巻き爪や陥入爪による痛みの対処法は? クリニックや病院で行う治療・自分でできる応急処置

治したい2021.08.04

巻き爪や陥入爪による痛みの対処法は? クリニックや病院で行う治療・自分でできる応急処置

巻き爪や陥入爪による痛みをそのままにしておくと、足の指をかばうようになるので歩きにくくなり、爪ばかりではなく足全体、体全体にまで影響を及ぼしてしまう可能性があります。

そうならないためには早めの対処が大切です。痛みや腫れなどの症状がある場合には、皮膚科クリニックなどの医療機関を受診しましょう。

監修:ひかり在宅クリニック 皮膚科 今井亜希子 先生

 

足にトラブル・痛みのある方は早めに受診を

足のトラブルの影響は、足だけの問題にとどまりません。

足の痛みが原因で、転びやすくなったり、歩き方が変化して膝や腰の痛みが悪化したりする可能性があります。したがって高齢の方では閉じこもり・寝たきりに至ることも考えられます。また、これとは反対に、足のトラブルをきっかけに糖尿病などの全身性の病気が見つかることもあります。このように、足の爪のトラブルや痛みは医療機関での対応が必要になるケースが多いため、早めに受診することが大切なのです。

巻き爪・陥入爪の可能性があるとき どの科に行けばいい?

爪は皮膚の一部です。巻き爪または陥入爪の可能性がある場合には、まずは皮膚科を受診するのがよいでしょう。爪の病気の診断、周りの痛みや炎症に対する治療のほか、最近では多くの病院やクリニックで巻き爪を矯正する処置を受けることができるようになっています。

また、足の爪のトラブルは、足全体の問題や全身の病気と関係している場合があります。このため、たとえば関節の変形のために整形外科、糖尿病のために内科など、ほかの科への受診を必要とするケースもあります。そのような場合にも、まずは皮膚科を受診して担当医師に相談することをおすすめします。

陥入爪の治療…保存的治療と外科的治療がある

爪が周りの皮膚に食い込んで炎症を起こした状態である陥入爪(かんにゅうそう)に対する治療には、「保存的な治療」と「外科的な治療」があります。

保存的な治療とは、手術を行わずに爪を残したまま治療する方法です。爪が周りの皮膚に食い込むのを防ぐ処置を行って、痛みと炎症を和らげます。テーピング法、コットンやチューブを爪と皮膚の間に挟み込む方法、人工爪(樹脂)を用いた方法などさまざまな方法があります。細菌感染を伴う場合や炎症が強い場合には内服薬や外用薬を使用します。また、巻き爪も伴っている場合には、爪の形を矯正する治療を組み合わせる場合もあります。

外科的な治療とは、部分麻酔を行ったうえで、爪の一部分を手術によって切除する方法です。爪甲側縁楔状切除術やフェノール法・NaOH法などの術式があります。陥入爪に対する手術には保険が適用されます。

巻き爪の治療…保存的治療が優先される

爪の両端が内側に巻き込んだ変形である巻き爪に対する治療は、器具を用いた矯正治療が中心です。巻き爪の矯正に使われる器具には、形状記憶合金のワイヤーやクリップ、樹脂製のプレートなど様々なものがあります。市販されているグッズもありますが、治療は正確な診断のもと行うべきであり、できるだけ医療機関を受診して医師に相談することが望ましいでしょう。

矯正治療は、いずれも保険が適用されない自費診療のため、医療機関によって治療方法や料金が異なります。あらかじめホームページなどで確認したうえで、受診するのがよいでしょう。

また巻き爪になる背景には、間違った爪の切り方や窮屈な靴、あるいは運動不足など、生活習慣に問題があることが多く、そのような場合には巻き爪を矯正しても再発しやすいといわれます。矯正治療を行って痛みを和らげつつ、同時に生活習慣の問題を改善していくことが理想的です。

なお、巻き爪に対する手術は一般的ではなく、ほとんど行われていません。

テープや脱脂綿を使った応急処置も

巻き爪や陥入爪によって爪のまわりに痛みや炎症が起きているときに、自分で応急処置として行うケアの方法をご紹介します。

テーピング法:
伸縮性のある布テープを使って爪のまわりの皮膚を引っ張り、爪と皮膚の間にすき間を作る方法です。

コットンパッキング法:
脱脂綿や不織布などの小片を爪の先端・側面と皮膚との間に挟み込む方法です。

どちらも比較的安全な処置ですが、炎症や痛みが強くなるようであれば無理に行わず、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

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