治験の信頼性確保に向けた取り組み
治験薬の効果(有効性)の評価では、医師による評価(客観的評価)を中心に患者さんによる評価(主観的評価)も治療効果の指標として重視されます。当社ではそれら評価においてデジタルの活用を進めており、その取り組みのいくつかを紹介します。
3Dカメラによる
客観的データの収集
皮膚疾患に対する治療効果を確認するためには、評価したい皮疹の厚みや体積を測定し、その変化を客観的に捉えることも重要です。そのため当社では、3Dカメラで皮膚疾患を撮影し、画像解析で算出されたデータを治験薬の評価として活用できるように取り組んでいます。
協業会社
スマートデバイスによる
主観的データの収集
痒みや痛みなどの症状や治療満⾜度は患者さん⾃⾝の評価が重要になります。治験専用に貸与されるスマートフォンやタブレット端末に患者さん自身の評価を入力いただく方法だけでなく、使い慣れた患者さん自身のスマートデバイスに専用アプリをインストールいただき、患者さんの自身の評価を入力・収集する方法(Bring Your Own Device:BYOD)にも取り組んでいます。
協業会社
患者さんに治験をより理解して参加いただくために、医師、治験コーディネーターと連携して、以下のような取り組みも積極的に進めています。
コミュニケーションアプリによる支援
(リテンションアプリ)
治験に参加された患者さんは、このアプリを通じて治験コーディネーターと容易に連絡を取り合えるようになります。このアプリでは、治験薬の服薬状況(飲み忘れや過量摂取を防ぐ)を記録することができ、治験に関するわかりやすい情報が配信されるなど、患者さんが安心して治験に参加できるように支援する取り組みを行っています。
協業会社
電子的な同意取得の活用治験
(e-Consent)
治験への同意説明を紙面で行う代わりに、患者さんの視点に立ち、画像や動画を利用した、より理解しやすい電子的な同意説明方法の導入にも取り組んでいます。
協業会社
治験薬を患者さん宅へ配送
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、治験に参加されている患者さんが病院に来院できず、治験薬等を受け取れないケースが生じていました。このような患者さんに対応するため、病院から患者さんのご自宅まで治験薬等を配送することにも病院や宅配業者と協力しながら取り組んでいます。
業務効率化に向けた取り組み
当社では効率的な臨床開発業務を推進するために、以下のような取り組みも行っています。
臨床開発業務へのBIツール・RPAシステム導入
臨床試験で得られたデータのチェックやモニタリング業務をサポートするためにデータ分析・可視化システム(Business Intelligence Tool:BIツール)を利用し、データの信頼性を確保したり、リスクを早期に検出することで患者さんの安全性の確保に努めています。他にも定型的な作業をソフトウェアロボットが自動で行うシステム(Robotic Process Automation:RPA)を導入し、日常の業務を自動化することで業務効率化にも努めています。