ミチーガの主要な副作用：類天疱瘡

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製造販売後において、ミチーガとの因果関係が否定できない重篤な類天疱瘡が複数報告されていることから、医薬品リスク管理計画書（RMP）において重要な特定されたリスクとして設定し¹⁾、電子添文において重大な副作用として^2,3)注意喚起を行っています。
ミチーガ投与後に類天疱瘡があらわれることがありますので、水疱、びらん等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行ってください^2,3,4)。類天疱瘡に対する処置については、最新の類天疱瘡に関するガイドライン⁵⁾を参考にしてください。

RMP設定理由

国内臨床試験において類天疱瘡は認められませんでしたが、製造販売後において、因果関係が否定できない重篤な類天疱瘡が複数報告されていることから、重要な特定されたリスクとしました¹⁾。

発現状況

電子添文に記載の発現頻度

60mgシリンジ 30mgバイアル
類天疱瘡（頻度不明）^2,3)

国内臨床試験での発現状況

60mgシリンジ 30mgバイアル
国内臨床試験において類天疱瘡は認められませんでした¹⁾。

市販後の発現状況

市販後において類天疱瘡が発現した症例が報告されています。ミチーガとの因果関係が否定できない症例が集積されていることから、2025年5月に電子添文の重大な副作用の項に類天疱瘡を追記しました。電子添文改訂時の副作用報告症例数は24例（うち、重篤17例）でした⁶⁾。電子添文改訂の詳細については、「電子添文改訂のお知らせ」をご参照ください。
「市販後副作用件数のご報告」にて、RMPの安全性検討事項に設定しているリスクごとの市販後の副作用発現状況を定期的に取りまとめておりますので、ご参照ください。
また、最新の副作用収集状況は、マルホ副作用データベースをご参照ください。

マルホ副作用データベース（医師限定）

ミチーガ投与に際しての留意点

特に、類天疱瘡のリスク因子（高齢者、悪性腫瘍の合併、DPP-4阻害薬などの併用薬）を有する患者の投与初期は、水疱やびらん等の発現に注意してください⁶⁾。

（解説）
報告例の多くは、類天疱瘡のリスク因子（高齢者、悪性腫瘍の合併、DPP-4阻害薬などの併用薬）を持つ患者での発現でした。また、報告例の多くは比較的投与初期（初回投与後もしくは2回目投与後）に発現しています⁴⁾。

電子添文改訂時の報告症例（24例）のリスク因子（表1）及び発現時期（表2）をお示しします。

表1　副作用症例24例でのリスク因子の状況

適応症	報告例数	類天疱瘡発症のリスク因子
適応症	報告例数	高齢者（60歳以上）	悪性腫瘍*の合併	DPP-4阻害薬などの併用薬
アトピー性皮膚炎に伴うそう痒	16例	13例	2例	5例
結節性痒疹	8例	7例	0例	2例

＊内訳：乳癌、肺腺癌

表2　副作用症例24例での発現時期の状況

適応症	報告例数	類天疱瘡の発現時期
適応症	報告例数	初回投与後	2回目投与後	3回目投与後	4回目投与後	発現時期不明
アトピー性皮膚炎に伴うそう痒	16例	9例	4例	0例	1例	2例
結節性痒疹	8例	4例	2例	0例	1例	1例

ミチーガの投与にあたっては、各種ガイドラインを参考に、類天疱瘡を含む他疾患の可能性に注意した上で、アトピー性皮膚炎もしくは結節性痒疹患者に投与してください⁴⁾。

（解説）
報告例には、ミチーガ開始前から類天疱瘡の可能性が疑われていた症例や、ミチーガ開始前から潜在していた類天疱瘡がミチーガ投与後に顕在化した可能性があると報告された症例も含まれています⁶⁾。また、類天疱瘡はそう痒を伴う疾患であり⁵⁾、初期症状がアトピー性皮膚炎や、結節性痒疹のような症状として現れることがありますので⁷⁾、ミチーガ投与にあたっては、類天疱瘡を含む他疾患との鑑別を十分に行った上で、投与してください。