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- 褥瘡辞典 for MEDICAL PROFESSIONAL
- 褥瘡の予防(ケア)
- リハビリテーション
- 関節拘縮の予防のためのポジショニング
褥瘡の予防(ケア)
リハビリテーション
関節拘縮の予防のためのポジショニング
ポジショニングとは、褥瘡を悪化させることなく関節拘縮を最小限にすることを目的とし、安定した姿勢をとるための方法をいいます。
ポジショニングの目的
- 体圧を分散させるとともに姿勢の安定を図るため、接触面積を増やします。
- 皮膚同士の接触を避け、皮膚表面の通気性を確保します。
- 既に関節拘縮がある場合は悪化を防止し、現状を維持します。
- 仰臥位の場合
- 円背の有無を確認します(極度の円背では仰臥位がとれません)。
- 病的な骨突出があり、骨盤帯が不安定な場合は空間を補う厚みのあるクッションを殿部に用います。
- 肘は体幹より前方で保持できるようにします。
- 膝関節の屈曲拘縮予防のため、下肢後面の全面にクッションが当たるようにします。
- 股関節・膝関節の屈曲拘縮があり、下肢が倒れる場合には、倒れる側からの支持が必要となります。
仰臥位時のポイント
- 側臥位の場合
側臥位時のポイント
- 側臥位の角度は、体幹のねじれの程度や殿筋の萎縮の程度によって異なります。
- 角度を定めたら、肩の部分や骨盤が安定し、体がぐらつかないようにクッションで支えます。
- 両下肢が交差している場合は、交差を解消するとともに下肢の下面の接触面積を増やすようにクッションを配置しましょう。
- 尖足(筋拘縮や外傷により、足関節が足底側へ屈曲して背側へ戻らない状態)の予防
- 掛け布団の重量が足背部にかかることを避けるために支持物を配置します。
- 膝関節が屈曲するのを防ぐため、アキレス腱部を支持します。
- 踵部が浮いているかどうかを確認します。
尖足の予防