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抗ヘルペスウイルス剤「アメナリーフ®錠200㎎」の米国開発の再開について

マルホ株式会社(本社:大阪府大阪市北区、代表取締役:高木幸一、以下、「マルホ」)は、抗ヘルペスウイルス剤「アメナリーフ®錠200㎎」(一般名:アメナメビル、以下、「本剤」)の米国開発の再開に向けた準備を進めて参ります。

2011年、米国で一時中断をしていた本剤の開発に関して、2019年7月FDA(米国食品医薬品局)とのPre-IND Meeting(開発開始前相談)で、第Ⅲ相臨床試験(2試験)と第Ⅱ相探索試験に関する開発計画がFDAに受理されました。今後、導出を含めた米国での開発に向けた準備を進めて参ります。

本剤は、ウイルスのDNA複製に必須であるヘリカーゼ・プライマーゼ複合体の活性を阻害することで、水痘・帯状疱疹ウイルス(以下、「VZV」)および単純ヘルペスウイルス(以下、「HSV」)に対して高い抗ウイルス活性を有することが確認されています。国内で実施した帯状疱疹患者を対象とした臨床試験の結果、1日1回400mg食後投与での有効性が示されました。また、認められたベネフィットを踏まえると安全性は許容可能と判断されたことから、2017年7月に「帯状疱疹※1」の適応症で製造販売承認を取得し、同年9月7日に国内販売を開始しています。

マルホは、本剤の米国での製造販売承認の取得・上市を目指し、VZVおよびHSVの感染症に悩む患者さんの治療とQOL向上に貢献して参ります。



<参考>
これまでの経緯
本剤は、アステラス製薬株式会社(以下、「アステラス製薬」)によって創製された新規作用機序を有する抗ヘルペスウイルス剤です。米国で単純疱疹※2(再発型性器ヘルペス)患者を対象とした第Ⅱ相臨床試験終了後、2009年、長期間投与となる別効能(再発抑制療法)を想定して健康成人を対象に実施した第I相臨床試験(28日間:安全性試験)において重篤な有害事象として血小板減少1例が報告されました。その結果を踏まえ、2011年、アステラス製薬は本剤の開発を中止しました。
2012年8月にマルホはアステラス製薬と開発・販売に関するライセンス契約を締結し、国内での開発を進めて参りました。本剤は、2017年国内で販売され、約40万人(注)の患者さんに投与されています。その使用実績と集積されている安全性情報をFDAに報告した結果、2019年、第Ⅲ相臨床試験(2試験)、第Ⅱ相探索試験を実施する開発計画が受け入れられました。なお、現時点においてマルホは血小板減少について本剤との因果関係は明らかでないと判断しております。
(注)2019年1月時点

※1(帯状疱疹について)
帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルス(以下、「VZV」)の再活性化によって引き起こされる感染症です。VZV再活性化の誘因として、加齢、免疫低下を起こしやすい基礎疾患、ストレス、過労などが考えられています。知覚神経の分布に沿って片側性、帯状に皮疹を生じ、疼痛を伴うのが特徴です。
(出典:予防時代の診療戦略 帯状疱疹 水痘(Medical Tribune)監修:新村先生、総編集:本田先生)

※2(単純疱疹について)
単純ヘルペスウイルス(以下、「HSV」)の皮膚や粘膜への感染、あるいは神経節に潜伏感染していたHSVの再活性化によって発症する疾患です。ウイルスの感染後、症状の再発を繰り返すことが特徴で、病変部位や臨床症状の違いにより、口唇ヘルペス、顔面ヘルペス、性器ヘルペス、カポジ水痘様発疹症等の病型に分類されます。臨床経過は、まず初期症状としてそう痒感、違和感が認められ、その後、皮膚症状として皮疹が出現します。皮膚症状は、紅斑・丘疹から、水疱、膿疱、びらん・潰瘍を経て、痂皮に至り、最終的には痂皮が脱落して治癒します。初感染では多くは無症候性ですが、症状が顕性化した場合には、皮膚症状に加え、発熱、リンパ節腫脹、疼痛等の全身症状が認められ、重症化することもあります。
(出典:医療情報科学研究所編,病気がみえるVol.6 免疫・膠原病・感染症 第1版,メディックメディア,2009)

マルホ株式会社について
マルホ株式会社は大阪市北区に本社を置く、医療用医薬品等の研究・開発・製造・販売を行う製薬企業です。創業は1915年、従業員数は1512人(2018年9月末)です。 2018年9月期の売上高は785億69百万円でした。 "Excellence in Dermatology"を長期ビジョンとして掲げ、皮膚科学領域における卓越した貢献を目指しています。
マルホ株式会社についての詳細はhttps://www.maruho.co.jp/をご覧ください。

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