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ぬり薬の蘊蓄 第4章 ぬり薬を評価するために:曝露量試験について


第3章で説明したように、正常皮膚に比べ病態皮膚では薬物透過性が亢進しているケースが多いと考えられ、この場合、薬物が全身循環血流に到達することによって生じる副作用が懸念されます。そのため、治療学的同等性が厳密に評価されるべき医薬品では、塗布部分の角質層を完全剥離したヒトまたは動物の皮膚を対象にして、薬物動態学的試験または残存量試験に準じて曝露量試験を行います。その結果より、全身循環血流に到達する薬物量(曝露量)が、先発医薬品と同程度または許容される程度であることを確認します。検証的な臨床試験で患者を対象とした全身性の安全性(原則、AUCtおよびCmax)を確認する場合は、この限りではありません。

Column:ぬり薬の物性を評価するには

一般に、外用剤の物理化学的性質として粘度やpHなどの評価が行われますが、これらと感触的な評価を対応させることは難しいと考えられています。外用剤の使用感を評価する方法としては、官能評価試験が一般的です。さらに最近では客観性と再現性が得られる科学機器による検討もなされています。代表的なものとして、スプレッドメーターとレオメーターがあります。これらの機器を用いて、外用剤ののびやべたつきなどを測定し、その結果を使用感の客観的な指標としています。

スプレッドメーター

試料の流動性を簡便に評価するための計器です。2枚の平行な平板の間に試料をはさみ、試料が広がる速度より、試料の展延性(のび)や粘度を調べます。

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スプレッドメーター

レオメーター

製剤の粘性および粘弾性などを測定する計器です。試料を一定時間放置した後、アダプターを試料に進入させます。その後、引き離しを行い、付着性を測定し、試料の粘性(べたつき)を調べます。

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レオメーター

まとめ

2003年以前は、外用剤の後発医薬品における先発医薬品との生物学的同等性は、内服薬と同等の方法で確認されていましたが、その後局所皮膚適用製剤における生物学的同等性試験ガイドラインが導入されたことにより、有効性や安全性の評価がより明確になりました。2022年には事務連絡で半固形製剤における適切な評価方法の選択と試験条件の設定の重要性が示されるとともに、試験方法の選択に対する考え方が整理され、2025年には事務連絡の内容を踏まえたガイドラインの一部改正が行われました。

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