痔
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痔ってどんな病気?
痔は、主なものとして3種類あります。
肛門に強い負担がかかることによって、肛門を閉じるクッションの役割をしている部分が腫(は)れたり、その部分を支える組織が弱くなり肛門の外に出てきます。発生する部位により内痔核と外痔核があります。
硬い便の排泄や下痢によって肛門の皮膚が切れ、痛みや出血を起こします。
肛門の近くが細菌の感染により化膿し(肛門周囲膿瘍〈こうもんしゅういのうよう〉)、そこから膿(うみ)が出た後に管が残った状態になります。
佐原 力三郎 先生(牧田総合病院 肛門科)
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痔はお医者さんに診てもらったほうがいいの?
お薬や日常生活を注意することで痔はかなりよくなります。
ただし、痔の出血だと思い込んでいたものが、診察によって実はがんだったということもあります。
自分で判断せず、医療機関で診療を受けましょう。
佐原 力三郎 先生(牧田総合病院 肛門科)
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痔の手術はどんなふうにするの?
手術の内容によって多少の違いはありますが、痔の手術自体にかかる時間は30分程度です。手術前後は、下記のように過ごします。
尿・血液検査、心電図、レントゲン、血圧測定、大腸内視鏡検査などを行います。
手術後約1時間は麻酔の効果で痛みはありませんが、麻酔がきれると少し痛みを感じることがあります。
痛む時は痛み止めを使い、肛門に力を入れずに横向きで寝ていると少し楽になります。
排便時に多少の出血がみられることがあります。
出血が多い時は、看護師に伝えてください。
手術当日は、麻酔の影響で頭痛が起こることがあります。できるだけベッドで安静にして水分をとるようにしましょう。
佐原 力三郎 先生(牧田総合病院 肛門科)
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手術後の経過は?
痔核に対する結紮切除術(けっさつせつじょじゅつ)の場合で、通常、手術後1週間~10日前後で退院となります。退院後は2~3回通院が必要です。傷口が完全に治るまでには約1ヵ月かかります。
通常、手術2~3日後に最初の排便があります。多少の痛みと出血があるかもしれませんが、傷口が治るとともにおさまります。
佐原 力三郎 先生(牧田総合病院 肛門科)
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診察はどんなかんじ?
症状などを問診票に記入し、それをもとに医師から問診を受けます。
痛み/出血/脱出/不快感・かゆみなど/妊娠の有無
目で肛門周囲の状態をみます。
直接患部に触れて痔の状態を調べます。
器具を使って肛門内の状態を調べます。
病気と治療についての説明を受けます。
診察室はパーティションで仕切られています。また、診察時は穴あきシーツやタオルで覆うなどの配慮がされています。
佐原 力三郎 先生(牧田総合病院 肛門科)
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何科に行けばいいの?
痔の治療は肛門科・肛門外科で行います。
近くに肛門科・肛門外科がない場合は、外科または消化器外科を受診してください。
また、気になる症状があったら、まずはかかりつけのお医者さんに相談するのもよいでしょう。
佐原 力三郎 先生(牧田総合病院 肛門科)
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妊娠中でも痔の治療はできる?
安定期の場合は、医師の処方による薬物治療が行われることもありますが、手術は麻酔の影響がありますので妊娠中は避けたほうがよいでしょう。
胎児がまだ安定していないため、治療はなるべく避けたほうがよいでしょう。おしりを冷やさないようにし、食べ物などの工夫により便秘をしないようにしてください。また、中腰やしゃがむなどの肛門に負担をかける姿勢もできるだけ避けましょう。
症状により薬物治療が行われます。ただし、お薬は必ず医師の許可を受けて使うようにしてください。
お産では肛門に力が入るため、痔が悪化する場合があります。
この時期は便秘にならないよう特に注意してください。
佐原 力三郎 先生(牧田総合病院 肛門科)
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治療はどんなふうにするの?
規則正しい排便習慣や食生活の改善などの生活療法が基本になります。
病状が軽い場合はお薬で治療しますが、病状が進んでいる時は手術を行います。
手術を受ける患者さんは全体の1~2割程度です。
佐原 力三郎 先生(牧田総合病院 肛門科)
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痔のお薬について教えて!
痔のお薬には外用薬と内服薬があります。患者さんが自分で使用する外用薬には、軟膏と坐薬があります。
佐原 力三郎 先生(牧田総合病院 肛門科)
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痔の手術はどんな種類があるの?
痔の種類によって主に下記のようなものがあります。
佐原 力三郎 先生(牧田総合病院 肛門科)
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手術後に運動はいつ頃からできる?
傷跡が完全になくなるまでは、スポーツは控えたほうがよいでしょう。
手術を受けてから約1ヵ月半過ぎると、ゴルフやマラソンなどのスポーツもできるようになります。
佐原 力三郎 先生(牧田総合病院 肛門科)
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痔は再発するの?
便秘や下痢などおしりへの負担が多い生活をしていると、再発することがあります。
日常生活の注意点に気を配り、おしりに負担をかけない生活を心がけることが大切です。
佐原 力三郎 先生(牧田総合病院 肛門科)