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脂漏性皮膚炎の疫学・病態


脂漏性皮膚炎の疫学・病態

脂漏性皮膚炎の疫学1,2)

脂漏性皮膚炎は、乳児期と思春期以降の成人に好発します。
発症頻度は人口の3~5%といわれており、男女比は2:1と男性で多い傾向にあります。人種差はありません。
HIV感染者はマラセチアの異常増殖により脂漏性皮膚炎を発症しやすいといわれています。

脂漏性皮膚炎の病態1,3)

頭部や顔面、腋窩など皮脂の分泌量が多い部位(脂漏部位)や間擦部に、鱗屑と紅色局面を主体とする湿疹性病変がみられます。軽微なそう痒を伴うこともあります。

脂漏性皮膚炎の経過は、乳児型と成人型でやや異なります。
乳児型では、生後2~4週頃から被髪頭部や眉毛部、前額に黄色調の痂皮が固着し、ときには落屑性紅色局面がみられます。多くは生後8~12ヵ月で自然に軽快します。
成人型は慢性かつ再発性であり、頭部の粃糠(ひこう)様落屑が増加し(ふけ症と自覚されることが多い)、脂漏部位の鱗屑を伴った紅色局面が形成されます。頭部全体に蠣殻状の硬い痂皮が生じる場合もあります。

脂漏性皮膚炎
記事/インライン画像
脂漏性皮膚炎

3) 山崎雄一郎 監修, 木村琢磨ほか 編集:全ての診療科で役立つ皮膚診療のコツ. 羊土社, p128, 2010 より転載

脂漏性皮膚炎の病因1)

脂漏性皮膚炎の病因は、皮脂中のトリグリセリドが皮膚常在菌によって分解されて生じた遊離脂肪酸が皮膚を刺激することが主体であると考えられています。
症状の悪化因子として、Malassezia restricta などの Malassezia 属酵母菌が注目されています。
その他には環境などによる皮脂の成分・分泌の変化、発汗、ビタミン代謝(ビタミンB2、B6など)も要因になりえます。

  1. 清水宏:あたらしい皮膚科学 第3版. 中山書店, p124, 2018
  2. 落合慈之 監修, 五十嵐敦之 編集:新版 皮膚科疾患ビジュアルブック. 学研メディカル秀潤社, p37, 2012

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