監修 五十嵐敦之 先生(いがらし皮膚科東五反田 院長)
ミチーガはアトピー性皮膚炎のかゆみをおさえる薬です。
一般的なアトピー性皮膚炎の治療は、ステロイド外用剤やタクロリムス外用剤などで「炎症」をおさえ、これに保湿外用剤で「皮膚のバリア機能の低下」を防ぐという組み合わせです。
ここに「かゆみ」の原因物質のはたらきをおさえる薬であるミチーガという注射剤が新たに加わりました。
ミチーガは、アトピー性皮膚炎の炎症やかゆみの原因となる物質のうち、IL-31(インターロイキン31)※のはたらきをブロックすることによってアトピー性皮膚炎のかゆみをおさえる薬です。
経口ステロイド剤を服用している場合、ミチーガによる治療開始後に経口ステロイド剤を急に中止しないでください。必ず主治医の指示に従ってください。
ミチーガで治療を受けている間は、下記のことにご注意ください。
●かゆみがおさまっても、処方された他の治療薬は主治医の指示通りにしっかり使用してください。
ミチーガはアトピー性皮膚炎のかゆみをおさえる薬です。ステロイド外用剤、タクロリムス外用剤、デルゴシチニブ外用剤、ジファミラスト外用剤、保湿外用剤など、アトピー性皮膚炎の他の症状に対する治療は中止しないでください。
●ミチーガ治療中も、保湿外用剤で皮膚を保湿するようにしてください。
●ワクチンを投与する場合は、ミチーガ治療中であることを必ず医師に伝えてください。また、他の医療機関を受診する際も、ミチーガ治療中であることを伝えてください。
ミチーガの使用により起こりうる可能性のある副作用を知っておきましょう。
副作用は必ず起こるというものではありませんが、早めに気づいて対処することが大切です。
※こちらで紹介したもの以外にも、気になる症状が出た場合には、主治医もしくは看護師、薬剤師にご相談ください。
アトピー性皮膚炎は適切な治療を続ければ、寛解(症状が落ち着いて安定した状態)が期待できる疾患です。適切な治療、スキンケア、悪化因子対策を続けて、寛解を目指しましょう。
症状がない、または軽微で、日常生活に支障がなく、薬物療法もあまり必要としない状態になること。
軽い症状はあっても、日常生活に影響するような急な悪化が起こらない。または悪化しても長引かないような状態になること。
アトピー性皮膚炎の症状は、皮膚への刺激やストレスの影響を受けて悪化することがあります。 以下のような点に気をつけて規則正しい生活を送るようにしましょう。
医療費サポート制度
ミチーガの薬剤費と、様々な医療費のサポート制度について解説しています。
高額療養費制度のしくみや支給を受ける方法、費用負担シミュレーターも。ぜひご活用ください。
かゆみ相談メモ
かゆみについて相談したいことを箇条書きにしたものです。
受診前に、かゆみの具体的な内容や程度、かゆみのためにどう困っているのか、かゆみをどうしたいのかについて、シンプルにまとめておくことができます。
受診時にこのメモをお医者さんに見せる、またはメモを見ながらお医者さんに相談することで、相談したいことを過不足なく伝えることができます。
Itch Tracker
Itch Trackerは睡眠中の掻き時間が計測できる世界初のiPhoneアプリです。
睡眠中、どれくらい掻いていたか教えてくれます。