ざ瘡(尋常性ざ瘡)【ニキビ】
ニキビ
ニキビがあるときは何を使ったらよいですか?
ニキビができにくいことを確認した、ノンコメドジェニックテスト済みの製品を選ぶとよいでしょう。ノンコメドジェニックテスト済みの製品にもいろいろあるので、サンプルなどで試してみて、ご自身の肌に合うものを選んでください。
乾燥を伴うニキビ肌の方には、ノンコメドジェニックテスト済みに加え、低刺激で高保湿なものをお勧めしています。
角田 美英 先生(かくた皮膚科クリニック 院長)
ニキビ
ニキビ痕が気になります。どうしたらいいですか?
炎症後の色素沈着には、ビタミンCの内服や、ビタミンCローションなどの抗酸化化粧品をお勧めすることがあります。
ただし、炎症がひどくクレーターのように凸凹してしまったニキビ痕には、内服や外用だけで治すことは難しいので、自費診療での治療の選択肢を紹介することもあります。
ニキビ痕の治療は特別な治療となるため、時間もお金もかかってしまいますし、100%満足できる結果は期待できません。痕を残さないためにも、面ぽう(コメド)の段階で皮膚科を受診し、早めに治療を始めることをお勧めします。
角田 美英 先生(かくた皮膚科クリニック 院長)
ニキビ
チョコレートを食べるとニキビができやすくなる、というのは本当ですか?
特定の食べ物でニキビが悪化する、という根拠は無いのですが、そういう自覚のある方の場合は控えてみるのもよいでしょう。
ただ、チョコレートが好きだけど完全に我慢するのは難しいですよね。その場合は、1個2個でも、自分へのご褒美として少し高価だと思うものを用意すると、満足感が得られますので、我慢しすぎないように上手に食べることが大切です
角田 美英 先生(かくた皮膚科クリニック 院長)
ニキビ
マスクでニキビが増えた気がします。何か対処法はありますか?
マスクによる肌への摩擦で角質が厚くなったり、熱がこもることで皮脂の分泌が増えるなどして、ニキビができやすくなるようです。
摩擦を減らしたり、細菌の繁殖や毛穴の詰まりを防いだりするために、なるべく肌当たりの軟らかいもの、通気性の良いものを選びましょう。
スキンケアは、ノンコメドジェニックテスト済みの製品で十分に保湿をしましょう。しっかりと保湿をすることで肌のバリア機能が高まり、摩擦による悪影響を減らすことが期待できます。また、1日中マスクを着用していると、蒸れて細菌が繁殖しやすくなりますから、1日2回を目安に、こすらないことを注意し、洗顔しましょう。
角田 美英 先生(かくた皮膚科クリニック 院長)
ニキビ
ニキビにはどのような症状がありますか?
白ニキビ:皮脂が毛穴につまった状態。皮膚の内側では、毛包(もうほう)が広がるとともに、アクネ菌が増え始めます。
黒ニキビ:白ニキビの毛穴が開き、メラニン色素や酸化された皮脂などによって黒く見える状態。
赤ニキビは、白ニキビが悪化し、炎症が起きた状態。毛包(もうほう)では、増殖したアクネ菌が盛んに活動しています。炎症を引き起こすさまざまな物質が、このときにつくられてしまいます。
黄ニキビは、赤ニキビがさらに悪化した状態。てっぺんに黄色い膿(うみ)が見えるため、黄ニキビといわれたりします。皮膚の内側では、アクネ菌が作った酵素のリパーゼが、薄くなった毛包(もうほう)の壁を壊し、炎症を起こす物質が一気に毛包の外へ… ニキビの炎症がまわりに広がってしまいます。さらに、重症化すると、ニキビ痕(あと)ができてしまうおそれがあります。
炎症の状態や程度によって、毛穴のまわりの組織も壊されてしまい、元に戻らずにニキビ痕(あと)として残ることがあります。ニキビ痕になってしまうと治すことが難しくなってしまいます。
「コメド(面皰)」の段階で皮膚科を受診し、ニキビ痕が残らないように治療を始めるとよいでしょう。
角田 美英 先生(かくた皮膚科クリニック 院長)
ニキビ
化粧水や乳液は必要ですか?また、背中のケアはどうしたらよいですか?
まず化粧水で水分を与えてから、乳液でフタをするという順序が大切です。油を気にして乳液を使用しない方もいらっしゃいますが、化粧水だけではせっかく補った水分が蒸発してしまいます。肌に水分をしっかりととどめておくためにも、乳液を使いましょう。
化粧水は手のひらにたっぷり取って、顔を包み込むようにしてつけます。少ない量を伸ばすようにすると肌をこすることになり、ニキビによくないです。化粧水をつけても乾燥する部分には、乳液を重ねるようにしましょう。
体も乾燥していれば保湿が必要です。背中の保湿はローションタイプ(液剤)をスプレーボトルに入れると便利です。また、手の届かない部分にお薬などを塗る場合は、家族に協力を頼んでみるのもいいでしょう。一人暮らしの場合は、手の届く範囲で構わないので、なるべく続けられるといいですね。背中に軟膏を塗るようなグッズも販売されているようなので、そのような物を利用してもいいかもしれません。
角田 美英 先生(かくた皮膚科クリニック 院長)
ニキビ
ニキビができているときに積極的に摂った方が良い食べ物はありますか?
特定の食品がニキビを改善または悪化させるという根拠はありませんが、1日3食の規則正しい食生活を心がけ、油脂分を控えめにしたバランスの良い食事をお勧めしています。ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンCは、ニキビや吹き出もの対策に必要な栄養素ですので、意識して食事にとりいれるといいかもしれません。
角田 美英 先生(かくた皮膚科クリニック 院長)
ニキビ
寝不足やストレスでニキビができる気がしますが、関係ありますか?
関係があります。原因のひとつであるストレスは、皮脂の分泌をうながしてニキビを悪化させるだけでなく、ニキビを触る・いじるなどの行動を無意識のうちに習慣化させてしまうため、ニキビに悪影響を与えます。難しいかもしれませんが、ストレスをためこまずに上手に発散するようにしましょう。
また、食生活の乱れや便秘、喫煙、ストレスや睡眠障害でホルモンバランスが崩れることなども関係してきます。睡眠は、できれば12時前までに寝て、6時間は取ることをお勧めしています。
角田 美英 先生(かくた皮膚科クリニック 院長)
ニキビ
オイルクレンジングは使ってはいけませんか?
オイルクレンジングを悪化因子とする根拠はなく、むしろ安全に使用できるメイク落としの一つの候補となると言われています。
ただし、このときもノンコメドジェニックテスト済みで、かつ洗い残しが無いようにしましょう。
角田 美英 先生(かくた皮膚科クリニック 院長)
ニキビ
どうしてニキビができるのですか?
毛穴に皮脂がつまることによってニキビは引き起こされます。
毛穴のつまりは、皮脂の過剰分泌、寝不足・過労などの不摂生やストレス、思春期独特のホルモンバランスの崩れや生理不順によるホルモンバランスの乱れなどから、角質層が厚くなり、出口である毛穴をふさいでしまうことが原因となっています。
ニキビは毛穴の出口がつまることで、毛穴の外に皮脂が出られずにたまってしまうことから始まります。この状態を「コメド(面ぽう)」(白ニキビや黒ニキビ)と呼びます。
コメド(面ぽう)の内側は、皮膚の常在菌であるアクネ菌の発育に適した環境になっているので、コメド(面ぽう)の中で菌はどんどん増えていきます。毛穴の中で過剰に増殖したアクネ菌は炎症を起こす物質をつくり、赤くぽつぽつした赤ニキビや、膿のたまった黄ニキビといったニキビに進行していきます。
角田 美英 先生(かくた皮膚科クリニック 院長)
ニキビ
ニキビができているときでも、日焼け止めは必要ですか。
ニキビがあってもなくても、紫外線対策は絶対に必要です。ですが「ニキビに日焼け止めを塗るのは、あまりよくなさそうで不安」と思う方もいることでしょう。 無防備な状態で紫外線を浴びることにより皮脂の分泌が促進され、ニキビができやすくなったり、さらにニキビを悪化させてしまう可能性があるといわれています。
また紫外線はバリア機能を低下させ肌の水分を蒸発させるため、肌の乾燥を引き起こします。日焼け止めは乾燥しないタイプのもので、ノンコメドジェニックテスト済みのものを選ぶとよいでしょう。
こするように塗ると、ニキビ肌にも敏感肌にも刺激になるので、やさしく適量を塗りましょう。「少し多いかな?」と思うくらいの量が適量です。
角田 美英 先生(かくた皮膚科クリニック 院長)
ニキビ
ニキビができているときは、どのように洗顔をすればいいですか?
また、背中はどうしたらよいですか?
洗顔は、思春期ニキビでも大人ニキビでも、低刺激なノンコメドジェニックテスト済みの洗顔料を使い、手のひらにこんもり泡が乗るくらいに十分に泡立てることがポイントです。十分に泡立てることで洗浄効果を高め、強くこすることを避けられます。
洗顔時には、摩擦軽減のため、指先ではなく手のひらで洗うようにしましょう。このとき、くれぐれもこすってニキビをつぶさないように気を付けてくださいね。ニキビをつぶすと痕に残ってしまう可能性があります。
すすぎには十分な量のぬるま湯で洗い流し、特にフェイスラインのすすぎ残しがないように注意しましょう。
背中については、入浴時、以下の点について意識してみるのもいいでしょう。
角田 美英 先生(かくた皮膚科クリニック 院長)
ニキビ
ニキビがあってもメイクができますか?
ニキビがあってもメイク禁止というわけではありません。ノンコメドジェニックテスト済みで低刺激な製品を選んで使うようにしましょう。
ベースメイクはこすらないようにつけましょう。化粧下地効果と日焼け止め効果があるファンデーションを選ぶと、何度もアイテムを重ねなくていいのでお勧めです。
目元や、唇にはニキビはできません。アイメイクやリップメイクにポイントをおいたメイクアップで、ニキビが目立ちにくくなります。
角田 美英 先生(かくた皮膚科クリニック 院長)
ニキビ
ニキビは自分でつぶしてもいいですか?
ニキビをご自分でつぶすことはお勧めできません。無理やり角栓や膿を出すことにより毛穴の壁を壊してしまうだけでなく、ニキビ周りの正常な皮膚まで傷をつけ、更なる炎症を引き起こしてしまうリスクがあります。
破壊された皮膚の細胞は治るときにニキビ痕となり治療がより困難になってしまいますし、結果的に治療期間が長くなることがあります。このため、絶対にご自身でニキビをつぶすことはNGです。
ニキビをつぶしてしまうことでニキビ痕ができて治療を長引かせるのではなく、ニキビはつぶさず皮膚科で治療をすることで、早くきれいに治していきましょう。
角田 美英 先生(かくた皮膚科クリニック 院長)
ニキビ
ニキビはどこにできますか?
ニキビができやすい部位は、脂の出る皮脂腺が発達している部位です。顔、前胸部、上背部はニキビができやすい部位といわれています。
顔について、主に中学生や高校生などの18歳以下に生じる「思春期ニキビ」と、18歳以上に生じる「大人ニキビ」では、それぞれ発生する原因やニキビができやすい場所が異なっています。
思春期ニキビは、額から鼻にかけてのTゾーン、こめかみ、頬骨のあたりなど、皮脂腺の多い部分にできやすいのが特徴です。特にTゾーンの毛穴の数は、顔の他の部分に比べて約7倍もあり、皮脂分泌が活発なことからニキビができやすくなります。
大人ニキビは、Uゾーンと呼ばれる、顎や口周りなど、乾燥しやすいフェイスラインにできやすいのが特徴です。大人ニキビの原因は皮脂の過剰分泌だけではないため、皮脂腺の少ない部分にも発生します。
角田 美英 先生(かくた皮膚科クリニック 院長)