巻き爪の進行を防ぐ生活習慣 靴の選び方と履き方・歩き方

予防したい2021.08.04

巻き爪の進行を防ぐ生活習慣 靴の選び方と履き方・歩き方

足によく見られるトラブルには、親指の付け根の関節が変形した「外反母趾」、皮膚の角質が厚くなる「タコ」や「ウオノメ」、さらに、爪の変形である「巻き爪」や爪の辺縁が皮膚に食い込む「陥入爪(かんにゅうそう)」などがあります。このようなトラブルがいくつも同時に起こることが多いのは、共通の原因があるためです。

そのひとつは、足の健康にかかわる生活習慣の問題です。「靴を選ぶ・履く」、「歩く」といった、普段何気なく行っている生活習慣が、足のトラブルの原因になっているかもしれません。

ここでは靴の選び方・履き方と歩き方のポイントについて解説します。

監修:ひかり在宅クリニック 皮膚科 今井亜希子 先生

 

自分の足に合った靴を選ぶことが大切

靴は、足のつま先からかかとまでの長さ(足長)と足指のつけ根周り(足囲)で決められたサイズ規格に沿って作られています。足長のサイズ表示(例:24.5㎝)を見て選ぶ方が多いのではないでしょうか。

しかし、足の形には個性があります。長さだけではなく、甲の厚さ、アーチの高さ、指の長さなども、それぞれ異なっています。また、年齢を重ねると足の形は変わってきます。足に合っていない靴を我慢して履き続けていると、足の痛みや靴擦れだけでなく、歩き方が悪くなる、膝や腰が痛くなるなどさまざまなトラブルを招いてしまうことになります。

お店で靴を選ぶときには、必ず両足とも試着して店内を歩いてみて、足にきちんと合っているかどうかを確かめます。同じタイプの靴でも1つのサイズだけを履くのではなく、前後のサイズも含めて3つのサイズを履いてみることで、本当に自分に合う靴がどれかを正しく見きわめやすくなります。靴選びの専門家であるシューフィッターに相談するのもおすすめです。

つま先にゆとりのある靴

巻き爪などの爪のトラブルを防ぐためには、靴のつま先部分(トゥボックス)の幅や高さにある程度の余裕があり、足の指先が圧迫されないものを選ぶことが大切です。立った時に靴の中で足の指を上下に動かすことができること、歩いた時に足の指先が靴に当たらないことを確認して選びましょう。

かかとでサポートし、靴ひもやベルトで調節できる靴

普段履く靴、たくさん歩く時に履く靴には、かかと部分がしっかりしていて、紐やベルトなどの留め具のついた靴を選ぶことをおすすめします。

かかと部分にある程度の硬さがあり、しっかりと包み込んでくれる靴を履くと、歩き方が安定します。履き口がくるぶしに当たらず、小指が入る程度の余裕があるものを選んでください。

靴ひもやベルトなどの留め具がついている靴は、足周りをサポートしてくれます。靴の中で足がずれないため、しっかりと足の指を使った歩き方ができるようになります。

パンプスやローファーなどのスリッポンタイプの靴は、本来は長く歩くためのものではありません。足が前に滑りやすく、爪のトラブルの原因になりやすいので注意しましょう。

ヒールが高すぎない靴

ヒールが高い靴を履いて歩くと、歩行が不安定になる上、足の前方に大きな負担がかかることがわかっています。ヒールの高さは2.3㎝までが、余計な負担がかかりにくい目安といわれています。女性のハイヒール靴は歩く機能よりもファッションを重視した靴です。

「足にトラブルがあって痛いけれど、どうしても履く必要がある」というときには、ハイヒール靴をシューズバッグに入れて会場まで持ち歩くなどして、履く時間を短くとどめることをおすすめします。

靴を履くときには かかとを合わせ、靴ひもをしっかりと

靴を履くときに大切なポイントは、最初に足と靴のかかとをぴったり合わせることです。玄関で椅子や段差に腰かけ、靴のかかとを床にトントンと軽く打つようにすると無理なく履くことができます。その後に靴ひもやベルトをしっかりと締めます。立ち上がって、ひもがきつ過ぎたりゆる過ぎたりせず、足の甲にフィットしていることを確認してから、出かけましょう。

 

歩き方を見直す

歩き方も人それぞれです。内股歩き、ガニ股歩き、すり歩きなどという言葉があるように、さまざまな個性があります。このような歩き方のクセによって、爪のトラブルやタコ・ウオノメ、足指の変形が起こっている可能性があります。

正しい歩き方をすると、重心は足のうらをスムーズに移動します。まずかかとで着地してから、重心は前方に移動します。その後小指の付け根から親指の付け根へと内側に移動し、最後に親指へ、という流れが理想的です。

背筋を伸ばして、腕を前後に、特に後ろに大きく振って歩くように意識すると、歩き方が自然に良くなります。歩き方が改善すると足の指が地面をしっかりとらえられるようになり、巻き爪を含めた足のトラブルの予防にもつながるのです。

 

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