疥癬対策マニュアル
- 監修:
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- 九段坂病院 皮膚科 顧問 大滝 倫子 先生
- 国立療養所多磨全生園 園長 石井 則久 先生








●散在する紅斑性小丘疹(腹部、胸部、腋窩、大腿内側に好発)
●小豆大、赤褐色の結節(主に男性の外陰部に好発)
●疥癬トンネル(手関節、手掌、指間、指側面などに好発)
●非常に強いかゆみ



●内服薬
- イベルメクチン
●外用薬
- フェノトリン、イオウ剤、クロタミトン*1、安息香酸ベンジル*2
*1:保険適用外(ただし、保医発第0921001号により適用外使用が審査上認められている)
*2:国内未承認



●外用薬は正常の皮膚を含め隙間なく塗布する(通常疥癬では首から下、角化型疥癬及び乳幼児では全身に)
●ヒゼンダニの検出や疥癬トンネルの新生を治療継続の判断基準とし、皮膚症状を判断基準にしない
●皮疹、かゆみがあるからといって殺ダニ効果のある薬剤での治療を継続しない
●かゆみに対しては適宜、抗ヒスタミン薬/抗アレルギー薬を使用する
●ヒゼンダニが検出される間は、ステロイド薬などの免疫抑制薬を使用しない
●ヒゼンダニが検出されなくなれば、皮疹に対しステロイド薬を使用しても良い



●1~2週間隔で2回連続してヒゼンダニを検出できず、疥癬トンネルの新生がない場合に治癒と判定
ただし、再燃することがあるため、数ヵ月間はフォローアップが必要(特に高齢者)



●本当に疥癬であるか確認する/かゆみや皮疹、結節だけが残り、治療を継続していないか確認する(ヒゼンダニの検出に努める)
●治療期間や間隔は適切であるか確認する(ヒゼンダニのライフサイクル、虫卵の時期に薬剤を投与していないかなど)
●ピンポン感染を起こしていないか確認する(患者-家族、患者-職員、患者-患者など)
●爪疥癬に適切な対応をしているか確認する(爪にヒゼンダニがいないか、外用薬を爪に使用しているか、爪白癬と鑑別できているかなど)




●予防着、手袋の着用
●原則、個室管理を行う
●衣類、シーツなどは加熱処理を行う
●殺虫剤を使用する
●落屑を見逃さない
●粘着テープなどで落屑を回収後、電気掃除機を丁寧にかける
など