治したい2024.01.25
巻き爪治療の主流となる「矯正治療」
巻き爪に対する矯正治療とは、矯正器具を使って爪の形を本来の状態に近づけることにより、爪による皮膚への圧迫・刺激を防ぐ治療です。施術直後から痛みが取れる場合もあり、巻き爪治療としては第一優先で選択される治療となります。
ここでは、クリニックや病院で行われている矯正治療について解説します。
監修:ひかり在宅クリニック 皮膚科 今井亜希子 先生
巻き爪の矯正治療について知りたいこと 治療法と期間、かかる費用は?
巻き爪に対する矯正治療は、変形してしまった爪を本来の形に近づけるように矯正するもので、現在までに様々な工夫が行われ、多くの矯正器具が考案されています。
現在いずれの方法も自費診療(保険外診療)として行われており、治療法や料金は医療機関によってそれぞれ異なります。そのため担当医より詳しい説明を受けてから、治療が始まることになります。
また、どの方法も永久的に巻き爪を治すものではありません。中止してからしばらく経つと徐々に元の巻き爪に戻っていくことが多く、再び治療が必要になることもあります。予防とケアを日々の生活に取り入れながら、悪化したらまた治療を行うというように、巻き爪とうまく付き合っていきましょう。
ここでは、現在行われている代表的な矯正治療の方法と治療期間、料金の例を紹介します。
①矯正具を装着する方法
特殊な金属で作られた器具を爪に取り付けることにより、徐々に爪の形を矯正する方法です。爪の先端につけるタイプのもの、爪の縁にかけるタイプのものなどがあります。爪の先端につけるタイプのものは爪の幅に合ったサイズの器具を選んで使用します。処置時間は比較的短く、爪へのダメージが少ないため、爪が割れやすい方などにも適しています。爪の縁にかけるタイプのものは、根元近くから巻いている爪にも有効です。
費用は矯正具の種類によって異なるため診察料・手技料等を含む初回の費用は約6,000円~15,000円と幅が大きくなっています。
治療期間の目安は3~6か月程度で、この間に約1-2か月に1度の間隔で通院し、器具の交換や調整をすることが多いようです。(自分でつけ外しできる器具の場合は除きます)
②ワイヤーを留置する方法
爪の先端に2か所の穴をあけ、形状記憶合金で作られた超弾性ワイヤーを通し、ワイヤーが元に戻ろうとする力を利用して巻き爪を矯正する方法です。爪の形状・硬さ・厚さに応じてワイヤーの太さや穴をあける位置を変えることで対応できるため、様々なタイプの巻き爪に有効です。
費用と治療期間の一例としては、初期費用5,000円~12,000円前後、治療期間は3~6か月程度です。この間、爪の伸びる速さに応じて、1か月から1か月半に1度の間隔で通院してワイヤーを入れ替える施術を行う必要があり、その際には約2,000円-4,000円程度の手技料が発生します。
③プレートを接着する方法
特殊な樹脂や形状記憶金属によって作られた板状の矯正器具(プレート)を爪の表面に接着し、その力を利用して爪の変形を矯正する方法です。 矯正力はやや弱めですが、見た目が目立たずきれいに保てる方法です。医療機関だけではなく、民間資格を取得したネイルサロンなどでも行われています。 費用と期間の一例としては、初回費用5,000円~10,000円前後となっています。治療期間は6か月程度で、約2-3か月ごとに交換する際に、初回と同程度の料金がかかることが多いようです。
④外用薬を併用する方法
一時的に爪をやわらかくする専用の薬剤※を矯正治療に追加する方法です。従来の矯正治療と比べて、治療期間を短くできるうえ、治療終了後にも矯正後の爪の形を長く保てることが期待できます。
治療費には、矯正治療単独の費用に薬剤費(自費)が加わります。そのため負担額は大きくなりますが、通院の回数を減らせる、矯正器具をつけている期間を短くできる、治療の効果を長期間維持できるといったメリットがあります。
器具によっては併用できない場合もあります。
※医療機関で使われる巻き爪矯正を補助する医薬品
代表的な4タイプの治療法の例
①器具を装着する方法 | ②ワイヤーを留置する方法 | ③プレートを接着する方法 | ④外用薬を併用する方法 | |
処置 | 特殊な金属で作られた矯正器具を爪に装着する | 爪の先端に穴を開けて超弾性ワイヤーを通す | 特殊な樹脂・金属製プレートを爪の表面に接着する | 矯正治療に加え、外用薬を爪に塗布して、矯正効果を高める |
初回治療費 | 6,000円~15,000円前後 | 5000円~12,000円前後 | 5000円~10,000円前後 | 矯正治療にかかる費用+外用薬の費用 |
治療期間 | 3~6か月程度 | 3~6か月程度 | 6か月程度 | 1週間~1か月程度 |
2回目以降の治療費 |
調整のみの場合: 矯正具の交換を含む場合: |
処置のみの場合: 2,000円~4,000円程度 ワイヤー購入が必要な場合: 初回と同額程度 |
プレート交換の場合: 初回と同額程度 |
診察・調整のみの場合: 1,000円~2,000円程度 追加治療が必要になった場合: 矯正治療や薬剤など、治療内容に応じた額 |
代表的な例を示しましたが、治療内容と必要な費用、通院の間隔と期間などは、その方の巻き爪の状態や医療機関の方針によって、それぞれ異なります。治療法を選択するときには、初回だけでなく2回目以降も含めた治療費や、通院の間隔などもふまえて考えた方が良いかもしれません。
受けたい治療法がある場合には、あらかじめ医療機関のWebサイト等で確認したうえで、受診するのがよいでしょう。
巻き爪かも?どの科に行けばいいの?
巻き爪に対する矯正治療は、皮膚科・形成外科・整形外科などさまざまな診療科、または市中のサロンなどでも行われていますが、治療を始める前には、正しい診断を受ける必要があります。まずは皮膚科専門医を受診して治療法を相談することをおすすめします。
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