痔瘻(あな痔)
- 症状と分類
- 治療
治療
痔瘻は自然治癒することがほとんどないので、根治のためには手術治療が原則となります。
手術療法
切開開放術(lay open法)
瘻管の原発口から二次口までを切開し、そのまま縫合しない手術です。瘻管が肛門後方部であれば、肛門括約筋を切除しても肛門の機能には影響なく、再発も少ない方法です。

括約筋温存術式(coring out法)
原則的に瘻管の二次口からくり抜き、瘻管を切除する手術です。
肛門の変形や機能障害を最小限に留めるため、肛門括約筋をなるべく切断せず、傷つけないように行う方法です。
肛門の左右あるいは前方の低位筋間痔瘻に適応です。
肛門の変形や機能障害を最小限に留めるため、肛門括約筋をなるべく切断せず、傷つけないように行う方法です。
肛門の左右あるいは前方の低位筋間痔瘻に適応です。

シートン法(seton法)
瘻管の原発口から二次口へ、ゴム紐や糸(絹糸)などを通して縛り、時間をかけて瘻管を開放する手術です。
瘻管の遮断が進む一方で開放創が修復するので、肛門の変形・機能障害が少ない方法です。
瘻管の遮断が進む一方で開放創が修復するので、肛門の変形・機能障害が少ない方法です。

Hanley変法
原発口から原発巣までを真直ぐに切開し原発巣を開放して、歯状線より外側の内肛門括約筋と皮下外肛門括約筋および浅外肛門括約筋の一部を切開し、原発巣と瘻管内の不良肉芽を掻き出します。その後原発巣の深さと広がりに合わせたドレナージ創を作成する手術です。
肛門括約筋が硬く瘢痕化しており原発巣が大きい痔瘻に適し、根治性に優れた方法です。
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原発口から原発巣までを真直ぐに切開する
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原発巣の不良肉芽を掻き出す
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二次口を切除し瘻管内の不良肉芽を掻き出す
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ドレナージ創を左右非対称に作成する
(坐骨直腸窩痔瘻の場合)
インフォームドコンセント
原則として痔瘻の自然治癒は少なく、根治のためには手術が必要です。ただし瘻管のみが残存し、長期間無症状の痔瘻も存在しています。このような痔瘻に手術を行うかどうかは、医師により様々です。
痔瘻は10年以上活動が続くと、痔瘻癌が発生することがあります。
専門医への紹介時期
痔瘻は自然治癒することは少ないため、診断がつき次第、手術の可能な施設に紹介します。
監修医からのワンポイントアドバイス
痔瘻は病態が複雑化しないうちに専門医に紹介することが、患者にも、病診連携にも大切です。
- 症状と分類
- 治療
監修:牧田総合病院 肛門科 佐原 力三郎 先生
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フリーダイヤルがご利用いただけない場合06-6371-8898
※9時30分~17時30分(土日祝日及び当社休業日を除く)
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