150kbpのゲノム全長を持ち、80種類以上の遺伝子をコードしている。
監修:白木公康 先生、富山大学大学院医学薬学研究部 ウイルス学教授
ヘルペスウイルスはDNAウイルスであり、DNAの長さは150kbp(15万塩基対)、全長は180nmです。ヘルペスウイルスは、コア、カプシド、テグメント、エンベロープ、スパイク等から構成されます。
監修:本田まりこ先生(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター皮膚科)
ヒトヘルペスウイルスは、現在までに9種類が見つかっています。ファムビル錠が適応となるのは、単純疱疹の原因となるHSV-1、HSV-2、そして帯状疱疹の原因となるVZVです。
VZVの初感染は、多くの人が小児期に罹患する水痘として発症します。感染したVZVは水痘治癒後も神経節にDNAの形で潜伏感染し、加齢やストレス、疲労などで免疫力が低下したときに、潜伏したウイルスの再活性化が起こり、帯状疱疹として回帰発症します。
帯状疱疹における皮疹と痛みの推移
本邦における帯状疱疹の大規模疫学調査では1年間に1,000人あたり4.33人が帯状疱疹を発症していると報告されています。
出典:本邦における帯状疱疹の大規模疫学調査
外山望 : 宮崎医会誌 2011 ; 35 : 7-17.より一部改変
臨床試験において、痛みの評価をする際の指標として用いられます。前駆症状の痛み、急性期の痛み、慢性期の痛み(PHN)を連続してとらえた痛みの概念です。
出典:Dowkin RH; Herpes, 13(sup.1),21A(2006)
PHNは帯状疱疹発症からの経過時間で定義することが困難であるため、帯状疱疹の臨床試験や疼痛の評価においては、ZAPという急性期から慢性期までの痛みを連続的にとらえた概念として考えることがあります。
監修:川島眞先生(東京女子医科大学皮膚科)