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疥癬の治療薬のラインナップ


    疥癬の治療は、基本的にヒゼンダニが検出され確定診断された患者、または、確定診断された患者と接触の機会があり、かつ疥癬の臨床症状を明らかに呈する患者に行います。

    推奨度Aの治療としては、通常疥癬の場合、イベルメクチン内服またはフェノトリン外用を行います。角化型疥癬の場合、厚い角質層を除去したのちイベルメクチン内服とフェノトリン外用の併用、または、いずれかの単独治療を行います。

    内服薬

    イベルメクチン 【GL第3版1) 推奨度:A】

    現在、疥癬に保険適用のある唯一の内服薬であり、ガイドラインにおける推奨度はA(行うよう強く勧められる)です。

    使用法
    体重1kgあたり200μgを空腹時に1回、水と共に服用します。1週後に顕微鏡検査かダーモスコピー検査でヒゼンダニを検出するか、疥癬トンネルなど疥癬に特徴的な皮疹の新生が認められる場合には、再度投与します。

    外用薬

    現在、疥癬に保険適用のある外用薬はフェノトリンローションとイオウ剤です。
    クロタミトンクリームは保険適用外ですが、社会保険診療報酬支払基金より「原則としてクロタミトンを疥癬に処方した場合、当該使用事例を審査上認める」(2007年9月21日付)旨の通知が出されたため、保険審査上は使用が認められています。

    フェノトリン 【GL第3版1) 推奨度:A】

    使用法
    1回30gを頸部以下の皮膚に塗布し、12時間以上経過後に洗い流します。
    1週間隔で少なくとも2回の塗布を行います。ガイドラインにおける推奨度はA(行うよう強く勧められる)です。

    イオウ剤 【GL第3版1) 推奨度:C1】

    使用法
    5~10%の沈降イオウ軟膏を塗布し、24時間後に洗い流します。
    2~5日間または7日間繰り返し塗布します。ガイドラインにおける推奨度はC1(行うことを考慮してもよいが、十分な根拠がない)です。

    クロタミトン 【GL第3版1) 推奨度:C1】

    使用法
    10%クロタミトンクリームを全身に塗布し、24時間後に洗い流します。
    5日間繰り返して塗布します。ガイドラインにおける推奨度はC1(行うことを考慮してもよいが、十分な根拠がない)です。
    • 推奨度A:行うよう強く勧められる1)
    • 推奨度C1:行うことを考慮してもよいが、十分な根拠がない1)
    患者ごとの疥癬治療薬2)
    患者分類 推奨薬剤 推奨度
    体重15kg以上の者 フェノトリン外用
    イベルメクチン内服
    イオウ剤外用
    クロタミトン外用
    安息香酸ベンジル外用
    A
    A
    C1
    C1
    C1
    生後2ヵ月以上、
    体重15kg 未満の小児a)
    フェノトリン外用
    イオウ剤外用
    クロタミトン外用
    C1b)
    C1
    C1c)
    生後2ヵ月未満の乳児 フェノトリン外用 C1d)
    妊婦 フェノトリン外用
    イオウ剤外用
    クロタミトン外用
    C1b)
    C1
    C1c)
    授乳婦 フェノトリン外用 C1e)
    • a) 安息香酸ベンジルは2歳を超えた年齢で使用可能(C1)
    • b) フェノトリンでの安全性は確立していない(使用経験が少ない)ので、患者、保護者(家族)に十分な説明を行い、同意を得て使用する
    • c) クロタミトンでは小児においては広範囲の部位には使用しないこと、妊婦においては大量または長期に亘る広範囲の使用は避ける
    • d) フェノトリンでの安全性は確立していない(使用経験がない)ので、保護者に十分な説明を行い、同意を得て使用する
    • e) フェノトリンでの安全性は確立していない(使用経験がない)ので、患者、家族に十分な説明を行い、同意を得て使用する.使用時は少なくとも1週間は授乳を中止する
    • 推奨度A:行うよう強く勧められる
    • 推奨度C1:行うことを考慮してもよいが、十分な根拠がない
    1. 日本皮膚科学会疥癬診療ガイドライン策定委員会:疥癬診療ガイドライン(第3版). 日皮会誌, 2015; 125:2023-2048.
    2. 日本皮膚科学会疥癬診療ガイドライン策定委員会:疥癬診療ガイドライン(第3版追補). 日皮会誌, 2018; 128:2791-2801.
    疥癬の治療
    1. 治療薬のラインナップ
    2. 外用薬の塗り方
    3. 治癒判定

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