるのは辛いものです。でも、おでこニキビは突然、悪化してニキビ痕になるわけではありません。ニキビはそもそも、「コメド」と呼ばれる毛穴のつまりから始まります。コメドは、手で触れるとザラザラした感じがしますが、まだ小さく、あまり目立ちません。
しかし、「小さくて目立たないから」とコメドを放置すると、炎症を起こした「赤ニキビ」、化膿した「黄ニキビ」へと悪化し、適切なケアや治療を行わないとニキビ痕になってしまうことがあります。
また、凸凹としたニキビ痕になってしまうと、元に戻すのは至難のワザ。ニキビ痕にしないためには、症状が軽いうちに早めのニキビケアが大切です。

ニキビの原因と種類を詳しく見る
STEP1 ニキビの原因と種類
おでこニキビのセルフケア
おでこニキビの対策としては、まずは清潔を保つことが大切です。おでこは前髪が触れて刺激となるほか、ヘアスタイリング剤やシャンプー、リンスなどの洗い残しも刺激となりやすい部位です。
洗顔は1日2回を基本に洗顔料を使って丁寧に行います。メイクをしている場合、メイク落としはクレンジングを使ってこすらずやさしく行います。洗顔やクレンジングを行うとき、ニキビをつぶさないように気を付けましょう。
メイク落とし(クレンジング)

口紅やアイメイクなどのポイントメイクは、専用のリムーバーであらかじめ落としておきます。
洗顔
-
洗顔料をしっかり泡立てます。 -
泡でやさしく洗います。肌を強くこすらないようにします。 -
洗顔料が残らないよう、特に髪の生え際などはよく洗い流します。
すっきり汚れを落としたら、肌の状態にあわせて保湿をしましょう。ニキビがあるときは、ノンコメドジェニックテスト済み(ニキビができにくいことを確認済み)の保湿剤や化粧品がおススメです。
肌にいいニキビケアの方法を詳しく知りたいならこちら!
STEP4 皮膚科医監修のニキビケア
おでこニキビができているときは、できるだけ髪の毛先がおでこにかからないような髪型を工夫しましょう。前髪を上げたヘアアレンジをしてみるのもおススメです。髪型を変えることが難しい場合は、家にいるときだけでも、ヘアピンやヘアバンドなどを使って、前髪がおでこにかからないよう上げておくと良いでしょう。
スタイリング剤やヘアスプレーもなるべく直接皮膚につかないようにしましょう。
おでこニキビがつい気になって指でさわったり、つぶしたりしてしまうと、ニキビを悪化させ、治るのに時間がかかってニキビ痕を残す原因となります。洗顔やスキンケアをするとき以外は、ニキビに触れないようにしましょう。
また、特定の食べ物がニキビを悪化または改善させるというような科学的根拠はありません。そのため、ニキビを気にして特定の食べ物を極端に制限するのではなく、全体としてバランスのとれた食事を心がけましょう。ただし、もし特定の食べ物を食べた後に明らかに悪化しているのであれば、避けたほうがよいでしょう。
おでこニキビは、早めに皮膚科へ
セルフケアを行ってもおでこニキビがよくならない場合や、何度もくり返しできる場合は、皮膚科の受診をおすすめします。ニキビはれっきとした皮膚の病気です。ニキビを悪化させず、ニキビ痕を残さないためには、早めに皮膚科で治療しましょう。
「ニキビくらいで受診するのは大げさと思われるかも…」とためらう人もいるかもしれませんが、皮膚科には、多くのニキビ患者さんが受診しています。最初は勇気がいるかもしれませんが、「正しいニキビ治療の入口」ととらえて、ぜひ皮膚科を受診してみて下さい。
- 症状に応じた専門的な治療
- ニキビの原因や症状は人によって違うため、皮膚科では患者さん一人ひとりのニキビの状態にあわせた治療を検討してくれます。ニキビ治療は全員が同じ治療とはならないので、自分にとって最適な治療を見極めてもらうためにも、皮膚科受診は重要です。
- 保険適用での治療
- 保険が適用されるニキビ治療を受けた場合、初診料や再診料、薬代などが全て3割負担※になります。 このため、一回の受診につき1,000円~3,000円 程度に留まることがほとんどです。皮膚科でのニキビ治療というと、ケミカルピーリングやレーザー治療など、全額自己負担の自由診療を思い浮かべるかもしれませんが、保険診療を行っている皮膚科では基本的には保険が適用される治療が行われます。
※3割負担は健康保険等における義務教育就学後から70歳未満の医療給付が適用された場合の負担額です。自治体によっては義務教育就学児医療費の助成等が適用になることもあります。詳しくは医療機関にお問い合わせください。
皮膚科で行うニキビ治療
を詳しく知りたい方へ
STEP3 皮膚科でのニキビ治療
おでこニキビの治療は、継続が肝心!
皮膚科でニキビ治療を受ければ、1週間程度の短期間で治ると思っている人もいるかもしれません。ニキビ患者を対象とした調査では、「皮膚科などでの医療機関では、ニキビが治るまでにどの程度かかると思いますか?」という質問に対し、「1週間」と答えた人が18.7%でした。「2週間」「3週間」「1ヵ月」と答えた人を合わせると67.9%となり、多くの人が1ヵ月程度あればニキビは治ると考えているようです。
皮膚科などの病院では、ニキビ・吹き出物がよくなるまでにどの程度かかると思いますか?
もしくは思いましたか?
n=ニキビ・吹き出物のことで病院を受診経験がある方 1,820回答

- 「ニキビに関する意識と実態47都道府県調査」マルホ株式会社、2018年
- 調査対象: 全国47都道府県のニキビ・吹き出物経験者
- サンプル: 9682人(各県206人_男女103人ずつ)
- 調査方法: インターネットアンケート調査
しかし、皮膚科では今ある赤ニキビや黄ニキビの治療だけでなく、それらが治った後もコメド(=毛穴のつまり)の治療をすることで“ニキビのできにくい肌”を目指すことをニキビ治療と言います。そして、ニキビのできにくい肌を目指すには、まずは3ヶ月を目安に治療を続けることが望ましいです。
ニキビは炎症や化膿した状態が治まっても、実はそのまわりにニキビのもとであるコメドが残っています。つまり、「コメド」がある限り、くり返しニキビができる可能性があるのです。そのため、今ある赤ニキビや黄ニキビが治っても、そこで治療を中断せず、「コメド」治療を続けてニキビができにくいキレイな肌をめざしましょう。
分からないことや不安なことがあれば、皮膚科医に相談してみましょう。
コメドっていったい何だろう?
コメドを知ろう!
(ニキビを繰り返す方へ)
監修:日本専門医機構認定 皮膚科専門医
マルホ株式会社シニアメディカルディレクター
生駒晃彦
セルフケアをしているのに、頬のニキビが治らない…。
そんな時は皮膚科で相談ですぞ。
ニキビ痕にしないためには、早めの治療が大切ですぞ!