巻き爪の矯正治療を検討されている方へ

治したい2022.10.20

巻き爪の矯正治療を検討されている方へ

巻き爪の矯正治療に興味はあるけれど、「私にはまだ必要ないかな?」「治療が痛くないかちょっと心配・・・」とお考えの方もいらっしゃると思います。そんな方にぜひ知っていただきたいことをQ&A形式でお伝えします。

監修:ひかり在宅クリニック 皮膚科 今井亜希子 先生

どのような症状で悩んでいる人が矯正治療を受けている?

巻き爪の患者さんが矯正治療を始めるきっかけとして最も多い症状は「痛み」です。何もしなくても足の指先が痛い(自発痛)という方だけでなく、上方向や横方向から力が加わると痛む(圧痛)という方も、治療の対象になります。長く歩いた時、つま先が狭い靴を履いた時、就寝時に掛け布団の重みが加わった時など、日常生活の中で痛みを感じるシーンはさまざまのようです。

       

通常、巻き爪は自然に治るものではありません。長い間放置すると、症状がさらに悪化したり、痛みをかばった歩き方を続けることで膝や腰の痛みへと発展したりする可能性もあります。繰り返し痛みを感じるようになったら、早めに治療を始めることをおすすめします。 また、巻き爪の「外見」が気になって治療を希望される方もいます。冬~春頃に矯正治療を始めて、素足を出す機会が増える夏までに爪の形をきれいに整えておくのも一つの方法です。

私の爪は普通ではないようですが、巻き爪ですか?

「足の爪が痛い・変形している」=「巻き爪」とは限りません。「巻き爪のせいで足が痛みます」という方を実際に見てみると、深爪や細菌感染で炎症を起こしていた、水虫などにより厚くなった爪が皮膚を圧迫していたなど、巻き爪ではなかったということもよくあります。足の指先に痛みや見た目の変化がある方は、まず皮膚科専門医に相談しましょう。ご自身の爪が今どんな状態なのかを知って、適切な治療を受けることが大切です。

矯正治療に適していない爪とは?

巻き爪であっても、下記のような場合には矯正治療をすぐに実施できない可能性があります。

①重度の陥入爪

矯正器具が患部に接触して痛みや炎症が悪化する可能性があります。まずは炎症を抑える治療(外用薬・内服薬、処置など)を行います。

②短すぎる爪・深爪

短く切りすぎた爪には矯正器具を装着することができません。伸びるまで待つ必要があります。爪の両端の遊離縁(白い部分)が1~2mm程度あると治療の選択肢が広がります。

③爪疾患により変性した爪、極端に薄い爪

爪が疾患(爪白癬、乾癬など)により脆くなっているケースや、極端に薄いケースは、矯正治療によって割れてしまうおそれがあります。

このようなケースでも、適切な治療や処置を行うことによって矯正治療がスタートできることもあります。矯正治療ができる状態を目指して前向きに治療に取り組みましょう。

治療するときに、痛みはある?

基本的には、矯正治療による痛みはほとんどなく、麻酔の必要はありません。 ただし、巻き爪の程度が強く、皮膚に深く食い込んでいる場合には、器具を取り付ける際に痛むことがあります。

治療にかかる時間はどのくらい?

矯正治療の処置にかかる時間は通常5~15分程度です。初めて治療を受ける方は、このほかに爪の状態の診察や検査、自宅で行うケアの説明などを受けていただくことが多く、その分の時間が加わります。また、治療を受けたその日から、入浴等を含むいつも通りの生活を送ることができます。

治療をやめると、また爪は巻いてくるの?

矯正治療は、巻き爪を永久的に治すものではありません。個人差はありますが、治療終了後、数か月~数年ほど経つと再発することがあります。痛みを感じたら早めに治療を再開するなど、巻き爪とうまくつきあっていきましょう。また、ご自分で行うケアを生活習慣に取り入れることで、できるだけ再発を防ぐようにすることも大切です。

高齢者でも、巻き爪の治療を受けられる?

高齢の方も巻き爪は治療できます。ただし、ご自分で足の状態を見たり触ったりすることが難しい方は、ご家族や周囲の方のサポートが必要になります。このような場合には、ご自宅で行うケアや注意点などについて、ご本人とご家族が一緒に説明を受けていただくことをお勧めします。

「その巻き爪、一度病院で診てもらおう。」ご高齢の方にはご家族や周囲の方からお声掛けを。

高齢の方の多くは、足の爪に何らかのトラブルを抱えています。しかし、視力の低下により足の爪をよく観察できていない、感覚の衰えのために炎症や感染症に気づかない、などの理由で見過ごされていることが多いものです。そして、このような足のトラブルが転倒や活動低下の原因となるということが知られています。 ご高齢の方の足の健康を守り、活動的な生活を保つには、ご家族や周囲の方々のサポートが不可欠です。時々は足全体のチェックをして、心配な変化がある場合にはぜひ受診をすすめてあげてください。

監修医のコメント

巻き爪の矯正治療を行った患者さんからは、「痛みがなく歩けるっていいですね」「外出やスポーツの機会が増えて、より活動的な生活が送れるようになりました」という声が聞かれます。 爪のトラブルで悩んでいる方は、ぜひ一度、皮膚科専門医に相談してはいかがでしょうか。

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