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リスクマネジメント

医療用医薬品と一般用医薬品の飲み合わせ相談の現状と課題

株式会社サンドラッグファーマシーズ 調剤部村上 理恵 先生

はじめに

セルフメディケーションの推進により、一般用医薬品(以下、OTC医薬品)のニーズが高まっていますが、OTC医薬品においても医療用医薬品と同様に薬物相互作用があり、医療用医薬品との併用時には有害事象の発生を事前に抑える必要があります。「患者のための薬局ビジョン」において、薬局は健康サポート機能として国民の病気の予防や健康サポートに貢献すべきと明記されており(図1・2)、OTC医薬品の使用促進は今後も高まると考えられます。かかりつけ薬剤師には服薬情報の一元的・継続的な把握や管理・指導が求められているため、医療用医薬品同様、OTC医薬品や健康食品などに関する幅広い知識を備える必要があります。
本稿では、医療用医薬品とOTC医薬品の飲み合わせ相談における併用のリスクと対応時間から、今後の薬局のあり方を考察しました。

  • 「患者のための薬局ビジョン」~「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ~

    厚生労働省「患者のための薬局ビジョン」より

    図1.「患者のための薬局ビジョン」~「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ~

  • 患者等のニーズに応じて充実・強化すべき機能:健康サポート機能

    厚生労働省「患者のための薬局ビジョン」より

    図2. 患者等のニーズに応じて充実・強化すべき機能:健康サポート機能

調査方法

2015年4月1日~2016年3月31日の1年間、弊社グループ内の店舗従業員から本社相談窓口への相談が挙がった中で、「医療用医薬品を服用中」の方からの飲み合わせに関する相談の記録を抽出しました。相談窓口は、月~土曜日は9時~21時、日曜日・祝日は9時~19時の時間帯に実施しています。発生ベースで「相談日時」「対応者」「相談内容」「回答」の集計を行いました。

調査結果

期間中における対象者からの相談件数は1,622件、曜日別では日曜日が最も多く299件(18.4%)、次いで木曜日270件(16.6%)、土曜日261件(16.1%)の順でした。時間帯別合計では、11時台が最も多く195件(12.0%)、次いで10時台194件(12.0%)でした。曜日・時間帯別の最大値は木曜日の10時台・39件でした。相談のほとんどは調剤が併設されていないドラッグストア単体で運営している店舗からであり、お薬手帳や薬剤情報提供文書より、他の保険薬局や医療機関で薬剤を処方されている方であることが分かりました。相談者が服用している医療用医薬品はアムロジピンベシル酸塩錠やロスバスタチンカルシウム錠などが多く()、高血圧症、脂質異常症が多いことが分かりました。

相談者が服用している医薬品上位10種類とその数

表. 相談者が服用している医薬品上位10種類とその数

【相談内容と対応例】
  • 大腸がんに用いるXELOX(カペシタビン+オキサリプラチン)療法中に便秘薬の代替を求めた例
    ピコスルファートナトリウム水和物を処方されていたが、薬剤を切らしたため相談あり。受診勧奨とともに同成分のOTC医薬品の紹介を行いました。

  • レジパスビルアセトン付加物・ソホスブビル配合錠と併用注意であるOTC胃腸薬を求めた例
    水酸化アルミニウム含有の胃腸薬を希望されていたことより、併用注意にあたるため販売を自粛し受診勧奨を行いました(図3)。

    レジパスビル/ソホスブビル配合錠の併用注意に関する記載(添付文書より抜粋、作成)

    図3. レジパスビル/ソホスブビル配合錠の併用注意に関する記載(添付文書より抜粋、作成)

  • ノルエチステロン・エチニルエストラジオール配合錠を服用中の患者さんが極度の吐き気に対してOTC医薬品の購入を求めた例
    類似薬で死亡例の報告もあるため、脱水のリスクを考慮し、販売自粛と受診勧奨を行いました。さらに同薬はアセトアミノフェンと併用注意であり、調査期間内の低用量ピル服用中の方からの相談頻度(1.1%)と配合OTC医薬品数から、特に注意すべき薬剤であることが分かりました。

  • 高血圧治療薬を服用中(製品名は不明)の患者さんがクロルフェニラミンマレイン酸塩やトリメトキノール塩酸塩水和物などが含有されたOTC医薬品を希望した例
    相談の際は、薬剤名が不明であったことから販売自粛を行いました。その後、再度相談があり、服用しているのはカルベジロール、エナラプリルマレイン酸塩、アスピリン腸溶錠であることが判明し、トリメトキノール塩酸塩水和物との相互作用より高血圧や心疾患の悪化が考えられることから併用は難しいと回答した事例もありました。

考察

相談が多いのは日曜・木曜・土曜日でした。大多数は、他の保険薬局で調剤された医薬品に関する相談であり、処方元や保険薬局の休日に相談が集中したことが推測できます。2016年度調剤報酬改定における基準調剤加算の算定要件には、土曜日または日曜日のいずれかには一定時間開局することが規定されています。また、かかりつけ薬剤師として一元的な医薬品の管理、健康サポート薬局にてOTC医薬品の供給が求められていることから、土曜・日曜日の開局は地域住民のニーズに沿っていることが本調査で証明されました。
医療用医薬品とOTC医薬品間でも、血中濃度上昇などの薬剤相互作用を引き起こすおそれのあるケースがあります。また、服用中の医療用医薬品名が不明であることから受診勧奨をすべき場合も多くみられ、お薬手帳の重要性をあらためて認識しました。後発医薬品の調剤率も高くなっていることから、今後もお薬手帳に関する啓発を広めるべきと思われます。
かかりつけ薬剤師は服薬情報の一元的・継続的な把握や管理・指導を求められていることから、医療用医薬品だけでなく、OTC医薬品や健康食品など幅広い知識を備える必要があります。今後も患者さんの健康サポートに寄与していきたいと考えます。

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