「痔」は肛門と肛門周辺の病気の総称で、日本人の3人に1人は痔にかかっているといわれています。しかし、痔であることを自覚していない方や恥ずかしくて痔であることを人にいえない方も相当数いると思われますので、実際はさらに多いと予想される身近な病気といえます。
ここでは痔になったことがある女性300人のアンケート調査から、「どのタイミングで病院に行ったか」、「どのような診察を受けるのか」、「どのような治療を受けるのか」など、周りの人に聞けなかった情報を公開します。痔という病気を正しく知ってもらうとともに、今まで恥ずかしいと思われていた肛門科に対する誤解についても紹介します。
女性の場合、恥ずかしさから肛門科の受診を躊躇される方が多くおられますが、女性の専門医も増えており、女性が受診しやすい環境が整ってきています。痔で悩まれている方には気軽に専門施設を受診していただき、少しでも早く痔から解放されることを願います。
| 受診割合 | 15-19歳 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 受診あり | 23.7% 71人 |
1.4% 1人 |
14.1% 10人 |
32.4% 23人 |
14.1% 10人 |
15.5% 11人 |
11.3% 8人 |
11.3% 8人 |
|
| 受診 なし |
市販薬あり・ 受診なし |
38.3% 115人 |
0.9% 1人 |
13.9% 16人 |
27.0% 31人 |
18.3% 21人 |
18.3% 21人 |
10.4% 12人 |
11.3% 13人 |
| 両方なし | 38.0% 114人 |
2.6% 3人 |
17.5% 20人 |
22.8% 26人 |
21.9% 25人 |
14.9% 17人 |
13.2% 15人 |
7.0% 8人 |
|
| 受診なし計 | 76.3% 229人 |
1.7% 4人 |
15.7% 36人 |
24.6% 57人 |
20.1% 46人 |
16.6% 38人 |
11.8% 27人 |
9.2% 21人 |
|
| 合計 | 100.0% 300人 |
1.7% 5人 |
15.3% 46人 |
26.7% 80人 |
18.7% 56人 |
16.3% 49人 |
11.7% 35人 |
9.7% 29人 |
|
※本調査 標本構成 【3年以内 痔症状経験者の受診・市販薬使用状況及び各々の年代別分布】
日本人の約3割以上が痔に悩まされたことがあるといわれているほど、痔は身近な病気です。主な痔のタイプは、肛門を閉じるクッションの部分が、腫れる「痔核（いぼ痔）」、太い便や硬い便、下痢によって肛門が切れる「裂肛（きれ痔）」、細菌感染によって肛門周囲に膿がたまり、その膿が肛門近くの皮膚に出口を作ってトンネル状になる「痔瘻（あな痔）」の3つで、三大痔疾患ともいわれます。痔は性別や年齢にかかわらず生じる病気ですが、男女ともに痔核が最も多く（半数以上を占めます）、その次に女性では裂肛が、男性では痔瘻が多くみられます。
