どんな病気?
とびひには水ぶくれができるもの(水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん))とかさぶたができるもの(痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん))の2種類があり、それぞれの特徴は次のとおりです。
アトピー性皮膚炎の患者さんは皮膚のバリア機能※が低下しており、とびひにかかりやすいので注意しましょう。
バリア機能:外からの刺激や有害物質から体を守ったり、体内の水分が外に逃げていかないようにする働き。
水ぶくれができるもの:
水疱性膿痂疹
皮膚にできた水ぶくれが、だんだん膿(うみ)をもつようになり、やがて破れると皮膚がめくれてただれてしまいます。かゆみがあり、そこを掻いた手で体の他の部分を触ると、症状が体のあちこちに広がってしまいます。
とびひの多くはこのタイプで、黄色ブドウ球菌が原因です。
![[1]とびひができる前の皮膚](img/what/img_01.jpg)
[1]とびひができる前の皮膚
アトピー性皮膚炎の乾燥肌(ドライスキン)はバリア機能が弱く、とびひにかかりやすい
![[2]水ぶくれができる](img/what/img_02.jpg)
[2]水ぶくれができる
![[3]水ぶくれが破れ、皮膚がただれる](img/what/img_03.jpg)
[3]水ぶくれが破れ、皮膚がただれる
![[4]乾燥し、かさぶたがはがれて治る](img/what/img_04.jpg)
[4]乾燥し、かさぶたがはがれて治る
かさぶたができるもの:
痂皮性膿痂疹

皮膚の一部に膿をもった水ぶくれ(膿疱(のうほう))ができ、厚いかさぶたになります。炎症が強く、リンパ節が腫(は)れたり、発熱やのどの痛みを伴うこともあります。
主に化膿レンサ球菌が原因となりますが、黄色ブドウ球菌も同時に感染していることが多いです。
とびひの特徴
水疱性膿痂疹 | 痂皮性膿痂疹 | |
---|---|---|
原因となる |
黄色ブドウ球菌 | 化膿レンサ球菌 |
症 状 |
水ぶくれ、かゆみなど |
かさぶた、リンパ節の腫れ、発熱、のどの痛みなど |
できやすい |
目・鼻・口のまわりから症状が出始めることが多く、やがて体のあちこちに広がる |
全身にできる |
かかりやすい |
夏(暖房の普及で、冬でもみられる) | 季節に関係なし |
かかりやすい |
7歳未満の乳幼児 | 年齢に関係なし |