大仁田先生のひきだし:Q1 BPO製剤の刺激対策
-
記事/インライン画像
-
記事/インライン画像
まずは、患者さんに“洗い方”を工夫してもらうこと。スキンケア指導も刺激対策には欠かせません。当院では、刺激対策として薬剤の塗り方だけではなく、洗い方を含む一連のスキンケアを指導します。特に「洗顔・洗髪方法」が、肌の状態や刺激発現に影響があることを日々の診療で実感しています。そのため、ざ瘡患者さんには必ず問診票で洗顔・洗髪方法の詳細を確認します。洗顔時にゴシゴシこする、熱いシャワーで顔の泡を流す、洗髪時に洗浄力の強いシャンプーが顔につくような流し方をするなど、乾燥をひきおこす習慣をチェックします。BPO製剤は、保湿製品を併用し部分塗りから徐々に範囲と量を増やす方法で使用します。初診時に「お肌にやさしい洗顔・洗髪方法」を指導することで問題なく導入できる場合が多いです。
乾燥をひきおこす洗顔・洗髪方法と当院の指導内容






BPO製剤処方時の患者指導の流れ

当院オリジナルの問診票(ざ瘡患者さん用)

当院オリジナルの洗顔方法の指導箋

正しい洗顔をするためのポイント
- 1.予洗い
まずお顔を2~3回お水をかけてぬらします。
- 2.洗顔料
お肌に潤いを残しやすい弱酸性をおすすめいたします。
皮脂がしっかり出る方は石けん系洗顔料でもかまいません。
お顔の汚れ度合によって使用量を変えましょう。
*ダブル洗顔はお肌に負担をかけますのでおすすめいたしません! - 3.お水の温度
朝夕の洗顔ともに、温かいか冷たいかわからない程度(夏場の水道水ぐらいの温度)にしましょう。
記事/インライン画像 - 4.泡立て方
最初に手を洗います(手に油分があると泡立ちにくくなります)。
洗顔料を泡立てるのに、泡立てネットがあると便利です。
泡立てが不十分だと汚れが落ちませんし、お肌をこすってしまう原因にもなります。記事/インライン画像 - 5.洗い方
基本は極力摩擦しないことです。
泡のクッションで手とお顔が直接あたらないように、泡をゆっくり押したり離したりを繰り返す押し洗いにしましょう。
*お肌の上を手でクルクル・ゴシゴシは禁物!特にお鼻やそのまわりをクルクル・ゴシゴシ擦っては、毛穴の開きにつながります。記事/インライン画像 - 6.すすぎ
状況に応じて20回ぐらいまでにしましょう。
手をお顔の上で滑らせてすすがないようにしましょう。
*バシャバシャ何度もすすぐのは、乾燥の原因になります。記事/インライン画像