水虫(白癬)の情報サイト
監修/帝京大学
名誉教授 渡辺 晋一 先生
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皮膚科医師に「外用薬(がいようやく)は水虫(みずむし)が治っても、毎日1回、最低1ヵ月以上は塗り続けるように」といわれました。なぜ長い間、塗り続けるのですか?
趾間型水虫(しかんがたみずむし)、小水疱型水虫(しょうすいほうがたみずむし)の場合、外用薬で2週間程度治療すれば水虫の症状は治りますが、症状が治ったようにみえても、白癬菌(はくせんきん)が皮膚の角質層に残っていることがあります。菌が残っていると水虫を繰り返してしまいます。白癬菌が完全にいなくなる目安が“最低1ヵ月以上”なのです。
角質層(かくしつそう)が、新陳代謝によって白癬菌がいない新しい角質層に入れ替わるには、個人差はあるものの約1ヵ月かかります。
体にできる白癬(タムシ)が必ずかゆいのに対し、足にできる白癬(水虫)はかゆくないことも多いのですが、これは足の裏と体とで角質層の厚みが異なるためです。
表皮細胞は、基底層で生まれ、順次皮膚表面に押し上げられていき、角質層の表面からあかやふけとなってはがれ落ちていきます。これらのサイクルが一周するのに約1ヵ月かかります。