酒さ患者さんの肌は外からの刺激に敏感で、ヒリヒリ感やかゆみを感じやすい状態です。肌に刺激の少ないスキンケア製品を選んで、強くこすらない、優しいスキンケアを心がけましょう。
監修：山﨑 研志 先生
｜ 東北大学医学部 非常勤講師
｜ 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン策定委員
酒さ患者さんの肌は外からの刺激に非常に敏感です。スキンケア製品は、刺激感が少なくご自身の肌に合ったものを選びましょう。皮膚のかゆみや赤みが増した、べたつきや乾燥がコントロールできていない、という場合は使用しているスキンケア製品が合っていない可能性があります。
特定のスキンケア製品が症状を悪化させる場合もあるので、使っている製品を見直すこともポイントです。
「敏感肌用」「低刺激」などと書かれているスキンケア製品は選択の参考にすると良いでしょう。
はじめて使う製品は、顔に使う前に、首など顔の近くの皮膚で試して刺激の有無を確認しましょう。
敏感肌の方で使用テストを行って安全性を確認したスキンケア製品から、刺激となるアルコール類を抜いただけのスキンケア製品まで、メーカー各社によって「敏感肌用」「低刺激」などの記載規準が異なります。ご自身の肌に刺激や違和感のないスキンケア製品を探しましょう。
顔を洗うことで、花粉や空気中のホコリ、メイクの残りなど肌の刺激となるものを取り除くことにつながります。
刺激の少ない洗顔料を使い、刺激を与える可能性があるスクラブなど研磨剤入りの洗顔料や洗顔ブラシの使用はさけてください。
熱いお湯や冷たい水の使用は顔の皮膚温の変化から赤みや炎症を引き起こす可能性があるので、30℃前後のぬるま湯で優しく流しましょう。
洗顔後は、タオルを押し当てるようにして、水分を優しくふき取りましょう。
皮膚が乾燥すると症状が悪化しやすくなりますので、適度な保湿をしましょう。とくに洗顔後は皮脂が少なくなって肌が乾燥しやすい傾向があります。
酒さ患者さんの肌は、皮膚の水分量やセラミドなどの保湿成分は少ない傾向にありますが、皮脂腺からの皮脂分泌は多い人もいれば少ない人もいます。脂性肌や乾燥肌など、肌タイプに合った刺激の少ない保湿剤を選んでください。
保水成分（ヒューメクタント）を主体とする保湿剤を使いましょう。
保水成分に加えて適度な油性成分（エモリエント）が入っている保湿剤を選択すると良いでしょう。ただし、酒さの皮膚炎症は毛穴の周りの炎症から始まりますので、過剰な油性成分は毛穴を詰めてしまい皮膚の炎症を悪化させることがありますので、注意が必要です。
| 肌タイプ | 皮脂が多い（脂性肌） | 皮脂が少ない（乾燥肌） |
|---|---|---|
| 特徴 |
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| 適した保湿剤 | 保水成分*が主体 | 保水成分*＋油性成分**が主体 |
メイクをする前に、肌に合ったスキンケア製品で洗顔と保湿をしてください。メイク製品もご自身の肌に合った刺激の少ないものを選び、シンプルなメイクを楽しみましょう。
肌を優しく扱い、指やメイク用スポンジでこすったり引っ張ったりしないようにしましょう。スポンジやブラシを清潔に保つことも大切です。
肌に塗る成分や回数が多いほど、毛穴を詰めたり摩擦で刺激を与えたりしてしまい、症状を悪化させる可能性が高くなります。添加物が少ない製品や、日焼け止め効果もある下地などを使い使用品目を少なくして塗布回数を減らすことで、肌への負担を減らせます。
酒さは目に症状が出る場合もあるので、アイメイクにも注意が必要です。マスカラやアイライナーは、まぶたの皮膚に力を加えず簡単に塗ったり落としたりできるものを選びましょう。
赤みが気になる場合は、緑や黄色など赤みを落ち着かせる色付きのカバーメイクを活用しましょう。症状が出にくい眉やリップなど、部分的なメイクを楽しむのもおすすめです。
男性のひげそりは、そる方向やカミソリ、電気シェーバーの状態に注意し、刺激を感じるシェービングクリームやローションの使用はさけましょう。
ひげそりの際は、ひげの生えている方向に沿って顔の上から下方向にそる「順ぞり」にすることで、肌への負担を軽減できます。
カミソリは、切れ味がよく清潔な刃を使いましょう。切れ味が落ちた刃や錆びたカミソリの刃は使わないで交換しましょう。
電気シェーバーを使う方は、電気シェーバーをこまめに洗浄して清潔に保ちましょう。電気シェーバーの中にひげや皮脂が溜まると、雑菌や真菌が増えて、肌に負担や炎症を起こす原因になります。
爽快感のあるメントールや角質除去剤が入ったシェービングクリームやローションは刺激になりやすいのでさけてください。ひげそり後に肌の乾燥を感じる場合は、保湿剤を使用しましょう。
男性用のスキンケア製品でも「敏感肌用」「低刺激」などと書かれているスキンケア製品を参考にしながら、ご自身の肌に合ったものを選びましょう。
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