
予防したい2025.09.01
足元から始める健康生活 巻き爪を避け、美しい歩行へ
皮膚のガサガサや痛みなど足に違和感を覚えたことはありませんか?その原因は「歩き方」にあるかもしれません。間違った歩き方は足トラブルを招き、健康寿命に影響があることも。正しい歩き方と足トラブル対策についてご紹介します。
記事監修:シナモン皮膚科板橋区役所前院長 秋野愛 先生
正しい歩行で健康の維持を!
人間の足は、体重を支えるために非常に小さい面積で大きな負担を担っています。歩き方が悪いと、爪の変形や硬くなった部分に、たこやうおのめができるなど、足のさまざまな不調を引き起こす原因になります。それらの足のトラブルによって歩きづらくなり、さらに悪い歩き方が進行するという悪循環が生じますし、日常的な歩行量も減少してしまいます。 歩数と疾病罹患率あるいは死亡率との間には明確な関係があることが分かっており、歩行量の確保は健康のために必要不可欠です。厚生労働省によっても一日の歩数目標が下記のように設定されています。1) 足トラブルを治して正しい歩き方を身につけ、健康のためにしっかり歩行量を確保するようにしましょう。
<歩数の目標>
20~64歳:一日8000歩
65歳以上:一日6000歩
足トラブル、受診のタイミングは?巻き爪は何科に受診したらいい?
巻き爪や外反母趾などの足のトラブルは、誤った歩き方の習慣によって影響を受けることがあります。痛みや違和感がある場合は、早めに医療機関で相談することが推奨されます。巻き爪は自然に治癒することはないので、大きな痛みがない場合でも、爪に違和感があったり変色や変形が見られる場合は、将来的な足の健康を守るためにも受診を検討すべきです。
「足トラブルって医師に相談できるの?」「巻き爪は何科にかかったらいいのかわからない」といった声をよく聞きます。爪は主に皮膚科や形成外科で診療していますが、全ての医師が足を診療しているわけではありません。 こちらのページでは、巻き爪を診療している医療機関が掲載されていますので、受診先の参考にされると良いでしょう。
(参考)病院を探す|巻き爪専門メディア 巻き爪を知る・治す・予防する|製薬会社のマルホ
*巻き爪の治療を行えるすべての医療機関をご案内するものではありません。掲載していない医療機関でも巻き爪を相談できる場合があります。
正しい歩き方を心がけよう
正しい歩き方の基本は①姿勢を正すこと、②手をうまく振ること、③着地のときの適切な体重移動です。
①姿勢を正す:背筋を伸ばし、顎を引き、目線は前方に保ちます。これにより、全身のバランスが整い、足への負担が軽減されます。
②手の振り方:手は肩の高さでリラックスしてしっかりまっ直ぐ振り、体の左右のバランスを保ちます。これが足の正しい着地につながります。
③踵から着地:歩く際は、踵から着地し、足の外側を転がるようにして、親指の腹でしっかり蹴り出します。これにより、足のアーチを保ち、巻き爪などのトラブルも予防します。
巻き爪予防とフットケアのための具体的アドバイス
巻き爪や足のトラブルを予防し、足の健康を維持するためには、歩き方の他にも日常生活でのフットケアが非常に重要です。ここでは、具体的なアドバイスを紹介します。
(1)適切な靴の選択
靴の形状:先が細くない、足の形に合った靴を選びます。足指が自然に動かせるスペースが重要です。 甲のフィット感:靴ひもやストラップで甲をしっかりと固定できる靴を選び、足が靴の中で滑らないようにします。
サイズの確認:足のサイズは時間の経過とともに変わることがあるため、定期的にサイズを測定し、最適な靴を選ぶことが大切です。
(参考)巻き爪の進行を防ぐ生活習慣 靴の選び方と履き方・歩き方|巻き爪専門メディア 巻き爪を知る・治す・予防する|製薬会社のマルホ
(2)足のトレーニング
タオルギャザー運動:床に広げたタオルの端を足の指でつかみ、ギャザーを作るようにしてタオルを引き寄せます。これにより、足の筋肉と足指の柔軟性が向上します。
グッパー運動:足の指を広げてからしっかりと握る運動を繰り返します。足の指の筋肉を鍛え、巻き爪の予防に役立ちます。
<タオルギャザー運動>
(3)適切な爪切り
爪を短く切ってしまういわゆる深爪は良くないことが知られていますが、かといって伸ばし過ぎてもよくありません。指先と同じくらいの長さを保つように定期的に爪を切りましょう。爪は直線に切り、角を丸くしすぎないようにします。
(参考)覚えておきたい「正しい爪の切り方」|巻き爪専門メディア 巻き爪を知る・治す・予防する|製薬会社のマルホ
(4)定期的な足のマッサージ
足裏のマッサージ:ゴルフボールや専用のマッサージボールを使用して、足裏を優しくマッサージします。血行が促進され、足の疲れが軽減されます。
(5)足の衛生管理
毎日足を洗い、特に足指の間をしっかり乾燥させます。軟らかいブラシを使って爪の周りも洗うと良いでしょう。水虫などのトラブルの予防にもなります。
(参考)足をトラブルから守るためのセルフケア|巻き爪専門メディア 巻き爪を知る・治す・予防する|製薬会社のマルホ
(6)適切な体重管理
過剰な体重は足への負担を増加させ、巻き爪や足のトラブルのリスクを高めます。バランスの取れた食事と適度な運動により、健康的な体重を維持しましょう。
(7)足の健康チェック
足の形状、爪の状態、皮膚の健康状態を定期的に自分でチェックしましょう。足は自分の目から一番遠い距離にある身体の部位ですので、異常があっても見落とされがちです。まずは足を見るという習慣を作ることから始めましょう。 自分でのケアが難しい場合や、特定の足トラブルがある場合は、医療機関に相談しましょう。医師や看護師による適切なアドバイス、治療は、足の健康を長期的に保つのに役立ちます。
(8)ストレス管理と休息
ストレスは体全体に影響を及ぼし、足の健康にも悪影響を与えることがあります。リラクゼーション技法、趣味の時間、適度な運動などを通じて、ストレスを管理しましょう。 また、足は過酷な環境で一日の大部分、体重を支えています。十分な休息を取って足の疲れを回復させ、健康を維持しましょう。
(9)足環境の改善
長時間立ち仕事をする場合は、クッション性のあるマットを使用するなど、足への負担を軽減する工夫をしましょう。また、歩く環境を整え、不均一な地面や高いヒールの使用を避けることも重要です。
これらを生活に取り入れることで、巻き爪をはじめとする足のトラブルを予防し、足の健康を守ることができます。日々のケアが、足の健康を長期的に保つ鍵となります。
まとめ
正しい歩き方とフットケアは、巻き爪やその他の足のトラブルを予防し、足の健康を維持するために非常に重要です。日常生活での歩き方を見直し、適切な靴を選び、足のトレーニングなどを行うことで、足の健康を守りましょう。また、痛みや違和感がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
