あごニキビの原因と治し方、ケアは?

あごニキビは目立ちやすく、悩んでいる方も多いでしょう。

なぜ、あごニキビが出来やすいのか、原因と対処法について解
説しますですぞ。

大人になると増えるあごニキビ

あごニキビに悩む学生

ニキビというとおでこや鼻周りなどのTゾーンに多いイメージ。でも大人ニキビは、あごを含むUゾーンにもできやすくなります。「どうしてこんなところに…」と気になりますよね。マスクを着けて隠れる場所は、マスクを外したときにニキビを見られているような気がすることも。気になるあごニキビの原因と自分でできるケア、皮膚科での治療について説明します。

あごニキビができやすい原因

ニキビといえば、皮脂の分泌が過剰なところにできるのが一般的です。では、あごニキビができるのはどうしてでしょうか。あごは顔の中でも皮膚が薄く、乾燥しやすい場所です。皮膚が乾燥していると、不足している潤いを補おうと、皮脂を分泌するはたらきが促されます。それにより皮脂が必要以上に分泌され、毛穴につまってニキビのもとである「コメド」となるのです。

また、乾燥した皮膚はターンオーバーの周期が長くなり、古い皮膚が肌から剥がれづらくなって皮膚の一番外側にある角質が厚くなってゴワつき、皮脂が詰まりやすい状態となることも、あごニキビができやすい原因です。

まだある!あごニキビを悪化させる原因

また、大人になってできるニキビは、ライフスタイルやストレスなども関係しやすいと考えられています。ストレスは皮脂の分泌に影響し、ニキビを悪化させる原因となります。

また、睡眠不足や、かたよりのある食生活、喫煙習慣があると、肌のターンオーバーが乱れやすくなります。それにより、古い角層が肌表面に残って角層が厚くなり、毛穴がつまりやすくなってニキビを悪化させる原因となってしまいます。

ほかにも、長時間のマスク着用によりマスクとのこすれがあごニキビを悪化させている可能性もあります。

あごニキビが悪化すると…

気になるあごニキビ、できれば目立たない段階でキレイに治し、肌の健やかさを保ちたいものです。

ニキビはそもそも、「コメド」と呼ばれる毛穴のつまりから始まります。コメドは、手で触れるとザラザラした感じがしますが、まだ小さく、あまり目立ちません。

しかし、「小さくて目立たないから」とコメドを放置すると、炎症を起こした「赤ニキビ」、化膿した「黄ニキビ」へと悪化し、適切なケアや治療を行わないとニキビ痕になってしまうことがあります。
また、凸凹としたニキビ痕になってしまうと、元に戻すのは至難のワザ。ニキビ痕にしないためには、症状が軽いうちに早めのニキビケアが大切です。

マイクロコメド(微小面ぽう) 毛穴が狭くなる → コメド(面ぽう) 毛穴がつまる → 赤ニキビ 炎症が起こる → 化膿したニキビ 炎症が広がる

ニキビの原因と種類を詳しく見る
STEP1 ニキビの原因と種類

あごニキビのセルフケア

あごニキビの対策としては、まずはスキンケアを見直してみましょう。メイク落としはクレンジングを使ってこすらずやさしく行い、1日2回を基本に洗顔料を使って丁寧に洗顔することが大切です。このとき、ニキビをつぶさないように気を付けましょう。

メイク落とし(クレンジング)

あごニキビがある時のメイク落とし(クレンジング)

口紅やアイメイクなどのポイントメイクは、専用のリムーバーであらかじめ落としておきます。

洗顔

あごニキビがある時の洗顔
洗顔料をしっかり泡立てます。
あごニキビがある時の洗顔
泡でやさしく洗います。肌を強くこすらないようにします。
あごニキビがある時の洗顔
洗顔料が残らないよう、特に髪の生え際などはよく洗い流します。

すっきり汚れを落としたら、肌の状態にあわせて保湿をしましょう。ニキビがあるときは、ノンコメドジェニックテスト済み(ニキビができにくいことを確認済み)の保湿剤や乳液、美容液を使用するのがおススメです。

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STEP4 皮膚科医監修のニキビケア

頬杖をつく、会話中に何気なくあごを触ることはニキビへの刺激となるため、そうしたクセには気を付けましょう。髪型はあごにかからないよう工夫し、服装もなるべくあごに触れないものがよいでしょう。

マスクはなるべくズレたりこすれたりしないよう、サイズは適切なものを選び、周りに人がいない環境など、必要でないときはこまめに外す習慣をつけましょう。

大人に多いあごニキビ対策としては、日常生活の習慣を見直すことも重要です。その上で、規則正しい生活やリラックスできる状態を心がけ、なるべくストレスをため込まないようにしましょう。「心地良い」「気分がスッキリする」など、気持ちが前向きになるような趣味や過ごし方を見つけ、そのための時間を日常的に設けると良いでしょう。

あごニキビは、早めに皮膚科へ

セルフケアを行ってもおでこニキビがよくならない場合や、何度もくり返しできる場合は、皮膚科の受診をおすすめします。ニキビはれっきとした皮膚の病気です。ニキビを悪化させず、ニキビ痕を残さないためには、早めに皮膚科で治療しましょう。

「ニキビくらいで受診するのは大げさと思われるかも…」とためらう人もいるかもしれませんが、皮膚科には、多くのニキビ患者さんが受診しています。最初は勇気がいるかもしれませんが、「正しいニキビ治療の入口」ととらえて、ぜひ皮膚科を受診してみて下さい。

市販薬とは異なる薬の処方
皮膚科で処方される塗り薬や飲み薬は、市販薬と異なり、「毛穴のつまりをとる成分」や「アクネ菌を殺菌したり増殖を抑えたりする成分」などが含まれます。毛穴のつまりをとることは、ニキビのもととなる「コメド」の段階で治療することとなり、ニキビができにくい肌をめざすことができます。
症状に応じた専門的な治療
ニキビの原因や症状は人によって違うため、皮膚科では患者さん一人ひとりのニキビの状態にあわせた治療を検討してくれます。ニキビ治療は全員が同じ治療とはならないので、自分にとって最適な治療を見極めてもらうためにも、皮膚科受診は重要です。
保険適用での治療
保険が適用されるニキビ治療を受けた場合、初診料や再診料、薬代などが全て3割負担になります。 このため、一回の受診につき1,000円~3,000円 程度に留まることがほとんどです。皮膚科でのニキビ治療というと、ケミカルピーリングやレーザー治療など、全額自己負担の自由診療を思い浮かべるかもしれませんが、保険診療を行っている皮膚科では基本的には保険が適用される治療が行われます。

3割負担は健康保険等における義務教育就学後から70歳未満の医療給付が適用された場合の負担額です。自治体によっては義務教育就学児医療費の助成等が適用になることもあります。詳しくは医療機関にお問い合わせください。

皮膚科で行うニキビ治療
を詳しく知りたい方へ
STEP3 皮膚科でのニキビ治療

あごニキビの治療は、継続が肝心!

皮膚科でニキビ治療を受ければ、1週間程度の短期間で治ると思っている人もいるかもしれません。ニキビ患者を対象とした調査では、「皮膚科などでの医療機関では、ニキビが治るまでにどの程度かかると思いますか?」という質問に対し、「1週間」と答えた人が18.7%でした。「2週間」「3週間」「1ヵ月」と答えた人を合わせると67.9%となり、多くの人が1ヵ月程度あればニキビは治ると考えているようです。

皮膚科などの病院では、ニキビ・吹き出物がよくなるまでにどの程度かかると思いますか?
もしくは思いましたか?

n=ニキビ・吹き出物のことで病院を受診経験がある方 1,820回答

皮膚科などの病院では、ニキビ・吹き出物がよくなるまでにどの程度かかると思いますか?もしくは思いましたか?
  • 「ニキビに関する意識と実態47都道府県調査」マルホ株式会社、2018年
  • 調査対象: 全国47都道府県のニキビ・吹き出物経験者
  • サンプル: 9682人(各県206人_男女103人ずつ)
  • 調査方法: インターネットアンケート調査

しかし、皮膚科では今ある赤ニキビや黄ニキビの治療だけでなく、それらが治った後もコメド(=毛穴のつまり)の治療をすることで“ニキビのできにくい肌”を目指すことをニキビ治療と言います。そして、ニキビのできにくい肌を目指すには、まずは3ヶ月を目安に治療を続けることが望ましいです。

ニキビは炎症や化膿した状態が治まっても、実はそのまわりにニキビのもとであるコメドが残っています。つまり、「コメド」がある限り、くり返しニキビができる可能性があるのです。そのため、今ある赤ニキビや黄ニキビが治っても、そこで治療を中断せず、コメド」治療を続けてニキビができにくいキレイな肌をめざしましょう。

分からないことや不安なことがあれば、皮膚科医に相談してみましょう。

コメドっていったい何だろう?
コメドを知ろう!
(ニキビを繰り返す方へ)

セルフケアをしているのに、頬のニキビが治らない…。
そんな時は皮膚科で相談ですぞ。
ニキビ痕にしないためには、早めの治療が大切ですぞ!

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監修:日本専門医機構認定 皮膚科専門医
マルホ株式会社シニアメディカルディレクター
生駒晃彦

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