性器ヘルペスの症状

性器ヘルペスは、性器やその周り、お尻に、痛みやかゆみ、不快感などを伴う⽔ぶくれができる病気です。
⽔ぶくれが破れると、排尿時などに強い痛みが⽣じることがあります。⼥性は男性よりも、痛みや不快感が強い傾向があります。
⾵邪や発熱、⽣理、疲れやストレスなどで免疫⼒が落ちている時に再発します。
再発の頻度は、年に1回という⽅から毎⽉のように出る⽅までさまざまです。
⼀般的に、初めて症状が出る時と⽐べて、再発時は軽症なことが多く、
約60%の⽅は症状に気付かないいわれています。

性器ヘルペスの再発には前兆があります。

⽔ぶくれができる前に、性器にチクチク・ヒリヒリといった違和感や、 太ももや⾜のつけ根などにビリビリといった神経痛が⽣じたり、
腰がつるような痛みが⽣じます。
前兆の時点で、すぐに対処できるとベストです。

症状が軽くても、体液などにウイルスが含まれていることがあります。
⼈にうつさないためにも、⽔ぶくれや痛み・かゆみなどの異常を感じたら、
適切な治療を受けることが⼤切です。

性器ヘルペスが再発する原因

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスによる感染症です。主な感染経路はセックスですが、
ウイルスが付着したタオルや便座などを介して感染することもあります。
感染すると、2〜10⽇ほどで症状がでますが、症状が出ないこともあります。
⼀度ウイルスに感染すると、⽣涯にわたって体の中(神経)に潜伏します。
そして、免疫⼒が落ちた時に、ウイルスが暴れだし⽪膚・粘膜の表⾯にまで広がると、
性器ヘルペスの症状が出ます。

病院での性器ヘルペス治療

飲み薬(抗ヘルペスウイルス薬)

皮膚・粘膜の表⾯だけでなく、体の中(神経)のウイルスの増殖を抑えられます
ウイルスは体の中で増え始めるので、病院では飲み薬での治療が⼀般的です。

⽔ぶくれができた時の治療

⽔ぶくれができてから受診した場合は、飲み薬を5日分処⽅されることが⼀般的です。ウイルスの増殖を抑えるためには、なるべくはやく飲み始めることが⼤切です。
お薬を使⽤しても、2⽇間ほどは症状が悪化することがあります。また⽔ぶくれが治まっても、神経内でウイルスが増殖しているので、処⽅されたお薬は飲み切ることが⼤切です
⾃⼰判断で服⽤⽅法を変えたりせず、お医者さんの指⽰通りに飲み続けてください。

性器ヘルペスの再発に“備える治療”
(PIT

年に何度も再発する⽅には、チクチク・ピリピリという違和感が出てきた段階で、患者さん⾃⾝の判断ですぐに治療をはじめられるように、
あらかじめ飲み薬をお渡しできる場合もあります。
正しく服⽤すれば、通常1~2回の服用で治療は終わります。
ただし服用しても、水ぶくれなどの症状が出る場合もあります。

※Patient Initiated Therapy

再発しにくくする治療 (再発抑制療法)

毎⽇お薬を飲み続けることで再発しにくくする治療法(再発抑制療法)もあります。
詳しくはお医者さんに相談してみましょう。

※再発抑制療法のお薬は、性器ヘルペスの治療に使⽤される場合のみ、保険適⽤になります

塗り薬(抗ヘルペスウイルス薬)

⽪膚・粘膜の表⾯におけるウイルスの増殖を抑えられます
ただし、膣部や⼦宮頸部でもウイルスは増殖するため、
塗り薬のみでの治療は推奨されていません
なお、再発性の性器ヘルペスの治療薬は、薬局・ドラッグストアでは販売されていません。

※ 出典:「性感染症 診断・治療ガイドライン2020」

点滴(抗ヘルペスウイルス薬)

初めて症状が出た⽅で重症の場合、また免疫不全を伴う重症の場合に⽤いることがあります。
⽪膚・粘膜の表⾯だけでなく、神経におけるウイルスの増殖を抑えられます
ただし、お薬を使用しても、2日間ほどは症状が悪化することがあります。

自分の症状やライフスタイルに合った治療法があるはず。お医者さんに相談してみましょう。

1⽇でもはやく治すためのポイント

抗ヘルペスウイルス薬は、既に増えてしまったウイルスの数を減らすのではなく、
ウイルスが増えるのを抑える働きをするため、ウイルスが増殖している時に効果を発揮します
チクチク・ピリピリという違和感が出てきた段階で、ウイルスは増え始めています。
できるだけはやく薬を使い始めて、ウイルスを増やさないようにすることで、
⽔ぶくれなどの症状を軽減したり、症状が出ずにすむ場合もあるので、
治るまでの期間を短くすることができます

性器ヘルペス治療の満⾜度調査

出典:マルホ株式会社 性器ヘルペスを認知・罹患している男⼥107⼈を対象としたインターネット意識調査(2019年10⽉調査)より

妊娠・出産への影響は?

妊娠期間中に初めて感染したり、再発したりしても
⾚ちゃんに感染することは、ほとんどありません
ただし、分娩時に症状が出ている場合や、分娩の1か⽉前に初めて感染し症状が出た場合などは、
⾃然分娩で出産すると⾚ちゃんに感染することがあります。
⾚ちゃんが感染すると重い症状を起こす恐れがありますので、詳しくは産婦⼈科の医師に相談しましょう。
あなたが男性の場合は、パートナーの感染を避けるため、妊娠後期のセックスは避けましょう
⼝唇ヘルペスに感染している場合はオーラルセックスも避けましょう

⽇常⽣活の注意点

性器ヘルペスの症状がでている時は

患部を清潔に保つため、症状が出ている時も
ボディソープや⽯鹸をよく泡⽴てて、やさしく洗いましょう
ただし、⽔ぶくれの中にはウイルスが多く含まれていますので、
患部に触れたあとは、⼿指を⽯けんできれいに洗いましょう

お⾵呂やトイレは⼤丈夫?

患者さんが⼊ったお⾵呂に浸かっても、ウイルスに感染することはほとんどありませんが、バスタオルは共⽤しないようにしましょう。なお、洗濯・乾燥により、ウイルスは除去できます
お尻に症状が出ている時は、お尻が直接便座に触れないようにするか、
使⽤後はエタノールで消毒しましょう。

セックスしても⼤丈夫?

症状が出ている間は、セックスは控えましょう。症状が出ていない時にセックスをする際は、コンドームを使⽤することで感染のリスクを下げることができます。
妊娠をご希望されている場合は、お医者さんに相談してください。

性器ヘルペスの再発を予防するために

栄養のバランスがとれた⾷事と⼗分な睡眠、適度な運動により、疲れやストレスを溜めないようにしましょう。

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