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<8コマ漫画付き>巻き爪診療ケーススタディ~円滑に行うためのメソッド~:Case3


Case3 巻き爪矯正治療における看護師とのリレーション

巻き爪矯正治療における看護師とのリレーション

<お話を聞いた人>
ことぶき皮ふ科クリニック 院長 壽順久先生

大阪大学を中心に約20年、皮膚科医として研鑽を積む。その間、都立墨東病院への国内留学を経て、2年間アメリカ国立衛生研究所(NIH)へ。帰国後は大阪大学に戻り、病棟医長・診療局長を歴任し、後進の育成にあたる。2022年より、「ことぶき皮ふ科クリニック」を開院。「皮膚で起こるトラブルは皮膚科医の力で治す」との信念のもと、患者さん一人ひとりに寄り添った治療を心がけている。

(解説) 高齢の方で足や爪にトラブルを抱えているケースは非常に多く、この超高齢社会において、診療の中で足を診る機会が今後増えてくることが予想されます。しかし、巻き爪の矯正治療は、矯正具の特徴や注意点、費用、スケジュールについての説明、さらには器具の装着と、患者さん1人あたりに時間を要することになりますので、これを多忙な外来の中に取り入れることに抵抗を感じる先生方も多いのではないのでしょうか。当院では、診察効率を向上させるため、看護師との連携を積極的に進めております。

看護師は巻き爪診療の“キーパーソン”

  • 患者さんも医師の前では緊張して質問できなかったことが看護師には話せるというケースが多いため、巻き爪の診察時には看護師には必ず同席してもらうようにしています。私が巻き爪治療の概要を説明したのち、その場で患者さんから矯正治療の同意を得られた場合は別室に移動し、看護師が矯正具の装着を行います。その際、私が診察中に説明しきれていないことを看護師がきめ細かくフォローしてくれるため、ダブルチェックにも繋がり、診療の質も高めます。

スタッフ教育で技術と知識の向上を目指す

  • 私は、当院に在籍する看護師を医師(自分)の分身のような存在であるべきと考えており、そしてそれを実現するためには「スタッフ教育」が必須です。当院では、診察時の同席に加え、疾患知識の授業を行ったり、矯正具の装着練習を定期的に行ったりしており、看護師全員が医師と同等の知識と技術を身につけるべく、成長し続ける体制づくりを心掛けております。今では、爪に関しては患者さんからの質問にもすべて答えられるようになり、全員が機能するようになっています。とはいえ、看護師が安心して施術に挑むためにも、まずは医師の適切な指示が重要です。患者さんの爪の状態をしっかりと診察し、爪割れのリスクがある場合には注意点を看護師に伝えるようにしています。

「巻き爪マイスター」「リネイルゲル」は、資格不要で看護師による施術が可能

  • 矯正具によっては、医師の処置が必要であったり独自の資格が必要であったりするものもありますが、巻き爪マイスターとリネイルゲルは資格不要で、医師の指示のもとであれば看護師による装着・投薬が可能なため、診療効率向上において大きなメリットであると考えています。大がかりな機器の導入は不要で、使用方法も練習を重ねれば本番でも十分に対応できると考えております。

(最後に) 爪のケア・治療は時間を要しますので、経営的なメリットを確保することは難題です。しかしながら、私は皮膚に起こるすべてのトラブルは“皮膚科医の使命”として解決を目指すべきであり、そのような患者さんに寄り添う姿勢が信頼関係の構築につながり、結果的に他の疾患でも頼ってもらえるようになっている、と考えています。看護師との連携は、診察効率を向上させ、さらに、患者さんの満足度や診療のクオリティ向上にも直結すると考えております。

2025年4月取材

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