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知りたい2021.08.04

こんなお悩みありませんか?爪が曲がって痛むなら、それは「巻き爪」かもしれません

「足の指が痛い」「足の爪が切りにくい」「足の指が痛いだけではなく、その見た目のせいで夏に素足を見せられない」。そんな悩みがあるとき、原因は爪のトラブルかもしれません。

監修:ひかり在宅クリニック 皮膚科 今井亜希子 先生

足に起こりやすいトラブルの3つのパターン 代表的な爪のトラブルは「巻き爪」

足によく見られるトラブルには、大きく分けて3つのパターンがあります。 ひとつは外反母趾を代表とする足の骨格の変形。次にウオノメやタコ、水虫のような皮膚の病変。最後のひとつが、巻き爪や陥入爪、爪水虫などを含む爪の病変です。

わたしたちが立ったり歩いたりするときには、足の骨格だけでなく、皮膚や爪にも大きな負担がかかっています。したがって、このようなトラブルもいくつか同時に起こってくるのが一般的です。たとえば外反母趾がある足では、同時に爪の変形やタコが見られることが多いのです。そして、爪に変形を起こすトラブルとして代表的なものは「巻き爪」です。

巻き爪とは

巻き爪とは、爪の両側あるいは片側の端が内側に向かって強く巻き込んだ状態になる爪の変形のことをさします。最もよく見られるのは足の親指です。爪を前から見たときにアルファベットの「C」や「J」の字のように見えることが多いのですが、ホチキスの針のように鋭角に曲がった状態になることもあります。 巻き爪にまつわるお悩みをいくつかご紹介します。

お悩みその1「足の指が痛くて、歩くのがつらい」

巻き爪になると、爪の縁がまわりの皮膚を刺激したり傷つけたりして、痛みを起こすようになります。また爪の中央部分が高くなるので、靴によって圧迫されやすくなります。このため、足の指先に痛みを感じますし、特に靴を履いて外を歩く時には痛みが強くなり、歩きづらくなることが多いのです。

お悩みその2「爪が切りにくい」

自分の足の爪が切りにくいと感じている人は、気づかないうちに巻き爪になっているかもしれません。巻き爪になると爪のカーブが強くなり、家庭でよく使われている「平型爪切り(テコ型爪切り)」では、うまく切れなくなってきます。巻き爪であっても痛みを感じない場合があるため、いつから爪が巻いているのか気づかなかったという方もいます。

お悩みその3「夏に素足を見せられない」

本来であれば、爪はなだらかなアーチ状の形をしていますが、巻き爪では爪のカーブが強くなり、ひどくなると筒のように丸まった形になります。このような形は見た目としても良いものとは言えないので、巻き爪があると恥ずかしいと思う方もいます。特に、素足を出すことが多くなる夏には、「サンダルを履きたくない」など人には見せたくないと感じることが増えるかもしれません。

巻き爪から陥入爪になってしまう可能性も

巻き爪を短く切りすぎてしまうと、爪の端が周りの皮膚に深く食い込んで「陥入爪(かんにゅうそう)」という状態に陥ってしまうことがあります。この2つの病気を同時に起こした場合には、炎症による腫れや赤み、痛みがより強くなります。このようなケースでは、巻き爪の治療だけでなく、陥入爪による炎症をおさえるための治療も必要になってきます。

爪の周りに痛みがある、爪が切りにくい そんなときは医療機関に相談しましょう

爪の周りのしつこい痛みや爪の変形のために生活に支障があるときには、皮膚科などの医療機関を受診して相談するのがよいでしょう。

足指の痛みを我慢して歩いていると、歩き方のバランスが悪くなり、ひざや腰の痛みを招いてしまう可能性があります。巻いている爪をうまく切れずに、間違った切り方を繰り返していると、巻き爪が悪化するうえ陥入爪に発展してしまうこともあります。

爪のトラブルは爪だけの問題ではなく、骨格の変形や皮膚の病気と関係している可能性があるので、原因を見きわめて適切な対処をすることが大切です。特に糖尿病をはじめとする全身性の病気を持つ患者さんでは、より慎重に対処する必要があります。