紫斑は、皮膚の内出血によりあざが出る病気で、血管の炎症によるものとそれ以外に分けられます。 紫斑には、老人性紫斑(ろうじんせいしはん)、ステロイド紫斑(すてろいどしはん)、単純性紫斑(たんじゅんせいしはん)などの種類があります。 老人性紫斑は、加齢により皮膚が薄くなって血管が弱くなり、少しの刺激で内出血が起こることで生じる病気です。 主に手の甲や腕にさまざまな形の紫色の斑点ができ、皮膚が弱っている場合には皮膚の裂け目(スキンテアといいます)を伴うことがあります。加齢によって生じるため、繰り返しできることがあります。ステロイド紫斑は、ステロイド(副腎皮質ホルモン)外用薬を長く塗っていたり、ステロイド内服薬を長期間服用したりしていると皮膚が萎縮して毛細血管がもろくなり、皮膚に内出血を起こしやすくなる病気です。痛みはなく、さまざまな形や大きさの紫色の斑点ができた後、2週間程度で自然に消えます。高齢者に多くみられます。 単純性紫斑は、特にからだをどこかにぶつけたりしていないにもかかわらず、米粒ほどの小さい斑点ができる病気です。原因は不明で、若い女性の腕や脚、特にひざ下にあらわれやすく、自覚症状はありません。 安静にしていれば自然に消えていくため、治療は行わず、経過観察で対処します。 血管の炎症による紫斑には、IgA血管炎などに伴う紫斑があります。
紫斑の症例画像
監修:京都大学 皮膚科 名誉教授 宮地 良樹 先生
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